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私は本当は、できない人間じゃなかったのかもしれない 🔥3

人生初の一桁、9点――
数学のテストを返された瞬間、頭を殴られたような衝撃が走った。

「え?」

一瞬、何が起きたのか分からなかった。

高校生の頃、私は勉強がまったくできなかった。
できないことでますます面白くなくなり、家でも学校でもトラブルが続き、正直、勉強をする気力はほとんどなかった。

─────

授業で当てられた時のために、友達にノートを借りて何とかやり過ごしていた。

必死に頑張ってもテストはいつも欠点ギリギリを免れる程度。

学年が上がるにつれて、ついに一つ、二つと欠点を取るようになり、通知を受ける機会が増えていった。

欠点ラインが「平均点の半分」だったため、ぎりぎり免れることも多かった。
しかし、ある時、本当に理解できない単元にぶつかった。

分からなさすぎて途中で諦めた。

覚悟を決めてテストに臨んだら、そのままの結果が返ってきた。

私は数学で9点(100点満点)という、人生初の一桁を取ってしまった。

勉強ができないとはいえ、さすがに一桁は初めてだった。
衝撃で言葉が出なかった。

しかも平均点は50点ほど。
どう見ても言い訳のしようがない、紛れもない欠点だった。

─────

目の前が真っ暗になる中、追試の仕組みを思い出した。

欠点を取ったら、70点以上を取るまで追試が続く。
次の定期テストまで終わらない。

「追が何回つけば終わるんだろう……」と途方に暮れた。

でも、どれだけ嘆いても追試は終わらない。
そこでようやく、私は奮起した。

毎日先生に分からないところを聞き、問題を解いた。
わかるまで何度でも、諦めずに。

「何としてでも70点を取らなければ。次のテストまでに追試を終わらせなければ。」

そう思って、私は初めて本気で勉強した。

家がしんどい。
人間関係がつらい。
やる気が出ない。
めんどくさい。
わからない。
難しい。

きっと今まで、たくさんの言い訳をして逃げていたのだろう。

でも、その時だけは違った。
本気でやった。
本気で向き合った。
向き合うしかなかった。

─────

一週間勉強し続け、追試を受けた。

そして、結果は95点だった。

嬉しかった。

─────

先生に言われた。

「やれるなら最初からこの点取れよ」

私はへへへと笑ってごまかしたけれど、心の底で思った。

「本当にできないと思っていたのに、やればできるんだ」

─────

母には、テストの結果は黙っておいた。

しかし、通知表にテストの点数が記載されることを私はすっかり忘れていた。

通知表には、評定の“3”の下に“9”の文字が赤く書かれていた。

しまった。

先生に追試の95を書いて欲しいと頼んだが、ダメだった。
諦めて母に通知書を見せた。

母は通知表を見て、赤く書かれた“9”を目にした瞬間、思わず叫んだ。

「何この赤い文字!10段階評価?」

私が渋々テストの点数だと答えると、さらに声を震わせた。

「こんな点数見たことがない…!」

と、頭を抱えた。

追試で95点を取ったことも伝えてみた。
しかし、母は「最初から取れよ」とでも言いたげな顔をしていた。

少し残念だった。
ただ、点数が酷すぎたのは自覚していた。
私はそれ以上、何も言わなかった。

─────

その後も、私は特に一生懸命勉強することはなかった。

成績も上がらないまま、
無難に行ける短大へ進むことになる。
人生の大きな岐路に立ったわけではない。

ほんの少しだけ、
やればできることもあるのかもしれない、
そう思った。

あの時の私は、
「できなかった」んじゃなくて、
「やれなかった」だけだったのかもしれない。

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🫧この形の私

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