歩調/ [ゆっくりと]シロクマ文芸部
ゆっくりとあなたの歩調に合わせて歩く。
スタスタと歩いていたあなた。
通勤も買い物もスタスタと歩いているあなたに追いつけなくて。
でもかっこよくて。
いつの間にあなたの歩調に合わせて歩いていた。
いや、合わせなくてもおんなじように歩けるようになっていた。
ショッピングもお話しながら一緒に歩いて回った。
ついてこられないお父さんはいつの間にか一緒に買い物に来なくなっていた。
そして、気がつけば私の歩調に合わせようとしているあなたに気づいた。
私は少しゆっくり歩くようにした。
そして今、腰を曲げてゆっくり歩くあなた
私はあなたの歩調に合わせてあるく。
でも、覚えている。
私の小さい頃、あなたはゆっくり歩く私に合わせて歩いてくれていたよね。
手を握って私とゆっくり歩いてくれた。
顔を上げると笑顔のあなたがいた。
今、あなたの顔の方が少し下にある。
「大丈夫」
聞く私を見上げるあなた。
「大丈夫よ」
そう言って私を見るあなたの笑顔はあの頃と変わらない。
こちらの企画に
参加させていただきました。
小牧幸助さん
ありがとうございます。
見出しイラストはぽてさんに描いていただきました
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