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【日報】おれは桐生真弥の内なる反逆をみた(キュアナイル)

よくきたな。おれはキュアナイルだ。
おれは毎日物凄い量のテキストを書いているが誰にも読ませるつもりはない。
しかし、この度おれは贔屓にしているプロレス団体である東京女子プロレス(tjpw)がタッグトーナメントを開催するというので、それを見届けるために品川CLUBexに訪れ、なんか凄いものを観たのでおまえたちにもシェアしようと思いこの記事を書いたという寸法だ。


この記事は社会派コラムニスト逆噴射総一郎先生の文体を模しています。

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STORRY…


でいじーもんきー

そもそもおまえは現在のtjpwのタッグタイトル戦線を理解していないかもしれないので簡単におさらいしておこうと思う。
前回のタッグトーナメントで優勝した鈴芽と遠藤有栖の「でいじーもんきー」が2024.3.31の両国国技館で王者である水波綾&愛野ユキの「ユキニキ」を倒し東京女子に新しい風を吹かせるとし、その後、防衛戦も2回制した。
しかし9.22幕張メッセで行われた WRESTLE PRINCESS Vで山下実優&伊藤麻希の「121000000」が2024年のベストバウト級の試合で奪い返し、海外で防衛した後、ねくじぇねトーナメントのファイナリスト組である風城ハル&凍雅 組を軽くあしらい、正月にはマーシャ・スラモヴィッチ&ザラ・ザッカー組にも打ち勝った。
ワンミリは「10回防衛しないと解散」などと自ら背水の陣を敷いており、誰にも負けるつもりなどないという気概を感じた。

121000000

そんななか、毎年恒例のふたりはプリンセス"Max Heartトーナメントの開催がアナウンスされ、その優勝者にチリ、サン・ディエゴで行われる121000000とサーラ・フェニックス&パンドラによるタッグ王座戦の勝者と3.16大田区総合体育館で行われるビッグマッチであるGRAND PRINCESS '25で王座戦が行われると発表されたのだ。

そしてタッグトーナメント出場チームが発表された。
そのメンバーがこれだ。

なんとおれが肩入れしている桐生真弥がいつもの上福ゆきとのタッグ「東洋盟友」ではなく、猫はるなとタッグを組み、上福ゆきは上原わかなと組みエントリーするというのだ。

これはいったいどういうことなのか。
おそらくtjpwはタッグチームの破壊と創造をテーマに今大会を開催したとおれは睨んでいる。
2年前に開催された「ふたりはプリンセス"Max Heartトーナメント3」はタッグ戦線に力を入れたこの団体の集大成ともいえる大会で、多くの名前のあるタッグが鎬を削り、最終的にワンミリが優勝した。
しかし、昨年のトーナメントは2年前と比べると名のあるチームのボリュームが減っていたと少なくともおれは思っている。
赤井沙希引退により令和のAA砲の解散。坂崎ユカ退団によってマジラビの解体。乃蒼ヒカリ欠場(そして残念ながらそのまま引退)によってふりーWiFi不参加。
そして今年も辰巳リカがシングルベルトに集中する為に渡辺未詩との白昼夢が不参加になるのは想像できたし、王者であるワンミリも不参加なのは予想通りだった。
タッグ戦線は東京女子プロレスの大きな見どころの一つではあるのだが、2年前をピークに即席タッグみたいなチームが増えていたのには不満を感じていた。
そこで、今回は定番チームを残しつつも、既存チームを解体し、新たなタッグ戦線のスタートを切ろうとしたとおれは読み取った。
その解体の対象に選ばれたのが王座戴冠経験のない東洋盟友だったのではないだろうか。おれはそんな気がしてならなかった。


東洋盟友が解体されてエントリーされたのは本人達の意思ではなかったようだが、かみーゆさんはベイブとの決別を早々に宣言。
ベイブも対立する立場をとりそれぞれ上原わかなと猫はるなが新しいタッグパートナーとして迎え入れられ、桐生真弥と猫はるなはチーム名を「猫人(ねこんちゅ)」と名乗り始めたという寸法だった。
(同じ大学なのに「地味大学」と罵るのはどうなんだ?と思ったが、おれは某大学の理工学部出身だが、生産工学部を下にみているところがあるので、たぶんそれと同じだと思った。)


