年の瀬も クリスマス騒ぎも 遠い国
全て躓きの始まりというのは些細なことだ。
曲がるべき角を間違えて迷子、引くカードを間違えてババ持ち、約束に五分遅れて信頼を失い、多くの人が選ぶ選択の真逆を選んで反逆者。
ことの始まりは、あの一枚のハガキだ。「お客様のお使いの携帯はもう部品がございませんので、もし故障された場合は、自己負担での機種変更となります。今なら大変お得な代替機種をご用意してございます。お近くの携帯ショップまで、できれば予約をしてご来店下さい」。フェイクではない、正規代理店からのハガキ。「お近くの」とはいえ、行くまで車で一時間以上かかる。ここは紛れもない地の果てだから。アメリカ大陸に住んでいると思って、ニューヨークからカリフォルニアまで行く気分で車を飛ばすか。
予約もせずなんとなくショップへ辿り着いたのは昼過ぎだっただろうか。ショッピングモールの中の一角の、携帯ショップ。昔でいうキリンビールではない。サッポロか、アサヒか二番手三番手.ーシェアは減りつつある。携帯のお金をかけるという発想がないので、壊れるまでほぼ使ってきた。電話とショートメールができれば良い。アプリは使わない。LINEの言葉は短すぎて意味不明。このような頑迷な昭和頭である。平成ヒトケタで止まっている。
行った時間が悪かったか、ショップ店番は一人で(他は昼休み?)しかも経験年数は少ないようだった。番号カードを引いて待っていると近づいてきて、「予約のお客様でしょうか」と来る。いいえ、違います、近くまで用事があったので(用事なんてないけど)、結局その時は目的を果たせなかった。
その時何処か曲がる方向を間違った用意思う。
それからどんどん不機嫌になり、怒りっぽくなり、悪態をつくことが多くなり、日常が綻び始めた。つまりは毒虫化してきたのである。
変身とは一度に起こるばかりではないのだ。この二年余りのストレスが
悪い形で噴出してきた。。。
腕時計が動かなくなった。日常メガネがなくなった。
メガネストラップもパーツが外れた。車がパンクした。
どれも、専門家に頼めば直せることだし、メガネも出てきた。
自分の社会資本の少なさ、人間関係の少なさ、頼れる友人とは
ケンカモードになり、歯車が狂うように大嫌いな11月が終わった。
地震なんてなかったかのように、被災者だと思わないように
平気な顔をして過ごしてきた.しかし、やはり心の深い所に抱えた痛みは消えていない。救いは暖かい日が少しはあることだ。(この項続く)
