ナビ2号の顛末|#下書き再生工場(約1100字)
こちらの企画に参加させていただきました。
↓↓
お題は『うちのナビが一筆書きしたがるのですが』です。
新しいナビを買った。ナビ2号である。1号よりも画面が大きく、目的地到着予定時刻まで表示してくれる気が利く子だ。ナビ1号は壊れたわけではないので、2号の隣に残しておいた。でもそれが2号の機嫌を損ね、あんな事態を起こしたのかもしれない。
ある日、ナビ1号、2号と共に少し遠くの業務スーパーまで買い出しに出かけた。来週バーベキュー大会をするので、食材を大量に安く仕入れるためだ。初めての場所ではないが、いつものようにナビをセットした。郊外にあるので、周りは空き地みたいなところが多い。道もほぼ一本道だから、渋滞していても回避路はない感じだ。でも今は普通にドライブできている。
突然、ナビ2号の表示に変化が現れた。目的地までの進路を示す太い赤線から細い赤い線が一本生え出し、地図の空き地にハートを大きくひとつ描くと…戻ってきた。
「えっ、何?」
ナビ1号は変わりなく、今まで通り現在走っている道の上に矢印で進行方向を示すだけだ。ナビ2号のようなおかしな動作はしていない。まぁ、以前たまに道ではない道を示すこともあったが、今回は正常に動作している。
目的のスーパーはあと15分ほどで着く。相変わらず道は単調で、両脇の景色は空き地が広がっていて… またナビ2号は太い赤線で進路を示すものの、空き地に向かって細い線を伸ばし、ハートや星とかを描いて戻ってくる。
スーパーで買い物の用事が済んだ後、ナビ2号を買った家電量販店に寄った。
「いらっしゃいませ。何かお探しですか?」
「うちのナビが一筆書きしたがるのですが…」
「お客様、おっしゃっている意味がわかりかねます…」
ナビ2号を車から外して、履歴を表示させ理解してもらった。すぐに製造元へ問い合わせをしてもらうが、珍しい現象らしい。
「先ほどメーカーに問い合わせしました所、過去にニ件同じような事例が報告されているようです。単調な道筋をナビゲイトする時に、遊びに行くような線が生まれる…とのこと。原因は不明ですが、高度の順路解析プログラムを搭載しているにも関わらず、単純な道筋しか選択できないことで、システム自体がストレスを感じているのではないかと。また、古い似たようなシステムが同時に起動しているので、更にストレスを増しているようです」
「は?機械がストレスを感じたりヤキモチを妬くのですか?」
「私に聞かれましても… 詳細はメーカーの方にお問い合わせください」
「で、どうしたら良いのですか?修理や交換とかしてくれますよね」
「もちろんです。最新機種…だとこのような障害があるようですので、これのひとつ前の機種で対応させていただきたいのですが。もちろん返金の形でも大丈夫です」
「では… 返金でお願いします。そして、今回の障害が直ったら、改めて購入します」
帰りはナビ1号と帰った。
昔のナビって、たまに地図のとんでもない場所に道を作ってガイドしてくれたなぁ… なんて思い出しながら書きました。