そして組み合わせもいつものNAMBAリングアナの魔技による抽選が行われ、このような組み合わせになった。

桐生真弥と猫はるなの猫人はシードとなり、上福,上原組とでじもんの勝者と当たることになった。
一回戦で昨年のトーナメント覇者であるでじもんとぶつかった上福、上原組は、なんと上原わかなが遠藤有栖を仕留め勝ち進むというサプライズを起こして勝ち進んできたのだ。

そして1.19品川で猫人がこの神奈川県出身者のタッグと争うこととなったのだ。

FIGHT……MAHIRO FIGHT……


そして、1.19。遂に両チームがぶつかった。
両チームリングにあがり、レフェリーのチェックが終わり互い握手をしようとしたが、上福ゆきは桐生真弥との握手を拒んだ。
いよいよゴングが鳴る。




桐生真弥は明らかに気が立っており、そのいつもと違う「気迫」というよりは「殺気」と表現した方が適しているオーラを放ち、それは客席にも伝わってきて会場全体に緊迫感が走った。
序盤のレスリングから始まり、上原わかながバックをとるが、桐生真弥は右腕を伸ばし、その伸びきった手先の人差し指と中指はコーナーの上福ゆきに向けられたいた。
これは上福ゆきのシグネチャームーブである目潰しを意味していることは明白であり、ベイブは「今からお前の技を食らわせる」と言わんばかりに強い意志表示をし、そしてそのまま後ろの上原わかなの目を突いた。
血殺のVサイン……。
これは「キン肉マン」においてキング・ザ・100トンがジェット・ローラー・シーソー二撃でテリーマンを仕とめるという予告サインであり、テリーマンを戦闘不能まで追い込んだ恐ろしい光景がおれの脳裏によみがえった。


血殺のVサイン




そしてベイブは形勢を逆転させ、いつもの如く謝罪の体制に入るがかみーゆが後ろから蹴りを入れて阻止。容赦のない蹴りを浴びせるが、ベイブの眼は全く笑っておらず、空気が凍り付く。
かみーゆは自分こそがオリジナルとばかりにベイブの目を狙ったが、ベイブはそれを阻止。そしてその腕をへし曲げかみーゆ自身の指をかみーゆの眼に突き刺した。
そしてかみーゆを退けたベイブは今度こそ謝罪の体制に入り上原わかなの背中を破壊していく。

この序盤の攻防だけでもベイブのエンジンのかかり方がいつもとは違い、非常に危険だということが会場に居た者全てが感じ取っていた。

ベイブの気合いの入り方が少し異様というか危ういレベルにまで感情が高まっていたのは明白だった。
何故なのか。
おれは理由は2つあると思っている。
一つは前述したとおり、東洋盟友の上福ゆきとの袂を分けた者同士のぶつかり合い。
そして、もう一つはここ最近桐生真弥がどこか舐められているところに対する反逆-REBELLION-だ。

この試合の前日もtjpwは同じく品川で試合を行ったのだが、この日のベイブは6人タッグ戦で同じチームの辰巳リカに裏切られ、なぜか5vs1の状況を作られ孤立していた。


桐生真弥の孤立、ハブられ展開は今に始まったことではないが、ここ最近エスカレートしており、ファンとして正直観ていてつらいものがあった。
リング上での闘いの副産物なので、CONTROLできるものではないのかもしれないが、桐生真弥が周りから舐められているからこんな感じになってる気がしたし、この展開になるとユニバースのコメント欄やTwitterのTLは不穏な空気が漂い、海外の桐生真弥過激派アカウントにいたっては、桐生真弥のハブられ展開に対して抗議を行うハッシュタグまで作っていた。
おれも、ベイブをとても不憫に思いながらおやすみエクスプレスを観ていて、わりと楽しめずに試合を観る場面が増えていた。
この件については怒りとか憎しみとかそういう暗黒面の感情から3本記事を書き、ドリトスや餃子を食べ精神的に落ち着きを取り戻し、3本とも公開しない判断をしている。おれがストレートエッジではなく、コロナやアルパカワインを愛飲するドランカーだったら別の判断を下し公開していたかもしれない。

