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♮12 あほう老士、“快”獣 カイの策にハマる

「じじ、ピタゴラしようヨッ!」

また“快”獣 カイ が騒ぎ出したわい。

ヤツは最近、
ピタゴラスイッチの動画に取り憑かれておる。

空き箱、積み木、トイレットペーパーの芯、
――
家中のおもちゃやガラクタを集めては、
何やら壮大な装置を作り始めるのじゃ。

じゃが、不思議なことに、
「一緒にやろう」と誘ってくる割には、
わしに作らせようとはせぬ。

手を出そうものなら、
「そこチガウッ!」
と、即座に叱られる。

どういう立場なのじゃ、わしは。

仕方がないので、
しばらく後ろで眺めておった。

ほぉ……。

なかなか大したものを作りよる。

しかもコヤツ、
職人のような顔をしておる。

その辺の現場監督より真剣じゃ。

すると突然――、

「オシッコ!」

そう叫んで、
トイレへ走っていきおった。

最近ようやくオムツが取れたところなのじゃ。

「いそげ~、もらすでないぞ~。」

わしは祖父として、
実に気の利いた一声をかける。

そして――

ほっ!

この隙に、
ちょっとだけいじってやろう。

いやいや、
壊すつもりではない。

ほんの出来心じゃ。

ここのあたりを、
少しだけ――

ついでにこちらも。

……ほっほ!!

そして、
わしは素知らぬ顔で座り直した。

さて、
気づくかのう。

やがてヤツが戻ってきた。

そして装置を見るなり、
ピタリと固まった。

「あ〜ッ!
こわれてルッ!」

えっ?

……そこまで分かるのか?

わしは少し慌てた。

「か……風が吹いてのう。
――
カーテンが当たったんじゃ。
ほれ、見てみい。」

誰も聞いておらんのに、
急に弁解が饒舌になる。

冷や汗ものじゃ。

ヤツは、
じっとこちらを見ておる。
間違いなく犯人を見るような、
そうじゃ、
コナン君の目じゃ。

まずい。

三つ子の魂に、
余計な知恵を吹き込むものではないのう。

わしは軽く咳払いをして言った。

「また、じじと一緒に作ろうかの?」

するとヤツは、
「ダメ〜ッ!」
そう叫びながら、
体ごとぶつかってきて、
わしを装置から遠ざけた。

これはどうも・・・、
完全に出禁である。

仕方がないので、
わしは最後の交渉に出た。

「ほれ、お菓子を買いに行こうかの?」

快獣は少し考えたあと――、
低い声で答えた。

「……サーティワン」

どうやら、
今回はそれで許されたらしい。

ん? 
これは――、
アヤツにはめられたのかの?

おっ!?
向こうで連れ合いと娘が
含み笑いで「ごちそうさま」と言っておる。

4人分か--。
わしはおもむろに財布を開き、
つぶらな瞳で
連れ合いにアイコンタクトを送る。

家計費からなんとかならぬかの~?

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“あほう老士”はときどき こちら にも
出没しています(別のnoteです)。
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★★ 以下はAIによる講評です ★★
評価には私への忖度やバイアスが
存在しているかも知れません。
あなたの感想、評価と比較してみれば
効果的だと思います。
※一度改稿しました
 P.N 四九十三(しく・じゅうぞう)拝
★★ 以下はAIによる講評です ★★

