5.Travelogues: Storytelling of Seoul Station ソウル駅物語
旧ソウル駅舎(どうも「文化ステーション284」と言い慣れず……)にて、2012年4月2日〜6月15日に「古い未来―文化ステーション284開館展」が開かれました。

旧ソウル駅から見た韓国の近現代の日常というのはどんなものだったのか。企画展、常設展、特別プログラムから構成され、約80人の文化人による作品展示や講演、パフォーマンスなどが行われました。
企画展の一つである、韓国を代表する建築家・金寿根(キム・スグン)の設計建物のミニチュア展示は、とても見応えがありました。
1階の展示を軽く見た後、2階へ。展示室はダンボールの仕切りで迷路のようになっていました。
企画展「Travelogues: Storytelling of Seoul Station」は、旅行をテーマに旧ソウル駅の歴史を振り返るという内容。観光地図やパンフレット、写真、日用品などが展示されていました。

2階の大食堂で使われていた食器。当時、洋食が食べられるレストランは珍しかったのではないでしょうか。

預かり荷物につけていた観光ホテルのタグ。ウェスティン朝鮮ホテルの場所にあった「朝鮮ホテル」と、釜山の東莱(トンネ)温泉にあった「東莱館」です。
東莱温泉は統治時代に開拓された温泉街で、現在は巨大温泉施設「虚心庁」が有名です。

お弁当の掛け紙です。左の「精養軒」とあるものは、東京の精養軒とは関係はなさそうです。吉州(現在の北朝鮮)は梨とりんごの産地だったようです。
中央は大田駅「菊水」とあり、儒城(ユソン)温泉のマークが見えます。
右は「龍山駅正面 日の本旅館」とあります。

鉄道に詳しくないので名前は分かりませんが、とりあえず「汽車灯」ということにしておきましょう!

おそらくこのテーブルも年季が入っているので、ソウル駅で実際使われていたものだと思います。
ゴムマットには「RAIL TRANSPORTATION OFFICE SEOUL」と刻印されていました。

とてもきれいな色使いの、1942年の京城案内図。

ダンボール迷路の出口には「三重旅館」の看板が。どこにあったものか気になります。
資料を調べると、奈良女子高等師範学校の修学旅行の記録に「三重旅館宿泊。『設備などはあまりよろしからず』」とありました(笑)。

別の部屋には、ソウル駅舎の建築部品をランダムに配置したアート作品の展示もありました。モナリザの展示にはきっと深い意味があるのでしょう。
貴重なものをたくさん見て満足しましたが、週末だというのに展示を見ていたのはほんの数人。静かでいいと言えばいいのですが、もったいないなと思うのは私だけでしょうか。
(2012年6月)