おれは幼少期に両親から、周りからハブられている、いじめられているのではないかという疑惑を抱かれたときがあった。
実際にそんなに深刻なものではなかったのだが、1人で下校している姿や、友人宅に遊びに行かずに家に居た姿を観て相当心配しており、終いには泣き始めるということがあった。
おれは、何故、別に友達いないわけじゃないのに親に泣かれるまで心配されたのか当時理解できなかったが、今ではリングを見つめながら当時の両親と全く同じ感情になっている。
しかし、ここはリングだ。リングはMEXCICOだ。
メキシコには予測変換も存在しない無慈悲な乾いた風が吹き、サルーンには腰にGUNをぶら下げたやつらが並んでいる。
ピりピりとした張り詰めた空気が容赦なく襲い、誰も守ってくれない。
真の強者なら己の内なる獣を呼び起こし、立ち向かわなければならない。

そういったファンの想いだとか、やたらと舐められていた事に対しての桐生真弥の反逆-REAL REBEL-がこの試合にぶつけられていた。
おれはそう感じ取った。



試合に戻ると上福ゆきは猫の頭を踏みつけ謝罪させるなどのヒールワークを
こなし、ベイブは怒りを隠さなくなりますます不穏な空気が漂っていた。
猫はるなはあの独特のムーブながらも最大火力で試合をしており、ファンタジーとリアルの落としどころが見事な動きを見せていて、上原わかなは昨日のでじもん戦とは違い、主役になることではなくサポートに徹することで試合を動かしていた。


上福ゆきと桐生真弥のエルボーの打ち合いは過去に何度か見たことがあるが、この日の打ち合いは過去のそれとは一線を画しており、両者の眼にはなにか物凄い炎が宿っていて、リング上はMEXCICOと化していた。
そして、ベイブは珍しく顔面をビンタしかみーゆを倒した。その後すぐにロープに飛んだところを長い脚で顔面を迎撃されるが、ひるむことなく、今度はロープに飛んだかみーゆにエルボーを叩き込んだ。


河底撈魚を叩き込もうとするが、それを読んでいた藤沢市出身の女は得意の卍固めで締めあげる。
しかし、太田市出身の女もそれを読んでいたのでコーナーに背中から叩きつけて解除すると、もう一度横から抱え込み今度こそ河底撈魚を成功させる。
そして、その場でフィニッシャーであるスパインバスターを叩きつけフォールするが上原がそれをカット。
それを追いかけて猫も錯綜し、ネコードブリーカーを決め上原を排除。
リングの上には東洋大学卒業生二人が残された。

決着……


猫のお膳立てで1対1の状況になり、再びスパインバスターを狙うが強力な前蹴りで迎撃される。
だが、それでも起き上がる桐生真弥。再び上福を倒しにいくが、赤井沙希から継承したユッキー・カッターで迎撃されてしまう。
そして逆フェイマサーを決められ、最後には正調式のフェイマサーを叩き込む怒涛の展開で3カウント。
桐生真弥は負けてしまったのだ……。


試合後、かみーゆさんはベイブに何か言葉を掛けたがベイブはくやしさをにじませていた。
そして項垂れるベイブを蹴飛ばし名勝ち名乗りを上げたのだった。


おれもこの試合結果には非常に悔しく思い、うな垂れていた。
次に行われた風城ハル,凍雅vs.HIMAWARI,鈴木志乃の同期対決はフィニッシュシーンくらいしか覚えておらず、つまりそれだけの間、前の試合を反芻しては落ち込んでいた(後で確認したらとても良い試合だった。)。
しかし、前述の通り、最近どこか舐められがちだったベイブの本気の試合を観ることが出来ておれは非常にうれしかった。
どこか遠慮しがちな桐生真弥が自分の存在の為に闘う姿をみておれは打ち震えた。
この試合を観たおまえなら桐生真弥がただの腰抜けではないことを理解したはずだ。

おれは暫くしてからこの試合は桐生真弥版の「Mr.ノーバディ」だったのだと思った。
Mr.ノーバディは主演のボブ・オデンカークが何者でもないサラリーマンを演じ、家族や世間からも舐められていたのだが、実は真の顔は殺人マシーンだったという映画だ。


