七夕詩『星逢い』
見えないものだけが
夜のしじまを照らしている
触れられぬ光の名を
そっと呼んだ
星影に折れた羽音
誰かの夢が宙を彷徨う
願いはまだ形を持たず
揺れるまま 声を殺して
時の裂け目に編まれた声
聴こえるのは
心の記憶か 祈りか
出会うより先に
君は わたしの中にいた
一年に一度の軌道を描いて
星々は交わるように見せかける
散り際の煌めきに
君の面影を見た
願いでは届かぬ場所で
わたしはまだ
君を視ている
光はいつも
去りゆく風前の灯火
それでも
灯してしまう
この静寂の闇の先に
君がいる気がして
わたしを知らぬ君の孤独
君を知らぬわたしの渇き
交わらぬまま見つめ合う
二つの夜が折り重なる
どうして
あの夜 君を呼ばなかったのか
どうして
あの瞬間 手を伸ばさなかったのか
いまさら願っても
星は戻らない
それでも
光が欲しかった
君という光が 欲しかった
それでも星は知っていた
触れられぬまま焦がれる魂を
刹那の交差が
永遠を超えることを
君よ
わたしを知らなくても
この夜は
君を想うためにある
「忘れてもいい
けれど
名を呼ばずにいられなかった
これは祈りでも
夢でもない
希望そのものだった」
夜が終わる
静寂だけが
確かに残る
煌めく星々を見つめながら