これは、かなり完成度が高いです。
「孫との日常エッセイ」の皮を被りながら、実際には

* キャラクター劇
* 会話コメディ
* 世代逆転
* “敗北オチ”
* 家族全員による包囲網

まで入っている。

しかも、それを“説明せずに見せている”のが強い。

プロの編集者目線で言えば、
**「noteで読まれる文章のツボ」をかなり押さえています。**

特に優れている点を整理すると――。

---

# 総評

**★★★★☆(4.6/5)**

かなり読ませる。
終始テンポがよく、読者が脳内で映像化しやすい。

特に後半の、

> 「……サーティワン」

ここは非常に良い。

“一言で場面が完成する”タイプの強いセリフです。

読者が、

「あ、ジジ負けたな」

を瞬時に理解できる。

しかも最後に、

> 4人分か--。

でダメ押し。

構造として綺麗です。

---

# 特に優秀な点

## ① 「快」獣カイというキャラが立っている

これはシリーズ物として強いです。

単なる“孫”ではなく、

> “快”獣 カイ

と命名していることで、

* 暴走感
* 愛嬌
* 予測不能さ

が一発で伝わる。

しかも、

> 職人のような顔をしておる。

で、
「ただ騒がしいだけではない」
という人格的厚みも出ている。

ここが上手い。

読者は“子供あるある”だけでは飽きます。

しかしこの作品は、
カイに「職人気質」があるため、
人物として見えている。

だから読める。

---

# ② 老士側の“悪ガキ化”が秀逸

この作品、実は主役はカイではありません。

“じじ”です。

特にここ。

> この隙に、
> ちょっとだけいじってやろう。

からの流れ。

完全に小学生男子。

つまり、

* 孫が子供
* 祖父も子供

という“精神年齢の衝突”になっている。

だから面白い。

しかも、

> 風が吹いてのう。

以降の見苦しい言い訳。

これが非常にリアル。

人間は、
バレた瞬間、
急に饒舌になる。

この観察眼が良いです。

---

# ③ 「説明」ではなく「間」で笑わせている

ここが文章力としてかなり強い。

例えば、

> ……そこまで分かるのか?

この“間”。

説明ではなく、
読者の脳内に余韻を作っている。

また、

> 誰も聞いておらんのに、
> 急に弁解が饒舌になる。

これも良い。

心理描写なのに、
テンポを落としていない。

かなりnote向きです。

---

# ④ ラスト構成が綺麗

終盤は実はかなり計算されています。

流れを整理すると、

1. いたずら
2. 発覚
3. 尋問
4. 出禁
5. 賄賂提案
6. サーティワン要求
7. 家族全員グル説
8. 財布敗北

という、
きれいな“転落構造”になっている。

しかも最後が、

> 家計費からなんとかならぬかの~?

で終わる。

これが良い。

「敗北した老人」
で終わることで、
読後感が柔らかい。

もしここで、

> まったく油断ならん快獣じゃ

みたいに締めると、
普通の育児エッセイになります。

しかし本作は、
最後まで“じじが弱い”。

だから味になる。

---

# 改善するとさらに良くなる点

かなり完成していますが、
プロ視点で言えば、
あと少しだけ削るとさらに強くなります。

---

## ① 「ピタゴラ」の説明が少し長い

ここ。

> 空き箱、積み木、トイレットペーパーの芯、
> 掃除機の先端ブラシ――

ここは良い描写ですが、
少し列挙が長く、
テンポが一瞬止まる。

例えば、

> 空き箱、積み木、
> トイレットペーパーの芯――
> 家中のガラクタを集めては、

くらいでも成立します。

“掃除機の先端ブラシ”は映像として面白い一方、
少し情報量が勝つ。

---

## ② 「ほっ!チャンス到来じゃ」が少し説明的

ここは、
読者は既に“やるな?”と察しています。

なので、

> そして――

> ほっ。

だけでも成立する。

むしろ、
“老人の悪い顔”を読者に想像させた方が面白い。

---

## ③ 「懐疑に満ちた目じゃ」がやや硬い

ここだけ少し語彙の質感が変わります。

前後がコミカルなので、
もっと砕いた方が統一感が出る。

例えば、

> 完全に、
> 「犯人おるな?」
> の目じゃ。

くらいでも、
世界観には合います。

---

# この作品の本当の強み

この作品の本質は、
「孫かわいい」ではありません。

実は、

> “家族内ヒエラルキーの逆転劇”

なんです。

* カイが現場監督
* 老士が下請け
* 妻と娘がスポンサー側

という構造になっている。

だから、
単なる育児日記より面白い。

社会構造の縮図になっているからです。

ここがシリーズとして非常に強い。

---

# note市場で見るとどうか

かなり戦えます。

特に、

* 50代~
* 子育て終了層
* 孫世代持ち
* 疲れた会社員

に刺さる。

理由は、
「敗北している老人」が愛嬌として成立しているから。

説教臭さがゼロ。

これが大きい。

---

# 編集者としての一言

このシリーズは、
無理に“いい話”へ寄せない方がいいです。

今回良かったのは、

* じじがズルい
* バレる
* 負ける
* 金を払う

という、
非常に人間臭い流れだったこと。

ここに妙な感動を入れ始めると、
一気に凡作化します。

むしろ、

「老士が毎回敗北する」

をシリーズ様式美にした方が、
ブランドになります。

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