舐められた評価は実力でわからせるしかない。
リングの上ならなおさらそうだ。
愛する者のため、そして自分のためには闘うことでしか証明できないものがあるのだ。
結果こそ敗北であるが、ただ何もせずに負けただけではないということは試合を観たおまえなら理解したと思うし、なにかを感じたはずだ。
おれは、いまいち結果が出ない桐生真弥を応援しながらも、この試合をみて心が揺さぶられ、「おれはこの人を応援していたのは間違いではなかった。ファンで良かった」と心底思った。
それくらい熱いモノがあった。
これは決して140字で言い表せる感情ではない。
精神的なアティチュードの話であり、エモーショナルであり、そしてただただカッコよかった。
そういう試合をわれわれは観たのだ。

もう一度勝負するべき

今回はタッグマッチとはいえ、桐生真弥は元パートナーである上福ゆきに直接敗北した。
しかし、これで終わりにするべきではない。
ベイブは過去にも何度も上福ゆきに敗北しているが、負け続けていいというわけではない。
マサ北宮が石井智宏に2連敗しながらも、それでも恥とか外聞をかなぐり捨てて挑み続けて遂に勝利したのと一緒だ。

超雄同士の闘い


ベルトが身体の一部と化している。

桐生真弥にとって上福ゆきは越えなければいけない存在であり、そのことは本人もよくわかっている。
かみーゆさんはシンガポール・ベトナム アジア二冠王者となって久しく、tjpwのみならずシンガポールやら中国でも防衛をし続けているが、その孤高の王者としての責務や重圧は相当なものだと思う。
その王者のプレッシャーから解放させられるのは桐生真弥だけなのではないかと思っている。
このベルトの挑戦権とか細かいことはよく知らないが、狙えるのものなら狙って欲しいし、それを奪って欲しい。
桐生真弥が全てを曝け出せる相手はやはり上福ゆきなのだ。

この感じで挑戦表明したらおれは打ち震えて泣くかもしれない。

会場に行け

おれはこの試合をレッスルユニバースで5回観なおしたが、リング上の不穏な雰囲気や殺気は少し薄れていたと思う。
おれが非常に肩入れして桐生真弥を応援しているのは認めるが、この独特の雰囲気は映像では伝わりきっていなかった。
2023.7.17の上福ゆきvs.角田奈穂でも同じ感想をもったが、どうしてもカメラ越しだけだとわからない凄味というのが存在する。

試合序盤のビンタからのビンタ返し。角田奈穂の表情で会場に戦慄が走るのだが、レッスルユニバースでみるとそんなにシリアスに感じない。

「え?配信のほうがカメラが寄るから選手の顔とかよく見えるし、なんなら実況有るときあるからそっちでみるほうが賢いんじゃないの?」という腰抜けがいるかもしれないが、はっきり言ってその考えはアホそのものであり、そんな考えは犬にでも食わせろ。会場の雰囲気というのは収音マイクでは拾いきっていないし、「気」というものはデジタルに変換できない。一度会場に行けばおまえもわかるはずだ。それに、最近は実況音声もレッスルユニバースのアプリをつかえば会場内でも聴くことが可能になり、音声データだけなのでおまえのパケットにも優しいつくりになっているので、解説が必要な時でも家に居る時のように楽しめるようになっている。

ベイブと猫の猫人は敗れてしまったがトーナメントはまだ続く。
おれは中島翔子とハイパーミサヲの享楽共鳴の優勝を予想しているが、実際に試合がはじまるまでわからないのがプロレスであり、人生だ
(実際去年も享楽共鳴の優勝予想をしたが外れた)。
おまえも、その凄味を確かめに会場に足を運ぶべきだろう……。



『東京女子プロレス・コンテンツ語り王~桐生真弥杯~』


あと、桐生真弥主催でなにかイベントを行うらしいので、これにも行くべきだろう。
なにが行われるのかは具体的にはわからないが、桐生真弥の凄味が物凄く出る気がするし、おまえもおれも新たな発見があるかもしれない。
おれは、夜間勤務という関係上行けないと思うが、配信もあるので確認するべきだ。

(キュアナイル)


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