見出し画像

【CoCシナリオ公開】1時間で回せる短編タイマンシナリオ『神のプレイミスした広告(アド)』【TRPG】

おはようございます、早坂いのるです。
今回は、誰もが一度は見たことがある「あの広告の世界」に閉じ込められる恐怖を、1時間でサクッと楽しめます。


『神のプレイミスした広告(アド)』

「助けて! 君がこれまで積み上げてきたその物語(経験値)さえ、僕(私)にとってはただの数字を増やすための『素材』なんだ。……たとえこのステージが、誰にもクリアされることのないクソゲーだったとしても。」

■シナリオ概要

  • システム: 新クトゥルフ神話TRPG(第7版)

  • 形式: KPCとのタイマン

  • 推定時間: 1時間(爆速プレイ推奨)

  • 推奨技能: 〈目星〉〈図書館〉〈跳躍〉〈精神分析(ツッコミ用)〉

  • 舞台: クローズド(青い空と緑の芝生だけがある、虚無のパズルステージ)

  • テーマ: ハイパーカジュアルゲーム、強制スクロール、メタフィクション

■あらすじ

スマホの無料アプリで「×ボタン」を押し損ねた瞬間、世界が切り替わる。気がつくと二人は、巨大な「+10」「×2」と書かれた青い門が流れてくる、真っ直ぐな道の上にいた。KPCの頭上には「Lv.1」という数字が浮かび、なぜか勝手に前進(オートラン)している。ここは**「ニャルラトホテプ」**が暇つぶしに量産した、低予算な広告の世界。二人は自分たちの「レベル(存在感)」を無理やり上げ、理不尽な計算式を突破して、現実へログインし直さなければならない!

■ハンドアウト(HO)

  • PC:『有能な指先(プレイヤー)』 君はこの世界の「門(ゲート)」を選択し、KPCを操作する権利を持つ。

  • KPC:『無能な自走体(キャラ)』 君は勝手に走り続ける。頭上の数字が「0」になれば、君はただの「没データ」として路傍に捨てられる。


■五章構成:爆速・数式突破ラン

第一章:スキップできない絶望

一面の青空と芝生。KPCは自分の頭上に浮かぶ「Lv.1」の文字を見上げ、「僕(私)たち、最初から誰かの指先で左右に振られるだけの『駒』だったんだね」と、虚無感あふれる声で呟く。

  • 描写: KPCに触れると、彼(彼女)の意志とは関係なく身体が左右にスライドし、足元の芝生がテクスチャの繰り返しであることに気づく。

  • 判定: 〈目星〉あるいは〈精神分析〉。この世界の解像度が低すぎて、自分たちの「重厚な設定」が完全に浮いていることに気づく(SAN 0/1)。

第二章:キャラシの加法混色

前方に「+20(筋力)」や「×2(APP)」と書かれた門が現れる。

  • アクション: 〈跳躍〉あるいは〈目星〉。PCがKPCの肩を掴んで、どの門をくぐるか選ぶ。

  • 結果: 成功すればKPCの特定の技能が爆増し、身体が巨大化する。失敗すれば、PCの「バックストーリー」が一つ「マイナス門」に吸い込まれ、物理的にその記憶が「単純な数値」に置換される。

第三章:脚注(フットノート)のレビュー

コースの脇に、このゲームを酷評する「神々(リスナー)」のコメントが流れる。「このキャラ、モーションがダサい」「ストーリーがないからすぐ飽きた」という無慈悲な声。

  • ロールプレイ: 神々の評価を無視し、自分たちの物語が「たった一時間の広告」で終わるような薄っぺらいものではないと、全力で証明する。

  • 判定: 〈任意の交渉技能〉あるいは〈信用〉。

第四章:確率のボスバトル

道の終点に立ちはだかるのは、巨大な「数字の壁(物理的な巨大ゴーレム)」。それはKPCの「現在のレベル(技能値)」が、壁の数値を超えていなければ突破できない。

  • ギミック: PCは「最大正気度」を3削ることで、一瞬だけ「課金(ブースト)」を行い、KPCの出目を+20することができる。

  • 判定: 壁を粉砕する〈戦闘技能〉あるいは〈STR〉。

第五章:決断・最後のアンインストール

出口となる「インストール完了ボタン」。脱出するには、PCのキャラシにある「最も高い技能」か「最も大切なバックストーリー」の一つを、広告を閉じるための「通信量(代償)」として永久にパケ死させなければならない。

  • 真相: 重すぎる「想い」の一部を捨てなければ、この低容量な世界から脱出する回線を通ることはできない。

  • クライマックス: 1D100の最終ロール。画面が暗転する中、二人はどんな「真実の言葉」でこのクソゲーを締めくくるのか。


■結末:分岐する3つのエンディング

  • Happy End:『プレミアム会員:解放』 (自分の一部を代償に生還。現実に戻った二人のスマホには、二度とあの広告は現れない。自分たちの物語を自分たちで操作できる、自由な日常が戻る。)

  • Normal End:『体験版の継続』 (生還するが、時折KPCの頭上に「Lv.99」という数字が透けて見えるようになる。時々、勝手に前進したくなる衝動に駆られるが、笑って過ごせる日常。)

  • Bad End:『ゲームオーバー:削除』 (脱出失敗。二人は「0」になった数字と共に、虚無の空間へ消える。次に誰かがスマホを操作したとき、そこには「おすすめの新作ゲーム」が表示されるだけである。)


■ストーリーに関するあとがき

今回は「現代のWebあるある」を題材にした、フランクなメタホラーです。重苦しい雰囲気よりも、「KPCが勝手に走って数字が増減する」というシュールな状況を楽しみつつ、最後にはしっかり「キャラシの解体」というエモい決断を迫る構成です。SNSで「うちのKPCがクソゲーの広告になった」と報告すれば、話題になること間違いなしです。

いいなと思ったら応援しよう!

早坂いのる 励みになります。