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誰か私に代わって見てほしい

突然ですが、ちょっと今回ばかりは勢いだけで書き進めさせてくださいね。正直、私の今年一番の衝撃的事実に遭遇したので。

※ここから先、昆虫全般を苦手としている方は読むことを控えるのをお勧めします。私も、うわあ、まずい、無理だぁ、と内心の動揺を押さえつつ書こうとしております…。 


お読みになっている方は当然にご存知なのでしょうか。サナギの中で一体何が起こっているかということを。

私は知らなかった。考えたこともなかった。まさか「中はドロドロのクリーム状になっている」なんて。ひえー、クリーム状って一体どうゆうこと??サナギの中身が全て溶けちゃうってこと??ダメだ想像したら耐えられない。ああ、でも気になる、どうゆうことそれ??うわあ、頭に浮かぶ、ダメだ、これは最上級にヤバイやつだ!!

スマホでスクロールしていたら不意にこのようなトピックが現れて、しばしこの悶絶を繰り返し、やっと我に返った私は意を決してネットで「サナギの中ドロドロ」というワードで検索をかけることにしました。

と言っても私は子供の頃から虫や爬虫類はたいして苦手ではなく割と抵抗なく扱えるほうです。家の中に侵入したナメクジも広告紙に乗せて救出できるし、雨戸の陰にヤモリを見つけても慌てず追っ払えます。ゴキブリは即座に殺虫剤で対処しオートマチックかつ冷酷にトイレに流せるので周囲から賞賛を浴びます。

ですが、毛虫やイモ虫の類だけはどうしてもダメなのです。幼稚園の園庭の桜の木にびっしりくっついたアメリカシロヒトリの幼虫の群れ、お茶の木の葉っぱの裏に蛾の幼虫が隙間なく整然と並ぶ姿を間近で目撃して以来、最上級(双璧に歯医者が並ぶ)に苦手になってしまいました。今、思い出すだけで鳥肌が立つほど。(不意に思いがけずに遭遇するという突発性、予測不能性トラウマ形成の一因に間違いなくなります)

そのような次第で、理科の授業を除き毛虫やイモ虫たちの成長談なんて私が想起することなど人生において一度きりとも有り得ず脳内の記憶データ、認知情報から徹底的に排除してきたわけです。そこへ来て中身がドロドロってどうゆうことですか?恐ろしくて考えたくもない。けれど一度イメージしちゃった以上もう気になって仕方がないったらありゃしない。

話を戻します。私、気合を入れてネットで調べました。複数の記事をまとめると以下のような説明です。

蝶、我、カブトムシなどの完全変態昆虫は蛹を形成すると、その内部において体内の酵素が作用し体組織を溶かし出す。しかし、蛹になる前の幼虫より脳や神経、腸、羽の筋肉組織となるものが既に体内では作られており、それらの組織は蛹の中においても溶けずに成虫体の基礎として作り上げられてゆく。また、それ以外の溶けた組織は「虫のスープ」となるが、それらは成虫体になるための養分として再び体内へ吸収される。そして約10日から2週間をかけて成虫の姿となって蛹から出てくる。ちなみに、幼虫と成虫の体つきや構造が蛹を経て全く異なる変容を遂げる種を「完全変態」と呼び、一部の変容に留まる種を「部分変態」と呼ぶ。トンボやセミは部分変態にあたる。

って、ちょっと「虫のスープ」って一体どうゆう表現よ?虫とスープを連結させちゃダメでしょ。記事のあちこちに幼虫の画像が出てきて、それがまあ、カラフルだったり、縞々だったりするものだから、そのたびに目を背けたり、体をのけぞらせたり、独語を発したり、文字を読むだけにこんな体力を要することになるとは思わなかった。

更によせば良いものを怖いモノ見たさにYouTubeも開いて検索をかけてみました。すると、「巨大蛾のサナギを二つに割ってみた」など余りに刺激的なタイトルとサムネの動画が3つ4つと出てくるではありませんか。私は、スクロールをかけるたび「うぎゃあ、絶対無理、ちょっと待ってよー」を連呼し、室内でひとり苦悶し、のたうち回っている危ない人でありました。

結局、指が拒否反応を起こして動画再生は出来ず隣室の家族に私に代わり動画を見てくれ、その模様を実況で教えてくれ、と頼みました。しかし、「えー、全然たいしたこと無いよ。」と動画を見ても何ら興味を示さず実況も無いままスマホを突き返される始末でした。

そんな調子で私の体力は消耗し尽しサナギの中身を解明する動画を見ることを未だ果たせなぬままなのです。ああ、勇気あるどなたかにお願いしたい。どうか私に代わりサナギの動画を見て下さらないでしょうか。

そして更にサナギへの思い(妄想)は膨らむばかり。サナギになることのメリットとデメリットはどのようなものか。何故、人類の祖先、いや動物は完全変態という成長手法を採用しなかったのか。その分岐点はどこにあるのか。サナギについてこんなに考える日は後にも先にも無いでしょう。

一方で、人格や心理面における人格成長パターンのひとつに、蝶や蛾、カブトムシ等におけるサナギ化と非常に近しい手法を用いるものがあることに気が付きました。

それは、ポーランド人の精神科医で心理学者でもあるカジミェシェ・ドンブロフスキが提唱した「積極的分離理論」による人格の分離と統合理論というもので、「マズローの発達5段階」のように決してメジャーではありませんが、その概要は倫理観や創造性をテコに個人の心的内部世界を崩壊、解体させ、新たなる人格の構築を図り、最終的には人格的完全変態を遂げる無謀で危険な成長プロセスです。

完全にイメージの話ですが、サナギ化による幼虫から成虫への変態と積極的分離理論との間に謎の親和性を私は強烈に感じてしまいます。なんせ、画像には「蝶にかえることに失敗したサナギ」「途中で変態が止まったサナギ」というタイトルも有ったくらいで、人格成長過程における分離統合の不安定かつ困難な側面と非常に合致するものであり、とても象徴的です。また、サナギの過程においても脳や神経、腸、筋肉組織は溶けずに残っているという点も理論に対する多くの示唆が秘匿されていると勝手に深読みをしてしまいました。

サナギのドロドロと人格発達理論を重ねては不謹慎このうえありませんね。学問としてきちんと研究をされている方に失礼です。反省。妄言、戯言をお許しください。

以上、最後は脱線してしまいましたが、小さな昆虫にも複雑な生命プログラムが内蔵され首尾一貫としてそのプログラムが自動的に働いていることにいたく感動をした次第です。

最後までお目通しをいただき誠に有難うございました。