コーヒーを一緒に/[コーヒーに]シロクマ文芸部
「コーヒーにがいから苦手」
私はそういった。
放課後の教室、仲のいい田中君と親友のサヤとコーヒーの話になった。
「そう?俺好きだよ」
田中君はそういう。
「私も好き。あの苦さがいいのよね」
サヤがいう。
でも、私は知っている。サヤもコーヒーを飲めないことを。
私たち二人とも田中君のことが好きだった。
サヤは田中君の気が引きたくて嘘をついたのだ。
二人の話は盛り上がり私は置いてきぼりをくらったような気がした。
いつの間にかサヤと田中君は付き合っていた。
あのときは私もコーヒー好きだと言っておけばよかったと何度も後悔した。
コーヒーに生クリームをおとす。
ウインナーコーヒーはホイップクリームだったかな。
でも、わたしの好きな飲み方。
今ではブラックも好きだ。
「無理して飲まなくてもいいよ」
そういいながらコーヒーを飲めないことを気にしている私にいろんな飲み方を教えてくれた人。
今、夫となったその人と一緒にコーヒーを飲んでいる。
あの頃の私が好きになれた。
了
こちらの企画に
参加させていただきました。
小牧幸助さん
ありがとうございます。
見出しイラストはぽてさんに描いていただきました
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