#01 人生が変わった、あの日

去年、僕は手足を失った。

思い返せば社会に出てから十数年。
仕事一筋で、身を削って働いてきた。

もともと、人の敷いたレールの上で行動するのが苦手な性格。
こだわりが強くて、負けず嫌い。
10代の頃は意見が通らなければすぐに衝突したし、
テレビゲームも負けるのが嫌でやめた。
「組織の中で働くなんて無理だろ」と思っていた。

でも、入社してすぐに一つの大きな仕事を任せてもらった。
自分で工程を組み、人を動かし完遂させるというもの。
自分でレールを敷く仕事に夢中になった。

帰宅が真夜中なんて日常茶飯事。
期待に応えたい一心で、弱音はアルコールで流し込んだ。
大きなプロジェクトにも参加させてもらい
こだわりと負けず嫌いを発揮させ、
社内のプレゼン大会では、上位に入賞したこともある。

管理職に昇進し、順風満帆なサラリーマン人生を歩んでいた。
その矢先、体が悲鳴を上げた。

朝起きると、体温計は40度を指していた。
真っ直ぐ歩くこともできない。
近くの病院で胃腸炎と診断され、家に戻って横になった。
それからどれくらい時間が経ったのか、覚えてない。

「顔が紫になってる」
誰かの悲鳴のような声。
近くで鳴る救急車のサイレン。
心配そうに見る人たち。
遠ざかる景色。
強烈な足のしびれ。
ただの胃腸炎でしょ?

そこで僕の意識は途切れた。

これは、多くを失った自分が生きることを選んだ記録帳。
その途中経過です。

※タッチペン一本で書いています。
 更新はゆっくりです。

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