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クリスマスイルミネーションと屋根裏の散歩者

街が華やかなクリスマスイルミネーションで輝く、この季節

だが、我が家の一角では年中、
クリスマスライトが灯っている。
それは、“奴ら”との長い闘いの末にたどり着いた、苦肉の策なのだ。

“奴ら”は真夜中にやってきた

天井裏に潜む、不穏な気配
私の好きな江戸川乱歩の作品を思い出しては
恐怖に震える日々
節穴から覗く、異様に光る眼を想像し
布団の中で怯えていた。


屋根裏の散歩者とは?


田舎のポツンと一軒家
中古住宅の我が家に越してきたのは、数十年前のことだ。ご近所は遠く、少々大きな音を立てても近隣迷惑などとは無縁
なかなかに恵まれた環境である。

ただし、そこには落とし穴もあった。
裏手には竹藪が広がり、家は木々に囲まれている。引っ越してまず驚いたのが、虫の多さだ。

蜘蛛やムカデに蛇まで
(ホラー要素強めなラインナップ)


最初のうちは悲鳴を上げるなど、まだ可愛げのある反応をしていた私も、今では無言で対処できるほど、すっかり強心臓になった。

だが、“奴ら”だけは別だった

ファーストコンタクトがいつだったのか?
正確には覚えていない。
引っ越して間もない頃だったように思う。
夜中、天井からドタドタと何者かが走り回る音がする。眠っていても飛び起きるほどの騒ぎだ。
やがて、鼻をつく異臭が漂い始める。

しばらくして、その正体に気づいた。
そう、“屋根裏の散歩者”はイタチ一家だった

一匹ではない。
二〜三か所から同時に聞こえる足音
どうやら一家のようである。

長い闘いの日々


最初の頃は、期間限定の滞在だった。
冬の寒さをしのぐため、比較的暖かい屋根裏に避難してきていたらしい。夏場は侵入も少なかった。

だが、割と賢い奴らは居心地の良さを覚えたのか、毎年のように戻ってくるようになった。

こうなると、ほぼ同居人だ。

家賃を取り立てたいところだが、そうもいかず、奴らは無断で住み着いてしまった。

新たな同居人は、図々しくも部屋の中まで闊歩するようになる。一度、ご対面してしまったこともある。

「意外と可愛い」

目が合った瞬間、そう思ってしまった自分に驚いたが、事態は深刻だった。

「これはマズい‼︎」

素人なりに、思いつく限りの手を試すことにした。

音で駆除(イタチが嫌がる音波をiPadで流す)
→ 自分にも聞こえ続け、頭痛がして断念


匂いで駆除(イタチ用忌避剤)
→ 部屋が耐え難い臭いになり、壊滅的


テレビの音を大きくして存在をアピールするなど、あらゆる方法を試したが、願いが届くことはなく、屋根裏運動会は続くばかりだった。

やっと見つけた最適解


有料の害獣駆除に頼ろうかと、
本気で思い詰めたその時。
最後の望みとして辿り着いたのが、“光攻撃”だった

イタチは光に敏感だという

最初は照明を手動でカチカチと点けたり消したりしていたが、当然ながら長続きはしない。
そこで、ひらめいた。

クリスマスイルミネーションだ‼︎

ツリー用のコンパクトなLEDライト
安価で省電力。
正直、あまり期待はしていなかった。

だが、これがなんと 効果てきめん!

あっという間に、奴らは退去していった。
こうして、私の平穏な日々は守られた。
長く続いた闘いの、勝利の瞬間である。

もっとも、今でも時折、迷い込んでくることはある。
しばらく屋根裏をうろついたあと、
諦めたように撤収していく。
キラキラと点滅するクリスマスライティングが、
侵入者を追い払ってくれるのだ。

その代償として、その一角は年中クリスマス
普段はほとんど使わない部屋で、誰もいない空間に陽気なライトが点滅し続けている。
すべては、屋根裏の平和のために

この季節、街のクリスマスイルミネーションを見るたびに、
怯えて逃げ出すイタチ一家の姿を想像して、
私はひそかに、ほくそ笑むのだ。

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