50歳から始めた中国語。17年続けて思うこと
上海赴任から始まった中国語との出会い
50歳だった2009年、中国・上海への赴任をきっかけに、中国語の勉強を本格的に始めました。
当時の私は、中国語がほとんど話せませんでした。仕事では現地スタッフとのコミュニケーションが欠かせず、「これは本気で勉強しなければ」と思ったのが始まりです。
それから17年。
自分でも驚くほど、中国語の勉強だけは、ほとんど休まず続けてきました。
実は私は、どちらかと言えば飽きっぽい性格です。興味を持って始めても長続きしないことが少なくありません。
そんな私が17年間も続けてこられたのは、自分でも不思議なくらいです。
最初の2年間は、努力がそのまま成果になった
中国語を始めた頃は、本当に楽しい毎日でした。
勉強すればするほど、新しい単語が分かるようになり、会話が聞き取れるようになる。努力した分だけ上達を実感できました。
学習を始めて約2年でHSK6級に合格したのも、それほど難しいことではありませんでした。
当時は、「この調子で勉強すれば、早晩中国語をマスターできる」と思っていました。
しかし、本当の壁はその先に待っていました。
成長が止まったように感じた10年間
HSK6級に合格した後は、中国語検定準1級に向けて学習を続けました。
ところが、それまでとはまったく違う世界でした。
勉強しても勉強しても、自分が成長している実感がありません。
上達の曲線で表すなら、それまで勢いよく伸びていた線が、突然ほぼ横ばいになったような感覚です。
毎年2回、根気よく受験を続けましたが、点数はほとんど変わりませんでした。合格ラインはリスニング、筆記とも75点(100点満点)。私の得点は毎回60~70点を行ったり来たりでした。
それでも勉強をやめることはできません。
語学は続けなければ、少しずつ力が落ちていくからです。
コロナ禍で試験が中止になった時期もありましたが、意地になりながら約10年間挑戦を続けました。
積み重ねが、ようやく形になった
合格まであと少しという結果が何度か続いた最後の2年ほどは、「次こそは」という思いで勉強を続けていました。
そして10年目のある試験で、突然、点数が大きく伸びたのです。
自分でも驚きました。
長い間積み重ねてきたものが、ある瞬間に一気につながった。そんな感覚でした。
語学の成長は、学習量に正比例するものではありません。
少しずつ蓄えられた語彙力や文法知識、読解力やリスニング力。それらが積み重なり、ある日、階段を一段上がるように成長することがあります。
この経験は、今でも私の大きな支えになっています。
ゴールが見えないからこそ、学び続けたい
中国語検定準1級に合格した後は、中国語の全国通訳案内士試験に挑戦し、その後は医療通訳の勉強を始めました。
中国語を、もっと人の役に立つ形で生かしたいと思ったからです。
不思議なことに、一つ大きな壁を乗り越えた後は、全国通訳案内士も医療通訳も、およそ1年の間に合格することができました。
大きな壁を越えたことで、学び方そのものが少し変わったのかもしれません。
それでも、17年間学び続けた今、私が感じているのは「ようやく中国語の入り口に立った」ということです。
中国語は、知れば知るほど奥が深く、ゴールが見えません。
以前は、「いつか中国語をマスターしたい」と思っていました。
でも今は、「ゴールが見えないからこそ、学び続けられる」のだと思うようになりました。
66歳になった今も、新しい表現に出会い、新しい発見があります。
17年間続けても、まだ入り口。
そう考えると少し情けない気もしますが、一方で、これから先も成長できる余地が残されているということでもあります。
中国語を学び続けてきた経験は、「年齢に関係なく、人は成長できる」という自信を私に与えてくれました。
17年前には想像もしなかった今があります。
10年後には、どんな景色が待っているのか。
それを楽しみに、これからも焦らず、一歩ずつ学び続けていきたいと思っています。
