TOEIC対策、何から手をつければいいか迷っている人への地図【無料】

TOEICの試験構成をまず正確に押さえる

対策を始める前に、TOEIC L&R(Listening & Reading)テストの構成を正確に知っておくと、勉強の計画が立てやすくなる。IIBC(国際ビジネスコミュニケーション協会)の公式情報によると、構成は以下の通り。

リスニングセクション(約45分間・100問)
Part 1(写真描写問題):6問
Part 2(応答問題):25問
Part 3(会話問題):39問
Part 4(説明文問題):30問

リーディングセクション(75分間・100問)
Part 5(短文穴埋め問題):30問
Part 6(長文穴埋め問題):16問
Part 7(読解問題):54問(1つの文書29問+複数の文書25問)

合計約2時間で200問に解答する形式になっている。この構成を頭に入れておくと、「今どのパートに時間を使うべきか」「どのパートの配点比率が高いか」が具体的にイメージできるようになる。

なぜ「量をこなす」だけでは伸びないのか

TOEICの勉強法を調べると、単語帳を1冊仕上げる、模試を何回も解く、といった「量」に関するアドバイスが多く出てくる。もちろん一定の学習量は必要だが、量だけをこなしても点数が伸び悩む人は多い。

理由は、TOEICの200問が、実はそれぞれ全く違う「情報処理の技術」を問うているからだ。Part1・2は瞬発的な反応、Part3・4は先読みと情報の待ち構え、Part5・6は文法パターンの認識、Part7は時間内に必要な情報だけを拾う読み方。単語帳や文法書を1冊やり切るという勉強法は、この6つの異なる技術を無差別に鍛えようとしていることになり、効率としてはあまり良くない。

自分が今、どのパートで、どういう理由で失点しているのかを把握しないまま量をこなしても、得意なパートがさらに伸びるだけで、苦手なパートは苦手なままということが起こりやすい。

対策の優先順位を決める3ステップ

1. 現状把握:模試を1回、時間を計って解き、パート別の正答率と所要時間を記録する
2. 原因の切り分け:正答率が低いパートについて、「知識不足」なのか「時間不足」なのか「注意力不足」なのかを見極める
3. 優先順位づけ:一番伸びしろの大きいパート、かつ対策のしやすいパートから着手する

このステップを踏まずにいきなり教材を買い足すと、自分に本当に必要のない対策に時間を使ってしまうことになりやすい。

【全公開】3ステップを実際にやってみると、こうなる

抽象的な話だけだと動きにくいと思うので、架空の例で3ステップを最初から最後までやってみる。

模試を1回、時間を計って解いた結果が次のようだったとする。

Part1・2(写真・応答):正答率90%、時間内に余裕あり
Part3・4(会話・説明文):正答率65%、時間内に余裕あり
Part5(文法):正答率70%、1問あたり平均35秒かかっている
Part6(長文穴埋め):正答率75%、時間に余裕あり
Part7(読解):正答率55%、最後の10問が時間切れで未回答

ステップ1(現状把握)はこの数字を出した時点で終わり。次にステップ2(原因の切り分け)に進む。Part3・4は正答率が低いのに時間は余っているので「知識不足」ではなく「聞き取れているのに整理できていない」可能性が高い。Part5は正答率こそそこそこだが1問35秒は遅く、「知識はあるが判断に時間がかかっている」状態。Part7は正答率も時間も両方悪く、「時間不足がそのまま失点に直結している」パターンだ。

ステップ3(優先順位づけ)では、この中から「伸びしろが大きく、対策しやすいもの」を選ぶ。この例なら、Part7の時間切れが一番点数への影響が大きく(未回答の10問がまるごと失点)、かつ「先に単独文書の設問を解く」といった型を身につければ比較的すぐに改善が見込める。だから最初の対策はPart7の時間配分から着手する、という結論になる。Part3・4やPart5は後回しにするわけではなく、Part7の型が身についてから次の優先順位として取り組む。

自分の模試結果でも、この3ステップをそのまま当てはめてみてほしい。数字さえ出せば、次に何をすべきかは感覚ではなく計算で決まる。

スコア帯によって「壁」の性質が変わる

TOEICのスコアが伸び悩む理由は、スコア帯によってかなり違う。

600点前後の壁:知識不足と処理速度不足が混在している段階。パート別の型を身につけることが優先
730〜860点あたりの壁:知識はあるのに、細部の精度や集中力の持続で失点している段階。復習の深さがカギになる
860〜900点あたりの壁:知識も精度もあるのに、ケアレスミスや本番での再現性で数点を落としている段階。仕組みで防ぐ対策が中心になる

この「壁の性質の違い」を理解せずに、どのスコア帯でも同じ勉強法(単語を増やす、模試を解く)を続けてしまうと、遠回りになりやすい。

逆に言えば、自分の壁がどのスコア帯にあるかさえ分かれば、そこに特化した単語・問題・学習計画だけをやればいい。その「スコア帯特化」の発想で作った学習ツールを以下で紹介している(600点・730点・860点・900点の4パック。単語からPart1〜7の演習、学習計画の自動生成まで1ファイルで完結する)。
→ TOEIC 600点突破パック https://tepe-lab.booth.pm/items/8605342 / 730点 https://tepe-lab.booth.pm/items/8605469 / 860点 https://tepe-lab.booth.pm/items/8605497 / 900点 https://tepe-lab.booth.pm/items/8605477

継続の仕組みも技術のうち

どれだけ良い勉強法を知っていても、続かなければ意味がない。TOEIC学習が続かない人の多くは、「まとまった時間ができたら勉強しよう」という考え方をしていて、日々の隙間時間を活用する仕組みを持っていない。勉強時間を「作る」のではなく、生活の中の決まった時間に「固定する」という発想に変えるだけで、続けやすさはかなり変わってくる。

まず今日やること

このロードマップを読んで、自分が今どの段階にいるかが見えてきたら、次にやることは単純だ。模試を1回、時間を計って解き、パート別の正答率と所要時間を記録してみてほしい。そこから、自分にとって優先順位の高い課題が具体的に見えてくるはずだ。

【有料版のご案内】
このロードマップで紹介した内容を、それぞれさらに掘り下げた有料記事(各500円)を用意している。自分の課題に合わせて読んでみてほしい。

全体戦略と2週間の勉強スケジュールをより具体的に知りたい方へ:「TOEIC、伸び悩んでいる人がやりがちな『勉強の順番』の間違い」
模試の復習のやり方を具体的に知りたい方へ:「TOEICの模試、解きっぱなしになっていませんか」
学習を継続する仕組み作りを知りたい方へ:「忙しい社会人がTOEIC勉強を続けるための時間の作り方」
停滞期のメンタル管理を知りたい方へ:「TOEIC学習で挫折しない人が、点数が伸びない時期にやっていること」
教材選びで迷っている方へ:「TOEIC教材、結局どれを買えばいいのか迷っている人へ」

このほか、パート別の攻略(リスニング・リーディング)、スコア帯別の壁の越え方、S&Wや転職への活かし方についても、それぞれ有料記事にまとめている。

【参考リンク】
テストの形式と構成|TOEIC Listening & Reading Test|IIBC公式
https://www.iibc-global.org/toeic/test/lr/about/format.html

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