俺は勇者だ/[思い出の]シロクマ文芸部
「思い出の中のあなたは優しく、美しい清らかな聖女だった。
そのあなたがなぜ魔王の手先などに!」
魔王討伐の旅をする俺の前に魔王の配下となった聖女が立ちふさがる。
「王は自分の娘を聖女としてむかえるために私を神のいけにえにしようとした。
それを救ってくれたのは魔王様でした」
俺は剣の切っ先を聖女に向けた。
魔王の手におちた以上、命を奪うしか彼女を救えない。
「魔王様に人間を襲うつもりはない。
お前たちの王は名声欲しさにお前に魔王討伐を命令したのです」
そんな言葉信じられなかった。
「事実、魔族の被害はでてないはず。
魔物の被害も獣のそれとかわりないでしょう」
俺は聖女にむかい手を伸ばした。
「聖女様、私と共に行きましょう。あなたは私が守る」
あきれたように聖女が言った。
「どの口が?私に剣をむけたくせに。
帰って魔王討伐など意味がないことを王に告げなさい」
そういって聖女は消えた。
魔王が悪いんだ。
魔王を倒せば聖女は俺を見てくれるはず。
了
こちらの企画に
参加させていただきました。
小牧幸助さん
ありがとうございます。
見出しイラストはぽてさんに描いていただきました
