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応援されていたのは作品だけじゃなかったのかも。〜DVDリリースイベントで気づいたこと #230

「チケット完売しました」

マネージャーからそう聞いた時、「そういう演出なんだろうな」と思っていました。イベントって、開催日が近づくと、みんな「完売」と言うものなのだと勝手に思い込んでいたんです。

でもイベント当日、マネージャーに「完売って、嘘ですよね」と聞くと、「ほんまですよ」と笑われました。

「チケットが残ってたら、当日券ありますって案内しないといけないですから。そこは演出じゃないですよ」

そう言われて、思わずマネージャーとハイタッチしました。


2026年6月20日。秋葉原で、DVDリリースイベントを開催しました。DVDを買ってくれた方と写真を撮って、サインを書いて、少しだけ話をする。そういうイベントです。来てくれた人、一人一人と過ごす時間はほんのちょっとなんだけど、私にとっては、とても大きな一日でした。

ある人が、こんなことを言ってくれました。

「かんなさんとは写真展で何度も会ってきたけど、ずっとかんなさんだけの写真を撮りたかった。今日はそれができて本当に嬉しいんです」

その言葉が、胸に残りました。

私はこれまで、事務所が主催する写真展で、スタッフとして会場に立つことが多かったです。受付をしたり、物販をしたり、写真展の記事を書いたり。主役の女優より会場にいる時間が長い、ってことも多々ありました。

おかげで会場に来るファンの方とはたくさん話しました。だけど、それは「女優」としてではなく、「スタッフ」として。正直に言えば、不安になったこともあります。私はこのまま、女優ではなく、スタッフとして認識されていくんじゃないかって。この先、「主役」になる日は来るんだろうか。そんなことを考えて、そっと何かを諦めそうになった日もありました。

でも今回のリリースイベントをやって思いました。あの時間は、ちゃんとつながっていたんだ、と。

写真展で話したこと。
何気ない雑談。
noteを読んでくれたこと。
写真展の帰りに「またね」と言ったこと。

そういうひとつひとつが積み重なって、「今日は会いに来ました」につながっていました。


最近、ある人が私にこう言ってくれました。

「スランプも失敗も、全部が『味』です。生き方を見せているんだから、それでいいんです」

その言葉を聞いた時、心からホッとしました。撮影中に怪我をして、現場へ行くのが怖くなった時期があります。男優と調子よく絡めなかった時期があります。うまく笑えなくなった時期もあります。AVは映像として残る仕事。調子の悪い時期も、迷っていた時期も、そのまま作品になる。だからその時期はとても怖かったです。

「あの頃の作品を見られたら、評価が下がるんじゃないか」
「ギャラが落ちたらどうしよう」
どうしてもそんなことを考えてしまう。

でも昨日わかりました。みんなが応援してくれていたのは、「調子のいい私」だけじゃなかったと。

スタッフとして走り回っていた私も。
迷っていた私も。
怪我をして弱気になっていた私も。

全部ひっくるめて、見てくれていた。

私はずっと、「作品」を応援してもらっているんだと思っていました。でも違った気がします。応援してもらっているのは、私の人生なのではないだろうか。そう思えた一日でした。


イベントが終わったあと、主催の方が教えてくれました。

「今日来ていた人、8割くらいは、はじめてみる人でしたよ」

撮影会の常連ではなく、「藤かんなに会いたい」と思って来てくれた人が多かったらしいです。その話を聞いて、すごくうれしかった。

「今日、はじめてイベントに来ました」
そう言ってくれる人もたくさんいました。デビューした頃からずっと見てきたけれど、イベントへ来るのは今日がはじめてで。
「やっと会えました」
そう言ってくれました。ちょっと緊張した表情で。

一緒に写真を撮る時、手が震えている人もいました。私はその震えが、なんだかうれしくて。勇気を出して来てくれたんだな、本当に会いたくてきてくれたんだな、と思ったから。

ずっと前から知っていた人も。
昨日はじめて会えた人も。
その「会いたい」という気持ちは、どちらも同じようにありがたかったです。

私は、みんなに作品だけを見てほしいわけじゃありません。もちろん作品は絶対に見てほしいけれど、「私」という人間を知って、誰かが笑ってくれたり、元気になってくれればいいなと思います。だからこうして文章を書いています。

まだまだ人生半ばの若輩者なので、うまくいく時も、失敗する時もあります。立ち止まる日もあれば、遠回りすることもあります。そういう全部を含めて、「この人、面白い人生を歩いてるな」と見届けてもらえたら、それ以上に幸せなことはありません。


昨日は、励まされた一日でした。「頑張ってください」と言われたからだけじゃありません。「ちゃんと見ています」と、行動で教えてくれた人がたくさんいたから。

ただその中で、ちょっと欲張りになる私もいました。

もっとみんなのことも知りたい、と思ったのです。イベントでちょっとおしゃべりするだけでは足りない。あなたは日々どんなことをしていて、どんなことで笑って、どんなことで悩んでいるの? 人の人生にはそれぞれ平等に正と負があると思っています。みんなの人生も絶対に、どんな小説よりも面白い。それを教えてほしい。

だからいつか、ゆっくり話せるイベントをやれればいいなと思いました。

お互いの人生を持ち寄って、「それ、むっちゃおもろいやん」と笑い合えるような時間を作りたい。実現できるかはわかりませんが、前向きに検討です。


イベントで会えた皆さん、本当にありがとうございました。そして、来られなかった皆さんも、いつもありがとう。

私の人生がこの先どんなものになるか、自分でもわかりません。結婚するかもしれない。子どもを産むかもしれない。50歳になってもAV女優を続けているかもしれないし、母乳ものを撮っているかもしれない。逆に、まったく違う仕事をしているかもしれない・・・・・・

未来は何一つ決まっていません。だからこそ、その変化も含めて、作品だけじゃなく、私の人生を丸ごと見届けてもらえたらうれしいです。1ページ目から知っている必要なんてありません。今日からでも、途中からでもいいです。どこかのページから読み始めてくれてもいい。たまにふらっと覗きにきてくれるのでもいいんです。

今回のイベントで、「AV女優・藤かんな」だけを応援してもらっているというより、一人の人間としての人生を、一緒に見てもらっているような気がしました。また一つ、この先を頑張ろうと思える思い出ができました。

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藤かんな サポートは私の励みになり、自信になります。 読んでくれて、ありがとうございます。