無料ダウンロード可|整形外科領域の鎮痛薬まとめスライド(研修・教育用)
お疲れ様です。パワポ好きの病院薬剤師、やくすらです。今回は整形外科領域の鎮痛薬まとめスライドを作成しました。研修会にそのまま使えるよう無料でダウンロードできますので、よろしければどうぞ。
テーマ決定の経緯
私は普段、整形外科病棟で仕事をすることが多いです。ある日の勤務中、病棟の看護師さんにこう声をかけられました。
病棟にて
看「やくすらさん、病棟で看護師向けに鎮痛薬のミニ研修会ひらいてくれませんか?」
私「え、、、わかりました。一度、上司に相談してみます。」
(心の声:よっしゃー!パワポ作れる~!業務時間内に堂々と作れるとか最高!)
ワクワクした気持ちで薬局に戻り、上司に早速相談しました。
薬局にて
私「整形外科病棟の看護師さん向けに鎮痛薬のミニ研修会を開いてほしいと依頼がありました。私が担当しようと思うのですが、よろしいですか?」
上司「あ、それなら私が以前作ったスライドあるから私がやるよ?やくすら君も忙しいでしょ?私に任せて。」
(心の声:なんでそんなピンポイントでスライドあるのよ!私が作りたかったのに!)
私「・・・そういうことでしたら、よろしくお願いします。」
研修会は上司が担当し、何も問題なく無事に終了しました。
しかし、なぜか勝手に不完全燃焼。自分でも鎮痛薬スライドを作りたいという思いが日々強くなり、ついには誰にもお願いされていないのに自分で作ってしまいました。それが今回の資料です。
完成スライドはこちら
ドクセルで公開中(無料ダウンロード可)👇
https://www.docswell.com/s/yakusura/ZGNXD9-2026-03-29-170427
スライドの想定設定
このスライドは以下の設定で作成しています。
対象者: 整形外科病棟に勤める看護師。日常的に鎮痛薬の指示を受けるが、痛みの分類や薬剤ごとの使い分けについて体系的に学ぶ機会が少ない方を想定しました。
発表時間: 約20分(スライド約20枚)
主なメッセージ: 病態に応じた薬剤選択と、薬剤ごとの安全管理の2つが柱です。
スライドの構成と意図
このスライドは大きく4つのセクションで構成しています。
セクション1:痛みの分類
最初に侵害受容性疼痛・神経障害性疼痛・痛覚変調性疼痛の3分類を提示しています。看護師さんは日々痛みの訴えに対応していますが、「この痛みがどの分類か」を意識する機会は意外と少ないです。ここを最初に押さえることで、後の薬剤選択の話がすんなり入るようにしました。
セクション2:各薬剤の特徴
アセトアミノフェン、NSAIDs、ガバペンチノイド、SNRI(デュロキセチン)、ノイロトロピン、弱オピオイド(トラマドール)の6種類を取り上げています。各スライドは「特徴・注意点」のカラムに分けて箇条書きにしています。箇条書きの内容としては、看護師目線で患者モニタリングするときに必要な情報を意識して作りました。詳細な薬理機序などは省略し、作用機序は簡潔にまとめています。基本的にシンプルな図解にしていますので、お好みでレイアウトを変更してもいいと思います。
セクション3:FAQ
実際に病棟で聞かれることが多い4つの質問を取り上げました。「喘息患者にNSAIDsは使えるか」「NSAIDsに胃薬は必須か」「アセトアミノフェン静注はなぜ15分か」「腎機能低下で注意する薬は何か」の4問です。薬剤の知識だけでなく、現場で判断に迷う場面に直接答える内容にしたかったので、独立したセクションにしました。
セクション4:まとめ
「薬剤選択」と「安全管理」の2軸で全体を振り返ります。20分の研修会では情報量が多くなるので、最後に2つの軸に集約することで、聞き手が持ち帰るメッセージを明確にしています。
使い方ガイド
そのまま20分研修会で使う場合
