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出版業界で生成AI条項が増えている理由

 数年のブランクを経て現在出版社で契約審査業務に従事していますが、数年前と明確に違うなと感じることは「生成AI条項」があることです。
 増えている理由などと題名を付けましたが、AIがこれだけ飛躍的に人類の生活に介在するようになってきたのですから、契約条項に追加されることは当然のことだと思います。特に出版関係はその記事の個性特性がそのものの価値を決めるため、AIを活用すると記事などの知的財産権対象の個性特性をAIに学習され汎用化され、はたまたその記事の知識から新しいものを開発されてしまうことすらあるので、途端に記事などは没個性化しそのものの価値が低下ないしは消滅していくのですから、たまったものではありません。今や秘密保持、損害賠償などと同レベルかそれ以上にAI条項は重要なものとなっていると感じます。法務担当者もAI条項を確認する際は、どの情報が学習対象なのか、学習されるとして機械的なのか深層なのか、AIを利用するのは誰なのかなど細かく確認する必要があり、大変に神経を使います。AIはあっという間に世の中に広まり当たり前に皆が使うようになった反面、その仕組みを理解している人は一般人にはいないと言っても過言ではなく、私自身も最初にAI条項のチェックをする際は、いくら文言を読み取ろうとしてもAIの仕組み自体がわからないためフリーズしてしまい、しばらくパソコンの前で呆然としていました。そして何度も上司と事業部の方たちにAIについて教えを請いましたが、ついぞ理解することが出来ず、その際のチェックは散々なもので上司による全面修正が入りました。今も勉強中です。ただはっきり言えることは今後はAI条項をしっかり作っていかなければ、企業の知的財産権は守れないことは確かです。秘密保持や知的財産関係の条項だけを強固なものとしたところでAI条項が柔であればそこから重要な情報は取引先どころか全世界に発信されてしまうことでしょう。
 また、最近は契約書を見ていると、「どうもAIが作ったものではないだろうか?」と感じるものも現れています。特にベンチャー系企業や個人が作成したものにはAIが多用されていることを実感しています。ただ、いわゆる大企業関係では法務人材が充実しているためか、AIではなくあくまで人の手と知識によっているものがまだまだ多いという印象です。
 そうはいっても私が前職で企業法務に従事していたころは、せいぜい契約書レビューの際に、前回からの修正箇所を明示したり過去履歴に基づいた簡単な変更案が提示される程度のもので、その精度もまだまだ低かったものですから隔世の感は堪えません。
 引き続き勉強し、意味のある契約審査が行えるよう精進していきたいものです。
                                以上

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