仏さま
''菊の香や奈良には多き仏たち''・・重陽の節句の頃に訪れた芭蕉翁の句。
いまでも仏さまの多い奈良、国の宝として守られている。
奈良国立博物館が開館130年を記念して「超国宝展」がはじまった。100余の国宝、30余の重要文化財などが博物館にお出ましになるという。noter PI S l Aさんが''私の好きな奈良''でご紹介されている寺宝も多々見ることが出来るという。
仏さまはガラス越しではなく、ご本堂で拝するものとおもっていた。
ご本堂の解体修理やご本像の修理などでお出ましになった仏さまもおられる。
意に反して、法隆寺の百済観音、夢殿の救世観音、唐招提寺の金堂解体での千手觀音、薬師如来像、などを拝した。
心に残るのは奈良にある聖林寺の十一面観世音菩薩さま。
寺内の古びたコンクリートのお堂で拝した時とは違う、大きな感動をいただいた。
奈良国立博物館の広い会場に、堂々たる体躯で凛として一人立たれる。
「古寺巡礼」で和辻哲郎氏が、「十一面観音巡礼」で白洲正子氏が書かれている。
見る者も違えば感じかたも違う。私は私の心で受け止める・・
幸運にも寺内では拝見出来無い後ろ姿も拝することができた。
勿体無いような気持ちで見上げる・・抑えられた照明の中で浮かび上がるお顔。
切れ長の目、鼻筋はとうり、少しに上がった口元、優雅に宝瓶を持つ・・。
目を移していけば横顔、肩から背への柔らかいまろみ、天衣の流れが優しく美しい。この空間を何と表現すればいいのか・・・言葉に尽くせない私は至福を味わった。
西行法師の歌をお借りします。
何事のおわしますかは知らねども かたじけなさに涙こぼるる

今回の特別展もたくさんの方の拝観があると思う。
ガラス越しにオペラグラスで必死に見られている姿もニュース映像で見かける。
仏さまは美術品かと疑問も持つが、見た方が判断すればいいこと。そして又ご本堂に訪ねればいい。寺域の空気の中で、そっと手を合わせましよう。
世界の戦火が収まりますように・・・
2025年卯月25日 生駒谷より
