イスタンブールへの道🇹🇷|世界バイク旅#80
人との出会いは、旅に彩りをそえてくれる。この日のイスタンブールへの道程は、まさに彩りに満ちていた。

ギリシャを出てトルコに入った。
国境で出会った人たち

たまたま同じタイミングで国境を越えた2組のライダーたちがいた。
類は友を呼ぶというか、僕らは自然と集い、各々の自己紹介と旅について語りはじめた。
まずはイタリアからきた夫婦。バイクに二人乗りしてイスタンブールへ向かう。運転は旦那さんがする。
次にイタリアの青年。トルコからはイランを抜けて、はるかかなたのオーストラリアを目指す。愛車はスズキのVストローム650。
僕の番がきた。英語は苦手だが、この旅のなかでさんざんコスってきたネタなだけあって、この頃は、落語家の噺のごとくスラスラと口に出るようになっていた。
僕らはひとしきり語り合ったとことで、互いの無事を祈って解散した。
イタリア人青年との再会


国境から走ること数キロ、何気なく寄ったガソリンスタンドでイタリア人青年と再会した。
そのまま隣のレストランで一緒にランチ。


彼の名前はサミュエル。いつもはサミュで通していた。
サミュはトルコに来るのは2回目で、今回は仕事を辞めて旅に臨んでいる。目的地のオーストラリアでワーキングホリデーをするつもりだと語った。
サミュとはこの後、トルコ中部とインドで再会し、さらにはネパールまで共に旅することになるのだが、この時はまだ知る由もなかった。


夫婦との再会


イスタンブール都市圏に入ると、たびたび渋滞に巻き込まれるようになった。
渋滞を回避しようと脇道にそれたところで、こんどはイタリアの夫婦に再会した。たまたま彼らが休憩していた公園の横を僕が通ったのだ。

国境で出会った人たちと、その後バラバラに動いているはずなのに、その日のうちに全員と再会するとは。
これは、ともにイスタンブールを目指せという天啓ではないか?夫妻も同じ考えにいたったようだ。奥さんが口を開いた。「いっしょにイスタンブールへ行きましょう」
イスタンブールの中心部に近づくに比例して、交通量は増加した。道路は、つねに渋滞しているようなありさまだ。僕らは地元のライダーにせっつかれながら、車のあいだをすり抜けていく。

先導する夫妻はナビゲーションアプリを使わない。代わりに、後ろに座る奥さんが地図を見ながらナビの役割をする。いまどき珍しい。
ナビアプリなしで、田舎ならともかく、複雑な道路網をもつ大都市で迷わないのだろうか。そう疑問に思っていると、案の定、後半は先導を交代してくれと頼まれた。やっぱり不安らしい。なぜ便利なナビアプリを使わないのかと訊くと、夫妻は恥ずかしそうにはにかむだけだった。「んー、ほら、わたしたちはオールドタイプだから」
目的地である旧市街わきの海岸についた。目の前にボスポラス海峡とアジアが見える。
「イエー!」僕らは肩を抱きあった。きょう出会ったばかりの人たちと苦楽をともにし、喜びをわかちあう。僕の心は、これ以上ないほどの充実感で満たされていた。

イスタンブール観光
翌日は観光に費やす。




















夕方。
旧市街側の海岸の公園にやってきた。
目の前にはボスポラス海峡がある。アジア側の建物と海峡をわたるタンカーが夕焼けで紅く染まっている。
なんやかんやはあったけど、ここまで来れた。旅の行程はおよそ半分を消化した。僕は旅人としての自信をつけていた。
だが、何事も慣れた頃に気が緩む。
そして気が緩むと失敗する。
この直後、ドバイ人と名乗る男と出会ったことで、僕は一晩で25万円を失うことになる。
旅に彩りをそえるのが人との出会いなら、災いをもたらすのもまた、人との出会いなのである。
#わたしの旅行記
#日記
#エッセイ
#海外旅行
#旅行
#旅のフォトアルバム
#一人旅
#世界一周
#トルコ
#バイク
#セロー250
#海外ツーリング
