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komaki_kousuke
君と桜をみる会|#シロクマ文芸部(約650字)
花びらを掌に受けとめられると
いいことがあるんだって
去年の『桜を見る会』じゃなくて『春を聴く会』に参加した時、涼風さんは僕にそんなことを言っていた。桜がはらはらと舞う中、腕をスッと伸ばしつかんだ花びらに「あ、ラッキー」と楽しそうに笑っていた。
「小鳥遊くんもやってみたら?」何度かやってみたが、花びらは手から逃れるように舞い落ちる。「運がないみたいだね」と苦笑いしたっけな。
今はまだ桜の咲く季節ではないけれど、枝の先には蕾がたくさん付き、もう数日すればほころぶことだろう。道端にはスミレやタンポポの花が咲きほこり、木々はモクレンやユキヤナギがちらほら咲いている。季節はすっかり春だ。
大学3年になる僕より歳上の涼風さんは院での研究活動も最後の年となり、来春には社会人になり卒業する。院生の就活って一体いつしているのか、あるいはもう目星がついていて卒業を待つばかりなのか…よくわからないけれど、今はなんか忙しそうだ。今年も『春を聴く会』を開催するならポスター掲示をする時期だと思うのだけど、主催者の涼風さんに問い合わせた方がいいのだろうか。ていうか、元々は彼女の個人的な趣味で「良かったら一緒に桜を楽しみませんか?」と始まった会だから、別に各自で好きな時に好きなところで桜を満喫すれば良いのだろうけれど。
涼風さんと桜が見たいな…
ユキヤナギの小さな白い花びらが風に舞うのを見て、僕は大学の実験棟から白衣を翻し「遅くなってごめんね〜」と言いながら駆けてくる涼風さんを想像する。
その時、
メール着信音が聞こえた…気がした。
〆切ギリギリでごめんなさい。
