母と緑と、ミルクティーの記憶
高校生になった頃、
私は家でも学校でも、居場所を失っていた。
父とは折り合いが悪く、
家の中にはいつも緊張があった。
学校でも余裕はなくて、
笑っていても、どこか浮いている感覚が消えなかった。
――それでも、ほんの数回だけ。
私は「ここにいていい」と思えた時間があった。
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そんな日々の中で、私を少し支えてくれたものがあった。
父が不在の時、母が声をかけてきた。
「ちょっと楽しいことしようか」
その言葉を聞くと、私たちは大喜びした。
そして母の軽自動車に飛び乗った。
向かうのは、家から少し離れた川のそばの静かな場所。
人影はほとんどなく、自然と風だけがあるような場所だった。
車に乗ると、大音量で好きな音楽を流す。
ハイビートの、ダンスミュージック。
車内は一気にライブ会場みたいになる。
私たちは大声で歌いながらノリノリで
ドライブを楽しむ。
いつもの場所に到着すると、そこには1台の古い自動販売機が置いてある。
そこで、私たちは好きな飲み物を買う。
その日私はミルクティーを選んだ。
車の窓を開けて、川からの涼しい風を浴びながら他愛ない話をする。
今日は風が強いねぇ、とか
この間、虹が出てたよ。
とか。
そして、1本を飲みきる。
甘いミルクティー。
温かい甘さが喉を通っていく。
大声で笑っても、歌っても、
そのままで許される時間。
そしてまた、音楽を大音量でかけて、大声で歌ったり、踊ったりしながら帰る。
“ドライブ”の間、私もみんなも笑っていた。
ほんの数回の小さな出来事。
私の中では、温かくて静かで、
宝物のような記憶として残っている。
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🫧この形の私

