妄想イケメン眼科医の話
「あそこの先生がめっちゃイケメンやねん!」
珍しく友達が興奮気味に話す。
「診察中に 時々マスクをずらして 顔を拝ませてくれはるねん!
でも、喋る時はちゃんとマスクしはるねん!
めっちゃイケメンやねん!
この時期、薬もらいに何回も通えるから 花粉症でよかったわー!」
ねんねん。ねんねん。
新手の寝かしつけか?
「何科の先生なん?」
興奮してる友達に、若干引き気味に聞く。
友達は全く気にしていない。
イケメンに盲目。
「耳鼻咽喉科 ♡」
じびいんこーか。
あれだ。
ベロを冷たいやつで押さえつけられて おえぇぇっ となるのを我慢して、
鼻の穴に トンネルみたいなやつを差し込まれて 奥の世界を覗かれて、
耳はライトのついた何やらを差し込んで わたしの知らない毛を確認されて。
それをイケメンの先生にされる。だと?
一体、何の拷問だ。
ヤダヤダ、絶対ヤダ!
イケメンの先生は眼科がいい。
電気を消した薄暗い部屋にふたりきり。
ルーペについた小さな灯りだけで 瞳を覗かれて、
「キミの瞳はキレイだね」
と 至近距離で囁かれ、ルーペ越しに イケメンの瞳を見つめ返す。
「…いえ、先生の瞳の方がキレイです…」
うん。
イケメンの先生は眼科がいい。
なのに、耳鼻咽喉科。だと?
なんでイケメンなのに 耳鼻咽喉科にしたんだ。
眼科なら行ったのに。
イケメンの無駄遣い!
「今度、その耳鼻咽喉科 行ってみて!
めっちゃイケメンやし、オススメ ♡」
友達のオススメポイントが、病院とは全く関係ない方向に向いている。
オーストラリア に住んでいた頃、スギ花粉が飛んで無いので 全く症状が出なかった。
あんなに快適な日々はなかった。
日本に帰ってからも わたしのカラダはスギ花粉を忘れていて、全く症状が出ていない。
このまま出ないでくれ。
耳鼻咽喉科のイケメンに あんなことやこんなことをされたくない。
「無理無理。行かない!」
「えー、なんでぇ? イケメンやのにー」
どこかに イケメンの眼科医がいたら 紹介状を書いてください。
※1 オーストラリアはスギ花粉以外の、日本には無い種類の花粉が飛んでいるので それらの花粉症はあります。
※2 スギ花粉症のみなさん、この時期 ツライですよね…
何もお手伝いできませんが、書き損じのティッシュを差し出すことならできます。
もし 鼻にインクがついたら、クレームは マ◯トンさん までお願いします。
※3 ヘッダー写真はCanvaさん作です。
「イケメン眼科医」で、あなたもイケメンに会える世界が到来です。
