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郊外×競合ありでも集患できる?人口9000人の町で「選ばれ続ける」クリニックの考え方|開業Q&A2026

先生方から寄せられた開業に関する質問に、
「今の時代ならどう考えるか?」という視点でお答えする連載「開業Q&A」。

今回は、

「地元の郊外で開業したいが、人口も少なく、近くに総合病院もある。本当に患者さんは来てくれるのか?」

というご質問をいただきました。

郊外立地×競合ありという条件に、不安を感じる先生は少なくありません。今回は、人口規模に左右されずに選ばれ続けるクリニックの“本質的な考え方”についてお話しします。

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郊外×人口少なめ=不利、とは限らない

まず前提としてお伝えしたいのは、
「人口が少ない=患者さんが来ない」とは限らないという点です。

実際に、人口9,000人前後、あるいはそれ以下の地域でも、
1日50〜60人以上の外来が安定しているクリニックは珍しくありません。

もちろん、人口1万人の町に20件もクリニックがあれば話は別ですが、
多くの場合、郊外エリアは競合自体が少ない傾向があります。

ここで大切なのは、
「何人いるか」という分母だけを見ることではなく、
「その地域の方が、どのくらい受診しているか」という視点です。

つまり、限られたパイを奪い合う発想ではなく、
「地域の受診率をどう底上げするか」を考えるということです。

分母としての人口に一喜一憂するのではなく、
今、受診していない人たちにどうアプローチするか。
ここに発想の転換のヒントがあります。

総合病院が近いからこそ、クリニックの役割が生きる

「近くに総合病院があるから不利では?」
このご質問も本当によくいただきます。

ただ実際には、総合病院は「直接は行けない・行きにくい」存在であることがほとんどです。

紹介状なしの受診にはハードルがあり、多くの患者さんは
「まずどこに相談すればいいのか」
「いきなり大きな病院に行っていいのか」
と迷っています。

そこで重要になるのが、“地域の入り口”としてのクリニックの役割です。

まずは身近な不調を相談できる場所。
必要があれば、適切に基幹病院へ紹介してもらえる窓口。
「今すぐ病院へ行くべきか」を専門家に判断してもらえる安心感。

この「相談役」としての機能は、想像以上に地域のニーズが高いと感じています。

患者さんは「治療」よりも先に「困りごと」を抱えている

病院に行く方は、
「治療するぞ」と覚悟を決めた状態のことが多いですよね。
一方、クリニックを訪れる患者さんは、その一歩手前にいます。

たとえば、
「なんとなく調子が悪いけど、年のせいかな」
「仕事が忙しいし、これくらいなら我慢しよう」
「もし重い病気だったら怖いから、今は知らないふりをしておこう」

こうした日常の不安や違和感を抱えながら、日々を過ごしています。

ここに対して、
「その困りごとは、実は解決できるかもしれません」
と優しく、かつ具体的に伝えられるかどうか。
これが、受診率を左右する大きなポイントです。

たとえば、
「即日検査が可能」
「痛みの少ない内視鏡がある」
「朝早い時間や夕方でも受診できる」
といった具体的な“解決策”が見えるだけで、患者さんの意思決定は変わります。

丁寧に伝えていくことで、結果として
「競合との奪い合い」ではなく「受診率そのものの底上げ」が起こっていきます。

医療経営は「3つの幸せ」で循環させる

開業を考えると、
「儲からなかったらどうしよう」という不安が出るのは自然なことです。
ただ、そこだけで考えてしまうと、選択肢がとても狭くなってしまいます。

たとえば先生が地元に戻るとき、背景にはいろいろな想いがあるはずです。

なぜ地元に戻るのか。
この地域で、どんな医療をしたいのか。
自分や家族、スタッフはどうありたいのか。

こうした視点も含めて考えると、医療には
社会貢献(地域課題の解決)
経済活動(適切な利益の循環)
人の幸せ(先生・ご家族・スタッフという「人財」)
この3つを同時に考える余地があることに気づきます。

特に「人財」の幸せは、巡り巡って患者さんの満足度につながります。
地元に戻って開業するということは、単なるビジネスではなく、
その土地の経済を回し、雇用を生み、地域の安心を支えるという多面的な価値を持っているのです。

人口規模より「診られる人数」を基準に考える

もうひとつ、冷静に考えておきたいのが、
先生お一人が1日に診られる患者数には、どうしても限界があるという点です。

100人前後、診療科によっては200人。
これは、人口9,000人の町でも、9万人の町でも大きくは変わりません。

だからこそ、
「人口が少ないから無理」と結論を急ぐよりも、
「必要な人に、必要な医療が届いているか」
という視点で設計していくことが大切だと思います。

【まとめ】

郊外での開業は、
「人口が少ない」「総合病院が近い」といった条件だけを見ると、
不安に感じてしまうかもしれません。

ただ、
地域の困りごとに目を向け、受診のハードルを下げ、医療・経済・人の幸せのバランスを考えていくことで、人口規模に左右されない、持続可能な経営は十分に考えられます。

開業は「どれだけ儲かるか」だけでなく、
「どんな地域医療をつくりたいか」をじっくり考える最高の機会でもあります。

今回の内容が、
先生方の判断材料のひとつとしてお役に立てば幸いです。

ご質問などは公式LINEから

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