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今さらですが、『三体』三部作読了。〜大純はるのメンバーシップ【白鳩会】「今さら図書館 読書・映画感想掲示板」より


『三体』

今さらですが、『三体』読了。
私はある程度のSFの読者でもありまして。
星新一や筒井康隆はほぼ読んでいましたし、『星を継ぐもの』『たった一つの冴えたやりかた』『高い城の男』なんかは大好きです。
『三体』は、ずいぶん前に電子書籍で買っていたんですが、なかなか読む機会がなく。
このほど一気読みした次第です。
これは、面白い…
トートロジーになるので、言葉で表現する必要もない。
そんな面白さ。
何か言えるとしたら、SFとしての面白さとは少し違いますが、文化大革命時代の当事者がどう感じていたか、それを描いてくれているのがよかった。
中国人だって、そりゃ思うところありますよね…
でもそんな声が、なかなか日本までは届かない。
知ること、それによって相手も同じ人間だと実感できる。
そういう意味でも、良い読者体験だったと言えます。
三部作なので、当然続きがある…
読むのが楽しみです。
第二部は準備編、第三部は450年後の開戦になるのかな?
全部読み終わったら、答え合わせします!


『三体2 黒暗森林』

今さらですが、『三体Ⅱ 黒暗森林』読了。
やはり最終決戦へ向けての準備編でした。
三体文明に対抗するために選ばれた四人の面壁者、そして彼らを潰すために送り込まれてくる破壁者。
このアイデアがまず秀逸で、必然的に頭脳戦のゲームへと導かれていく。
中国SFということで、もしかしたら敬遠している向きもあるかもしれませんが、特筆したいのは、
『例えばあなたは、共産党の公式発表ではなく、一般の中国人が、日本の特攻隊員についてどう考えているか、あるいはどう書く可能性があるか、想像してみたことはありますか?』
ということ。
若干ネタバレになりますが、面壁者の一人の口を借りて、
「あなたがた(日本人)は、自分たちの最も優れた部分を捨ててしまったのだ」
とまで言わせています。
他の面壁者の一人の妻は日本人ですし、作品のカギを握る超物質「智子(ソフォン)」は、「日本語で女性の名前になる」とも言及されています。
要するに、中国人が書いたSFだからと言って、世界の中で自国ばかり中心に描いているわけでもなく、むしろ隣国日本のことは強く意識しているし、相当公平に扱っている。
共産党や政治家のプロパガンダばかりに、逆にこちらも踊らされないでほしい、と願うばかりです。
後半の三体文明とのあまりに絶望的な力量差、そしてそれを言葉一つで逆転してしまう最後の面壁者。
素晴らしい構成だと言わざるを得ません。
しかし、両文明の和解さえ見えてきた結末で、ここで終わっていても充分いいんじゃないか?という気さえします。
第三部で、これ以上一体何が描かれるの?と思ってちょっと見てみたら、なんとコンスタンティヌス11世…
予想もつかないとはこのことです。
確かに、気になることはまだちょっと残ってるんですよね。
特に第一部の主人公のその後が、今のところ全くわからない。
目の中のカウントダウンがゼロになって、何が起こったのかも、描かれていない。
その辺りも全部解明されるのかな?と期待しています!


『三体3 死神永生』

今さらですが、『三体Ⅲ 死神永生』読了。

【以下、次元滑落級のネタバレあり】

解説やあとがきにもあるように、前二作を遥かに超越するスケール。
あれだけヒリついていた地球と三体文明の生存競争が、文字通り子どもの砂遊びみたいになってしまう。
ていうかタイトルの「三体」すら、ついにはほとんど関係なくなってしまう。
なんたって最終章のスタート年代が、西暦で言えば18906416年ですから…
何度も何度も人類絶滅の危機とその回避策が繰り返され、ぐわんぐわん頭を振り回される感じ。
最後には未だかつて、絶対に誰も見たことのない光景が文章で展開される。
間違いなく、ものすごい読書体験になります。
そして今ここで生きている世界や命、平凡な毎日の生活が、どれだけ尊いものかとさえ感じられてきます。

自分らしい感想を少し加えておくと。
三体文明の超物質智子(ソフォン)を搭載したアンドロイド、智子(ともこ)。
これが優美な和服or迷彩服に日本刀という姿で登場し、結局宇宙の終わりまで主人公カップル(両方中国人)と行動をともにします。
作者の劉氏は、中国共産党的なものをはるかに超越した世界観の持ち主だと思われますが、一方でローカル性としての中国が自然に描かれているのもこの作品の魅力。
そういう視点から見て、日本という隣人はやはりこういう存在なんだな、という発見もありました。
未知の知性を宿したアニメ的な美少女であり、躊躇なく地球人を殺戮する凶暴性もあり、それでいて最後までそばにいてもらいたいような存在でもある。
これから中国政府が日本に対してどんな政策を打ってくるにせよ、生身の中国人にとって日本とは本当にはどんな存在なのか、ということは冷静に見極めていきたいと思います。

しかし、ドラマでも主役だった第一部のワンミャオは、本当にあれだけの役割だったんだな…
第二部のルオジーは、面壁者から救世主、執剣者から隠居し、太陽系最後の人類にまでなったんですけどね。
あと、最後まで三体人のルックスは謎のままでしたね。
虫みたいだとも言われてますけれども…
公式スピンオフの『三体X』で、いろんな謎も明かされるみたいなんで、また楽しみに読み続けたいと思います!


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