メッセージ/ [おせち風呂 ]毎週ショートショートnote
大みそか、夜遅くに夫が帰ってきた。
仕事が忙しいらしく大みそかさえ休めないという夫。
遅くまで働いてくれる夫を玄関で出迎えると彼は荷物を抱えていた。
テーブルにそれらを置く。
重箱と風呂敷。
「おせちなら用意してあるわよ」
私がそういうと彼は困ったような顔をしながら言う。
「取引先の奥さんがどうしてもって」
大みそかにおせちを渡すなんて。
みんなに用意したのだろうか。
開けてみると一の重、二の重と手の込んだおせちが詰め込まれていた。
手作り?取引先の社員に?
そして三の重…
数の子がぎっしりと隙間なくつめこまれていた。
私は息をのんだ。
意味深げなおせち風呂敷のほうを開くと一升餅が入っていた。
小さなリュックと一緒に。
「なんかお餅プロの人がついたものらしいぞ」
そういいながらお風呂に向かう夫。
夫はこれを見て何もおもわなかったのだろうか。
わたしはそっとおなかに手を当てた。
年明け、産婦人科が開けば行くつもりだ。
大変な一年になりそうだ
こちらの企画に参加させて
いただきました。
田原にかさん
ありがとうございます。
見出しイラストはぽてさんに描いていただきました
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