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【表現技法】は言葉の〝お化粧〟‼~心を動かすレトリック・マジック~【chikaiの国語教室|#6】


1.はじめに


「明日の国語のテスト、修辞法が出るから覚えなきゃ……。えーっと、『まるで〜のようだ』が直喩で、暗示してるのが隠喩で……」

中高生の方(もしくは中高生の頃)、こんな感じで必死に表現技法暗記していませんでしたか?

テスト本番で、「波が踊る」という一文に線が引いてあって、「この表現技法を答えなさい」という問題が出たら、ドヤ顔で「擬人法!」と書く。
見事、丸をもらって点数をゲット!


……でも、心の中のどこかで思ったことないですか?

「で、これって一体なんの役に立つの?」
「『波が踊る』とか言わなくても、普通に『波が荒い』で良くない?」

って。


一方で、言葉で何かを伝える仕事をしている(たとえば、今noteで記事を書いている)そこのあなた!

一生懸命キーボードを叩いて、言いたいことは全部書いた。情報も正確だし、論理的にも間違っていない。…最近は的確なプロンプト(指示)さえ出せば、文章なんて全部AIが書いてくれる時代ですしね。(元国語教師としては複雑★)

でも、書き上がった文章を読み返して、ふとため息をついてしまうこと、ありまえんか?

「なんか……私の文章って、平坦でつまらないな」
「人気クリエイターさんの記事みたいに、グッと引き込まれる『エモさ』とか『フック』がないんだよな」

って。

もっと読者の心を揺さぶりたい。
スクロールする指を止めて、最後まで読んでもらいたい。

でも、どうすればあの「ハッとするような魅力的な表現」ができるのか、見当もつかない。※絶賛、私も悩み中です!←おい


実はこれ、中高生の悩みも、ライターをしているあなたの悩みも、根っこは全く同じです。

「直喩」とか「体言止め」っていう言葉の名前や知識は、頭の片隅にある。

でも、それが「なぜ必要なのか」「どう使えば相手の心が動くのか」がピンと来ていない。

テストで記号は選べても、自分の日常会話や、大好きな人に送るLINE、一生懸命書いたnoteの記事には、全く活かせていない

だから、「表現技法なんて、ただの面倒な暗記ゲーじゃん」「文才がある人だけが感覚的に使えるものなんでしょ?」と感じてしまう。

はい、その気持ち、よーくわかります!

だって、それを〝自分の言葉としてどう活用するか〟までは、今まで誰も教えてくれなかったんだから……

と言うことで、今回の授業テーマは
【表現技法(=修辞法/レトリック)】です!

AI時代だからこそ、
〝言葉にできない想いを届ける〟能力がとっても大切!

なぜならそれは、AIには決してできないことだから^^


2.表現技法(レトリック)とは?

▶ 言葉の〝お化粧〟


そもそも「表現技法(レトリック)」って覚えてますか?
高校や大学では「修辞法」と習いますね。

辞書を引くと「言葉を美しく効果的に表現する技法」と説明されていますが、簡単に言うと、表現技法とは〝言葉のお化粧〟です^^

例えば、「今日は暑いね」って相手に伝えたいとします。
これが伝えたい「思い(芯)」の部分です。しかし、これをそのまま言葉にするのは、無地の白いTシャツを着ているようなもの。シンプルに事実だけを伝えたいのなら十分ですが、相手の心に強く残るかと言われたら、ちょっと物足りません。

そこで、ここに表現技法という〝お化粧〟を施してみることにします。

「今日は〝秒でアイスが溶けそうなくらい〟暑いね!」
(こんな言い方しないか!?笑)

少なくとも、ただ「暑い」と言われるより、どれくらい暑いのかが相手の頭の中にパッと映像として浮かんでくることは間違いないでしょ?

