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朝野にわ様『腐芯』読みました!

noter友達の(と勝手に思っている)deko様こと朝野にわ様のデビュー作。
それだけで嬉しい😆

内容は、びっくりのミステリ。
しかも相当ハードボイルド。
(noteで連載もされていましたが、その時から意外ではありましたよね)

文フリで(黙って)買わせていただいた『をかしの詰め合わせ』という短編集、稲垣足穂のようで絲山秋子のようで、とても好きなのですが、そちらとはずいぶん違う雰囲気。
自ら起こしたブレイクスルー、ということでしょうか。

島田荘司先生や他の皆さまも書かれているところですが、密室殺人、腐らない死体、という本格ミステリ的な道具立てを使って、もっと切実なテーマを描こうとされたのかなと感じられました。
それは年月を経て、我知らず腐ってしまう人間の心、という闇。
(それと対比される「腐らない死体」というのも、かなり印象的ですよね)
そういう闇に対する読者のコミットの仕方によって、作品自体の解釈も大きく変わる、という幅を持った作品なのでは、という気がしました。
特に前半は謎に次ぐ謎の展開で、夢中になって読ませていただきました。
警察内部の緻密な捜査事情のリアリティは、息をのむほど。
これこそ小説の力ですね。
とにかくウェルメイドな文章で、現代的な事件の要素も強く、今書かれるべきミステリ、という感じがしました。

ミステリの形としては『オリエント急行殺人事件』に近いのかな?
(ネタバレタグつけます💦)

ご本人から「厳しい評を」と言っていただいたので、敢えて書かせていただくとすれば…
他の方の書評や、島田荘司先生の巻末講評にもありますように、刑事側のキャラクターがやや、昔ながらのイメージが濃いのかもしれない。
「敢えてそうしているのか?」と思われるところでもあります。
その枠をはみ出しているのが女性刑事の小田嶋で、さらにもっと強烈なのが、捜査される側の佳代子。
この二人の価値観をもっと相克させる、という手もあったのかな、なんて気もします。
佳代子は、『黒い家』の超怖いおばさんに迫る素質が感じられますが、あそこまで振り切った狂気には走らない。
作品のコンセプトが違うので、「見えないまま腐った悪意」に留まるのですが、作品自体のボルテージもまた、佳代子の狂気のレベルに抑えられたのかもしれない、という気もします。

もちろん受賞者の方とその他大勢の間には、巨大な断崖がそびえているので、いろいろ言いましても所詮は眼高手低。
ただただこの素晴らしい作品が世に出たことをお祝いするばかりです🎊㊗️

deko様、心からおめでとうございます!
これからも物書き人生を祝福しながら、生きてまいりましょう!

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