干支/[12月]シロクマ文芸部
12月に入り、お社の屋根にのぼり町をみる。
「あとひと月ですね」
憑牙姫と名乗り人とあやかしの間に入る娘が私の横に立ち言った。
年が変われば私は巫女の役目を終える。
毎年、選ばれた巫女がその年の干支をその身に受け、お告げをする。
だが、今やそれを信じているものも少ない。
形ばかりの儀式だと思われている。
私も実際、お告げを受けることがなければお飾りだと思っていた。
私が受け入れた干支、白蛇様はとても上品で物静かだった。
受け入れがたいお告げもあったが、私はお仕えできることが誇らしかったし、離れるとなると寂しくて仕方ない。
一年で離れてしまうのはその干支と相性もあるが、普通の生活に戻れなくなるのを避けるためだという。
「私は、ちゃんと役目をはたせたのでしょうか」
ふと呟く。
「白蛇様はあなたと時を過ごせたことを喜んでらっしゃるごようす、干支神様が満足なさっているのならそれがすべてではないでしょうか」
憑牙姫はそういった。
白蛇様の笑顔が見えた気がした。
こちらの企画に
参加させていただきました。
小牧幸助さん
ありがとうございます。
見出しイラストはぽてさんに描いていただきました
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