かろやかに/ [七夕の歩幅 ]毎週ショートショートnote
珍しくチラチラと時計を気にする後輩のサホちゃん。いつもなら誰かに教えてもらえるまで仕事に集中しているのに。終業時間をむかえた途端席を立つ。
「お先に失礼します」
急ぎ足でロッカーに向かう彼女。
私と同僚のミサキがロッカーに行くと急いでいるはずのサホちゃんがまだロッカーにいた。丁寧に化粧をしている。服装もいつもよりおしゃれだ。
「お疲れ様でした」
ロッカーを出るサホちゃん。
「七夕の歩幅ね」
私は首をかしげる。
「なにそれ」
「遠距離恋愛の彼氏に会いたくていつもより歩幅が広くなるって事」
「そんな言葉あるんだ」
私は帰る用意をしながら言った。
「あなたを見ていて思いついた言葉、彼氏と会えるとなるとあなたの帰宅スピード半端なかったからね」
私も遠距離恋愛していた。
「ま、あなたの場合は七夕の歩幅というより駆け足だったかな」
家に近づくにつれ足取りが軽くなる。遠距離恋愛でなくても歩幅は広くなっているかも。
家に帰れば旦那様に会えるから。
こちらの企画に参加させて
いただきました。
田原にかさん
ありがとうございます。
見出しイラストはぽてさんに描いていただきました
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