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『咲いて あつかった日:Re 一章』君といた100年


あつかった日


そう くらやみ
まだ咲いてない頃は

わたしも咲いてた

「なぜここにいるのかって?」

だってここは わたしの
お部屋ですもの

揺り動かし
添えて

才 財 咲くような容姿
恵まれたものを自覚しながら
誇示するわけでもなく
ただ一人として生きてきた

辺りをやわらかい光と
指でなぞる影が
見えない花を咲かせている

長い時間を過ごして
人に見えなくていいものに
目を瞑りながら平穏に
ただ

それが願いだった
誰かのためになるために
慣れない場所に
求められる姿に
語られる言葉に

くらやみと光をうつして

今は

誰もいない

ここに居ること

かつて理解してくれた人
心を通わせた人
あつかった日

ゆっくりと

解放と閉じていく景色に

どこから流れるくらやみが
照らしている

きれいな服
着なれた服
日常にかかせない心と

立ち入ることのできない部屋が
いつのまにか

袖を通し世界をみて

鍵と管理される牢獄
きれいな花も
鑑賞されることもされない

こうなるだろう
そう思わない日が現実に

瞳の端にうつる息も
零れ落ちていく

描くのは

どこへでもいき
どこへもいかず
いっぱいのお菓子と
きれいなうつわ

肩にのる
鮮やかさと薄い紫と

満ちるものは足りなくて
それでも覚えている

なにも知らなくて
やさしく
美しくて

それでも翳らないようにと

「ねぇそうでしょ?」

夢やありたいわたしの

あるべき姿を思い浮かべて

あるって便利よね
そんなあなたにも
わかるかしら

この空間に訪れる
唯一のおともだち

「どうして君はひとりなのかって?」

羽ばたきながらとまる
軽い
それでいて
落ち着くあたたかさ

整った指先に風が舞って

持つべきものを時に
はかれなくて
見失ってしまうものなの

それだけで花やかに
なってしまったら
人は恐れていくのよ

簡単に言うと
嫌われてしまったのね

触れてはいけないわ
目立ってしまうもの

波風は気にとめた
気持ちを誇って

隙間から
色がかわっていく
ただ流れ

そしてかわる

お気に入りの
窓の高さに
凛と

整った手

とまどうこともなく
欠けていない
存在する華麗に

傾く雲も
数えた日々も
定めた域から
こえる想いに

少しまっててね
仕草でみせ
戸棚に目をやる

「そうそう 最近はじめたのよ」

明るくなる小鳥たち

手に取る
実感を

贈られた箱から
わたしに似た

裁縫道具をとりだして

つくる楽しさ
満ちあふれる線
通った先は
また道をつくる

「どう?気に入っていただけた?」

あなたたちは気さくね

たまにいたずらをされる
鈍いのかな

でも平気
かみをまいて
歩けば
見とれながら
また色がかわる

横になれば
ひつじが顔を出し
眩しく鏡を揺らす

なんだか
あついわね

こんなこともあったような

静かに扉にかける

よくないもの
ここからは

声が聞こえる

「あなたははじめてかしら」

指先に挨拶
同じ音

少しだけうらやましい
そうだ
仲良しのしるし


あつかった

喪失と

またかみをまく1日




Written by : 12340

Produced by : 12340

Executive Producer : 12340

KUJIKA World Records

© KUJIKA World Records




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