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隣席の富士山 (毎週ショートショートnote)

富士山がうつる湖のそばのおじいちゃん家まで、二時間。
はじめて一人で行く、僕の夏休みの冒険。
だけど、お母さんに見送られて電車に乗ったときから、心配でしょうがない。
まちがえないでとちゃんと降りられるかな。
寝ちゃったりしないかな。
富士山が見えてきたら、半分過ぎたしるし。
いつもは心待ちにしてる富士山なのに。そんな気になれなくて、緊張してその姿を探す。
 
「よっこらしょ」
 
と、誰かが隣にどっかり座った。
目が合った。
富士山だった。

「君、一人旅? ボクもさ」 
話しかけられた。
「ボクもみんなみたいに旅がしてみたくってさ。もう楽しみで楽しみで」

うれしそうにしゃべる富士山の後ろの窓から、富士山が見えてきた。
 
富士山が二つ……!?
 
と見比べる僕に、

「ああ、あれはボクのそっくりさん、逆さ富士だよ。ボクの代わりに座ってくれてる。逆立ちしてて疲れるからって、逆さ富士たちが交代してるんだけどね」
 
じゃあ、あそこに見えてるのは、もしかしたらおじいちゃんちの……?
早く確かめてみたい!
 
気がつけば僕の心は、もう、わくわくが止まらなくなっていた。




了 (450字)




今週はもう参加無理かなと思っていたら、突然アイデアが降ってきました~♪
なんとか間に合った……!

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あき伽耶 ええ!? もしかしてチップをくださろうとしているのですか……!? もし頂戴いたしましたら、執筆力アップを目指して活用させていただきます<(_ _)>