全スライドを通しで使う想定です。時間配分の目安は、セクション1(痛みの分類)に3分、セクション2(各薬剤)に10分、セクション3(FAQ)に5分、セクション4(まとめ)に2分です。各薬剤のスライドは1枚あたり1〜2分で話すペースを意識すると、20分に収まります。
時間が短い場合(10〜15分)
セクション2の薬剤を施設で頻用するものに絞ると時間を短縮できます。例えばアセトアミノフェン・NSAIDs・トラマドールの3剤に絞ると、約15分に収まります。ガバペンチノイドやデュロキセチンは補足資料として配布する形でも対応できます。
FAQ部分だけ抜き出してミニレクチャーに使う場合
セクション3のFAQ4問はそれぞれ独立しているので、1問ずつ取り出してカンファレンスや朝の申し送りの際の5分レクチャーに使えます。特に「喘息患者にNSAIDsは使えるか」のフローチャートは、単独でも実用性が高いと思います。
新人薬剤師の自己学習用に使う場合
スライドだけでなく、参考文献に挙げたガイドラインと照合しながら読むと理解が深まります。特に消化性潰瘍診療ガイドライン2020のNSAIDs潰瘍予防フローチャートは、スライドの内容の根拠になっているので、併せて確認すると勉強になります。
施設に合わせたカスタマイズのヒント
このスライドは汎用性を意識して作りましたが、そのまま使うよりも施設の状況に合わせて調整したほうが、聞き手にとって実感のある研修会になります。
採用薬の差し替え:今回取り上げた薬剤は、基本的に私の施設の採用薬です。例えば、NSAIDsで他に採用されている薬剤がある場合や、ノイロトロピンが採用されていない場合などは、該当スライドを施設で頻用する薬剤に差し替えるだけで対応できます。
用量の確認: アセトアミノフェンやトラマドールの用量は添付文書に基づいていますが、施設ごとのプロトコルや処方上限がある場合はそちらに合わせて修正してください。
FAQの追加・入れ替え: 今回の4問は私の施設でよく聞かれる質問を選びましたが、施設によって頻出の質問は異なるはずです。例えば「術後にNSAIDsの定時投与はいつまで続けるか」「セレコキシブとロキソプロフェンはどう使い分けるか」など、自施設で聞かれやすい質問に入れ替えると、より実践的な研修会になります。
参考文献
慢性疼痛診療ガイドライン作成ワーキンググループ(編).慢性疼痛診療ガイドライン.真興交易(医書出版部);2021.
日本ペインクリニック学会 神経障害性疼痛薬物療法ガイドライン改訂版作成ワーキンググループ(編).神経障害性疼痛薬物療法ガイドライン 改訂第2版.真興交易(医書出版部);2016.
日本ペインクリニック学会 術後痛ガイドライン作成ワーキンググループ(編).術後痛ガイドライン.第1版.文光堂;2025.
日本消化器病学会(編).消化性潰瘍診療ガイドライン 2020 改訂第3版.南江堂;2020.
伊達久.鎮痛薬の使用指針.竹下克志(編).運動器診療 最新ガイドライン 第2版.総合医学社;2025:65-68.
家研也(編).対症療法の強化書 頻用薬の使い方と非薬物療法.金芳堂;2025:130-174.
日本腎臓病薬物療法学会(編).腎機能別薬剤投与量 POCKET BOOK 第5版.じほう;2024.
各薬剤の添付文書・インタビューフォーム
免責
本記事は薬剤師個人の学習・研修用にまとめた内容です。内容の正確性には努めていますが、最新の情報を保証するものではありません。実際の診療・処方は必ず各施設の指針や主治医の判断に従ってください。
終わりに
スライドを使ってみた感想やご質問があれば、お気軽にコメントください。皆さんの施設に合わせたアレンジの参考にもなりますので、「うちではこう使った」という共有も大歓迎です。
今後も、数カ月に1回くらいのペースになると思いますが、このようにまとまった研修資料も作成し公開していこうと考えています。
よければまた読んでくれるとうれしいです。