修辞法は、決して嘘をついたり、話を大げさに盛ったりすることではありません。あなたが心の底で感じている「本当の気持ち」や「伝えたい情報」を、相手の心に一番届きやすい形にデザインするためのコミュニケーションツールです。

実際、お話が上手な人は無意識に表現技法を多用していますし、小説や映画・マンガ・アニメなど「伝える」ことが目的のメディアにおいても修辞法は使用されています。

私は現役時代、ムスカ大佐(『天空の城ラピュタ』)のセリフで表現技法を教えていました。

「見ろ!人がゴミのようだ!」(直喩)
「立て、鬼ごっこは終わりだ…」(隠喩)
「見せてあげよう、ラピュタの雷を。」(倒置法)
「読める!読めるぞ!」(反復)
「あぁぁ、目が、目がぁ … 」(省略)

「父さん が 残した~ 熱い 想い~♪
  母さん が くれた~ あの まなざし~♪」
(対句)

『天空の城ラピュタ』(と、主題歌『君をのせて』)より

ムスカのセリフって、なぜか覚えてる人が多いでしょ?
それは修辞法で強調されているからなんですよね^^

ただの「情報」を「感動」に変える魔法。レトリック・マジック!

それが表現技法のチカラなのです!

お話するのが上手な人はレトリックを巧妙に取り入れています。
(しかし、どう考えても怪しそうなセミナーですね、コレ笑)

3.日常で使えない理由&解決策

▶〝暗記ゲー〟の弊害


なぜ表現技法が「使える武器」にならないのか。

それは学校での教わり方が知識の詰め込み(暗記)一辺倒になっている場合が非常に多いからです。

私も教師をしていた頃、このジレンマに悩まされていました。

中高生に表現技法(レトリック)の本質を伝えたいのに、授業時数の問題や、テストで点数を取ることを目的とする生徒も多く、結局〝暗記ゲー〟みたいになってました。それに意味なんて無いって分かってるのに……


例えば、【倒置法】を習ったときのこと、覚えてますか?

『おいしいね、このケーキ』←こんなやつです

倒置法について問われると、ほとんどの人は
「言葉の順番を入れ替えること」って回答します。

そう、正解です。
でも、重要なのはそこではありません。

言葉の順番が入れ替わっていること「で、どうなるのか?」を説明できるようになること、それによってどんな「効果」や「心の動き」が生まれるのか肌感覚として味わう経験をすることが本質です。

でも、学校の授業は時間が限られているし、テストで点数をつけなきゃいけない。だからどうしても、「次の文章から倒置法が使われている一文を抜き出しなさい」っていう、機械的な作業になりがちです。(これだと「言葉の順番が入れ替わっていること」だけ覚えていたら〇がもらえてしまいます……)


その結果、
中高生はテストで点を取るために「名前と形」だけを丸暗記するようになります。

そして大人になってからも、その「丸暗記」の呪縛から抜け出せていないため、「よし、ここは読者の目を惹くために倒置法を使ってみよう!」なんて発想に至らない、というわけです。

つまり、あなたが修辞法を使いこなせないのは、センスがないからでも、文才がないからでもありません
単に、「どう使えば相手の心が動くのか」という、一番大事な『実践的な使い方』を教わる機会がなかっただけです。


▶ 解決策


原因がわかったなら、解決策は非常にシンプル!

このあとの章で紹介しますが、表現技法にはたくさんの種類(名前)があります。しかし、名前なんてどうでもいい!!(※中高生を除く)

注目すべきは表現技法の『効果』です。

表現技法は、料理でいうスパイスみたいなもの。

「ブラックペッパー」という名前を覚えていても、料理は美味しくなりません。「最後の一振りで味がピリッと引き締まる」という『効果』を理解して使うから、料理は美味しくなるのです。

文章もそれと全く同じ!


だから、次の章では一応代表的なレトリックを紹介しますが、ただの用語解説をするつもりはありません。(それで済むなら学校の教科書で良い)

テストの得点源になるポイントはもちろん、日常会話やnoteの記事で相手の心をグッと惹きつける「実践的な使い方」に焦点を当て、分かりやすいビフォーアフターと一緒に紹介してみようと思います^^


4.レトリック・コレクション


さあ、いよいよ実践編です!

テストで聞かれるポイントと、日常での使い方をセットで紹介していきます。特にビフォーアフターを見比べると、その威力がわかるはず!

