この人だ/ [三月は]シロクマ文芸部
三月はじめに彼に会った。
クラブの先輩に用事があって三年生の教室が並ぶ廊下を同じクラブの友達ササと歩いていた。
三年生の廊下を歩くことなんて今までなかったからなんだかドキドキする。
ササは先輩と親しくしていたので先輩を訪ねることも多かったからなれている様子だ。
憧れるような、怖いような思いをしながら歩いて行くと一人の男の子が目に入った。
廊下で友達と楽しそうに話している彼。
私が大好きな漫画に出てくるキャラクターが抜け出してきたような彼。
思わず立ち止まった私はササに促され歩き出したが、顔が熱くてさっき異常に心臓がドキドキ言っている。
それからというもの、彼のことが頭から離れない。
彼が誰なのか知りたい。でも、それを言い出す勇気も出ない。
ついに卒業式がきて、私は式の間中泣いていた。
先輩やクラブの仲間は先輩との別れがそんなにつらいのかと慰めてくれた。
新学期。
私は彼を学校に見つけた。
彼は今年3年生で、あのときは三年の先輩を訪ねていただけだった。
こちらの企画に
参加させていただきました。
小牧幸助さん
ありがとうございます。
見出しイラストはぽてさんに描いていただきました
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