キングの椅子と義父と夫

夫の実家には「キングの椅子」と呼ばれている椅子がある。
なんてことはない、それは義父の座る椅子の事だ。
夫の実家では義父がリーダーだ。

義父は寡黙で亭主関白だ。
でも義父はとてもいい人だというのは徐々にわかっていった。
義父は義母の事を非常に大切にしている。
車の運転ができない私が、義母に、妊婦時代の検診や、娘を小児科に連れて行くのに病院までの送迎で頼っていた時も、
平日はもちろん仕事があるし、隔週で土曜日も仕事がある夫にはそういった送迎を頼む事ができないので、義母に頼んでいたのだけれども、
ある時間違えて、夫が仕事のない時に送迎を頼んでしまい、義姉に「義父にばれたら夫に頼めと夫とえりこさんが怒られてしまうから」と言われ、慌てて気づいた事がある。
でも実際特に義父に怒られた事は無い。あまりにも無口ですごくびっくりしたけれど、義父はすごいいい人だ。たまににぱっと笑うと笑顔がすごくかわいい。
結婚してから父の日にプレゼントを贈るようにすると、それまで夫からも義姉からも特に何ももらったことのなかった義父は、すごく喜んでくれて、照れくさそうに電話をかけてお礼を言ってくれた。
その言葉は、愛情の温かみに包まれていると感じた。

義父は亭主関白で、義実家の家族はみんな義父に従っている。
でも義父が仕切っているからあの家はバランスがとれている。

息子である夫は、義父のような亭主関白に憧れているのは、結婚してしばらく経ってからなんとなく気づいていた。
時々、わざと、義父の口癖である「知らんぞ」を私に言ったりした。
でも私はいまいちぴんと来なくて「・・・?」の感じだった。
だって、わざわざ亭主関白ぶらなくたって、夫の事が好きなのに。
別にそんな事しなくたって、ありのままの夫が好き。
娘のパパとして大切に思っている。
夫の不器用でかたくなな心がやわらかく溶けてくれるまで、
毎日ブログで夫への愛情を書いていくつもりだ。
夫の事は大切に思っている。


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