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第183話 『#寧々密会写真展〜京都編』〜海宝寺に想いの詰まった桜が植えられますように


我が家にある桜の意味

「寧々密会写真展の最終日、海宝寺に桜を植える」
 とても良いなと思った。
 これまで「今の1秒1秒を、余すことなく覚えていたい」と思うことが何度もあった。しかし記憶は悲しいほどスルスルと消えていく。記憶も諸行無常。だが桜を植えることで、蘇る記憶もあるだろう。私たちが死んでも、思い出は桜と一緒に生きていくのだろう。
「ほんまにたのしませてもらったわ」
 という想いとともにーーー

 私の実家の庭には桜が植っている。両親は毎年その桜が咲くと、「今年も満開やで」と写真を送ってくる。私は今まで、あの桜がなんの記念に植えられたのか、覚えていなかった。
『#寧々密会写真展〜京都編』の最終日に、桜を植えることを聞き、私は両親に「うちの桜は、なんで植えたん?」とLINEで聞いてみた。なんと、兄の大学入学と、私の高校入学の記念で植えたらしい。覚えていないなんて薄情なものだ。両親はきっと呆れたことだろう。
「寒を越え春に喜ぶ幸樹」
 父がこんな一文を送ってきた。漢文みたいな文章を送ってくるのはいつものこと。だが同時に、桜を植えた時の記憶が少しだけ蘇ってきた。確か両親から、桜を植える想いを聞いていた気がした。

「冬のあとは必ず春が来るからね。大変な時期を越えれば、必ずたのしい時間がやってくる。受験、本当によく頑張った」
 そしてこうも言われた。
「あんたたちには、いつも、たのしませてもらってるわ」
 この「たのしませてもらってるわ」の一言は、いつも私を最高にホッさせる。頑張ったね、すごいね、えらいね、よりも嬉しい。両親にはエラそうなことを言って、イライラして、八つ当たりばかりした。しかしそんな彼らから「たのしませてもらってる」の一言を言われると、全てをチャラにしてもらえた心地になるのだ。自分本位極まりないが。
 実家の庭の桜は「受験を頑張った私たちのため」に植えてもらったが、今思うと、絶対に両親のための桜だと思う。
 受験は騎馬戦だ。騎手である私は、ただテストの点数をもぎ取っただけ。点数獲得に集中できる環境を作ってくれた、最高の馬力があったおかげだ。きっと点取り合戦をしていた私より、騎手を支えていた両親の方が、苦労が多かったに違いない。だから記念に植えた桜への想いも強かったのだろう———

これまで全ての思い出が『#寧々密会』の桜に

 約3ヶ月後にはじまる『#寧々密会写真展〜京都編』。写真展の最終日には会場の海宝寺に、記念の桜を植え、その横にはクラウドファンディングで協賛してくれた方々の名前が書かれた札も立つらしい。冒頭にも書いたが、とても良いなと思った。これまでの私たちの歴史が、「桜」というチェックポイントに記録されるみたいで。

 2024年5月、東京・恵比寿で『#寧々密会写真展』。吉高寧々は「AV女優・吉高寧々という存在は、永遠に在り続けるものではない。いつか必ず、皆さんとお別れする日が訪れる。この写真は遺影だ」と深い覚悟を述べた。

『#寧々密会』のメインビジュアルは吉高寧々の遺影

 2024年9月、京都・海宝寺でのイベント。私がトークショーに出た。「なんでお寺と私なんだろう」と疑問を抱いたが、今思うと、これも1つの伏線だったのだ。イベントで歌ってもらったガガガSP・コザック前田さんの『祭りの準備』は、これから起こる何かを予感させるものだった。

 2025年5月、東京・渋谷で『はだかの白鳥展』。現役AV女優が渋谷のど真ん中で、文字と写真の展示会。都内を走行する広告トラック、たくさんの著名なゲスト。誰もやったことのない、まさに前代未聞。力強い馬力に支えられた13日間だった。

『はだかの白鳥展』

 そしてきたる、2025年10月、京都・海宝寺での『#寧々密会写真展〜京都編』。前代未聞に続き、タブーを超える挑戦。俗世の象徴でもあるAV女優と、浄土を形にした寺が混ざり合う。今後の常識が少し変わりそうな、革命の予感がする。

2025年10月より『#寧々密会写真展〜京都編』

 正直、今回の写真展は、今までのどのイベントよりレベルが高い。京都という立地は、東京の恵比寿や渋谷とは訳が違う。どれだけのお客様が来られるのか未知数だ。どんなに素晴らしい中身を用意しても、見てもらえなければ意味がない。
 クラウドファンディングというのも新しい挑戦だ。主催側も協賛する側も、みんな大小抵抗はあっただろう。実際に否定的な声もちらほら見受けられる。しかし京都のお寺で、現役AV女優の吉高寧々が写真展をするチャンスは、今しかない。ファンも含め、私たちが今、同じ時間に生きているのは、偶然でしかない。そのため、クラウドファンディングをしてでも『#寧々密会写真展』を歴史に残すと決めたのだ。

「寒を越え春に喜ぶ幸樹」
 大変な時期を越えれば、必ずたのしい時間がやってくる。
 高みへの挑戦。新しいことへの挑戦。タブーを超えて革命を起こす。困難が待っているのは間違いないが、その困難を越えた先に見える景色が絶景なのも、間違いない。
 私はこの写真展も騎馬戦だと思っている。騎手はもちろん吉高寧々。彼女のたくさんのファンの力は、頼もしい馬力となる。私もその馬力の一端であれるよう、力を尽くす。
 写真展の最終日を植えられた桜を、私はきっと毎年見に行くだろう。その度に『#寧々密会写真展〜京都編』だけでなく、それまでの道のりも全て思い出すのだと思う。
「ほんまにたのしませてもらった」———
 その言葉を漏らさずにはおれないくらい、濃い濃い想いが詰まった桜になれば良い。ファンも含め、これまで関わってくれた人たちの軌跡を振り返られる場所。さらに高みを目指すための礎になると思うのだ。

【#寧々密会写真展クラウドファンディング】
https://camp-fire.jp/projects/851939/view

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