①比喩(ひゆ):頭の中に映像を見せる

【テストのポイント】
「〜のようだ」等の言葉があるのが直喩、ないのが隠喩。

【実践での使い方】
ただの状況説明を、読者の頭にパッと浮かぶ「映像」に変える。

❌ビフォー:「今日はとても疲れた。」
⭕️アフター:「今日はもう充電切れ!」

「とても」と言うより、どれくらい疲れているかがイメージで伝わるでしょ?まずは読者の共感を生みたいnoteの冒頭にピッタリですね。

▼比喩表現をより詳しく知りたい方はコチラ


②擬人法(ぎじんほう):無機質な文章に「体温」を宿す

【テストのポイント】
人間じゃないものを、人間のように表現すること。

【実践での使い方】
説明ばかりの固い文章に、キャラクター性や愛嬌を持たせることができる。

❌ビフォー:「パソコンが重くて動作が遅い。」
⭕️アフター:「パソコンが悲鳴を上げとります。」

ただの機械が、なんだか愛おしく思えますよね!(パソコンの症状はわかりづらいけど!)読者に親近感を持ってもらいたいときや、クスッと笑わせたい時に大活躍します。


③倒置法(とうちほう)=スクロールする指を止める必殺技

【テストのポイント】
普通の文の順番(主語→述語など)をひっくり返す。

【実践での使い方】
一番伝えたい感情や気を惹く言葉を「先」に持ってくることで、読者をハッとさせるテクニック。

❌ビフォー:「私はあの日の失敗を一生忘れないだろう。」
⭕️アフター:「私は一生忘れないだろう。あの日の失敗を。」

とにかくインパクトがあるのが倒置法です。続きが気になる心理にさせるので、特にSNSの投稿の一行目や、noteのタイトルなど、ここぞという時に使われていますね!

このセリフ、すべて【倒置法】が使われているってこと、わかりますか?
「これ」という指示語を先に持ってくることで、続きが読みたくなるよう誘導していますね。
※なんか画像に悪意が……(全部チャッピーが悪い^^)

④反復法(はんぷくほう):感情をたたみかけるように伝える

【テストのポイント】
同じ言葉やフレーズを何度も繰り返すこと。

【実践での使い方】
リズムを作って、あなたの強い思いや感情をストレートにぶつけられる。

❌ビフォー:「とにかく急いで逃げた。」
⭕️アフター:「走った。走って、走って、とにかく走って逃げた。」

必死な感じがひしひしと伝わってきます。「臨場感」ってやつですね!
文章にリズムが生まれるから、読者もあなたの感情の波に乗って、熱中して読んでくれるようになります。


⑤対句(ついく):リズムを作って印象をクッキリさせる

【テストのポイント】
意味が対(ペア)になる言葉を、同じリズムで並べる。

【実践での使い方】
文章に心地よいテンポを生み出し、伝えたいメッセージを鮮やかに際立たせることができる。

❌ビフォー:「悲しい時もあるけど、いつか楽しくなるはずさ。」
⭕️アフター:「悲しい夜があれば、楽しい朝もやってくる。」

「おじいさんは、山へ芝刈りに。おばあさんは、川へ洗濯に。」が有名。
リズムが良くて印象に残るから、このフレーズを覚えている人が多いのです。名言やnoteのキャッチコピーにもよく使われる、テクニカルな修辞法ですね。


5.おわりに


いかがでしたか?

修辞法は、決して一部の〝文才がある人〟だけが使える特別な才能ではありません。効果を理解し、意識さえすれば、今日から誰でもすぐに使うことができます。

テストの点数を取るためだけに、無味乾燥な丸暗記をするのは今日でおしまい。これからは、あなたの心の中にある「本当の気持ち」や「見ている世界」を、一番まっすぐ、色鮮やかに相手へ手渡すために使ってみてほしいと思っています。

まずは明日、たった一つでいいから、お気に入りの技法を試してみましょう。友達へのLINEでも、次のnoteのタイトルでも構いません。

それだけで伝わり方が変わる。伝わり方が変われば、きっとあなたを取り巻く世界も、もっと豊かに変わっていくはずです。

あなたが一生懸命に紡いだ言葉が、誰かの心を震わせ、深く温かく届いていくことを願っています!

最後まで読んでくださり、ありがとうございました^^


6.その他|ご案内など


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