【CoCシナリオ公開】2~4人で回せるシナリオ『深淵の魔導、黄昏のムンドゥス・マギクス』【TRPG】
おはようございます、早坂いのるです。
今回は、魔法が日常であるはずの世界が、クトゥルフ神話の狂気に侵食され「法則そのものがバグり始めた」恐怖を描きます。
『深淵の魔導、黄昏のムンドゥス・マギクス』
「魔法(理)を信じちゃいけないよ。君が唱えたその呪文は、今この瞬間、名もなき外宇宙の神に捧げる『招待状』に書き換わったんだから。」
■シナリオ概要
システム: 新クトゥルフ神話TRPG(第7版)
形式: 異世界転移・シティ/フィールドクローズド(2~4人向け)
推定時間: 5~7時間(戦闘と探索のバランス型)
推奨技能: 〈オカルト〉〈図書館〉〈目星〉〈鑑定〉〈戦闘技能(魔法または武器)〉
舞台: 魔法文明が栄える異世界「ムンドゥス・マギクス」。中心都市オステリア。
テーマ: 魔法の暴走、異世界の狂気、ハスターの侵食
■あらすじ
現代日本で日常を送っていた探索者たちは、突如として次元の裂け目に飲み込まれ、魔法が実在する世界「ムンドゥス・マギクス」へと転移してしまう。 しかし、そこは夢に見たようなファンタジーの世界ではなかった。空には「黄色い印」が刻まれた不吉な月が浮かび、魔法を使うたびに術者の肉体が「名状しがたきもの」へと変異していく、滅びの淵にある世界だった。 探索者たちは、元の世界へ帰る唯一の手段「次元の鍵」を求め、狂気に染まった魔導都市の最深部へと足を踏み入れる。
■ハンドアウト(HO)
PC1:『目覚めた魔導師』 転移の際、この世界の「魔力」に適応した。〈オカルト〉にボーナス。
PC2:『異世界の解析者』 異世界の文字や理をいち早く理解する。〈図書館〉にボーナス。
PC3:『鉄の守護者』 魔法が効かない怪物に対し、物理で抗う。〈戦闘技能〉にボーナス。
PC4:『運命の目撃者』 狂気の予兆を敏感に察知する。〈聞き耳〉にボーナス。
■五章構成:崩壊する理と異界の黄昏
第一章:異界の洗礼
現代の街角から、一瞬にして石造りのファンタジー都市へ。
描写: 美しいはずの街並みには、粘着性の霧が漂い、住民たちは虚空を見つめながら「黄色い王」の名を囁いている。
判定: 〈目星〉。空に浮かぶ太陽が、巨大な「眼球」のようにこちらを見下ろしていることに気づく(SAN 1/1D6)。
第二章:暴走するマナ
この世界ではMP(マジックポイント)を消費する行動にリスクが伴う。
アクション: 〈オカルト〉。魔法的な仕掛けを解く際、ダイスロールに失敗すると「魔法の暴走」が発生し、術者の肌に「鱗」や「触手」が生える(一時的なCON減少)。
結果: 魔法は強力だが、使うほどに人間を辞めることになるジレンマ。
第三章:黄衣の賢者との謁見
都市の図書館に潜伏する、正気を失った「賢者」から情報を聞き出す。
ロールプレイ: 賢者は探索者たちを「未来から来た生贄」と呼び、狂気的な哲学を語る。
判定: 〈心理学〉または〈対人関係技能〉。賢者の支離滅裂な言葉から、帰還の儀式に必要な「ハスターの灰」の在り処を探り当てる。
第四章:カルコサへの参道
現実と異世界が混ざり合い、風景が「カルコサの廃都」へと変貌していく。
ギミック: 1ラウンドごとに、周囲の重力が変動する。〈跳躍〉や〈DEX(器用さ)〉で体勢を崩さずに進まなければ、異次元の裂け目に吸い込まれる。
判定: 迫りくる「ビヤーキー」の群れを退けながら、次元の門を目指す。
第五章:帰還の対価、あるいは神格化
次元の門の前で、門の番人(ハスターの化身)との最終決戦。
真相: 元の世界に帰るには、この世界の「魔力(MP)」をすべて門に流し込まなければならない。
クライマックス: MPが枯渇した状態で、最後の1D100ロール(POW)。自分の魂が異世界に溶ける前に、現実の扉を蹴破ることができるか。
■結末:分岐する3つのエンディング
Happy End:『現実という名の牢獄』 (生還する。魔法も怪物もいない、退屈で平和な現代日本。しかし、時折夜空を見上げると、あの「黄色い印」が自分を呼んでいるような気がしてならない。)
Normal End:『異世界の守護者(あるいは囚人)』 (生還に失敗するが、死亡は免れる。魔法世界の住人として生きていくことになるが、その肉体はすでに半分ほど「神話生物」に変異しており、二度と人間の社会には戻れない。)
Bad End:『黄衣の糧』 (全滅。探索者たちの肉体と精神はバラバラに解体され、ムンドゥス・マギクスを維持するための「純粋な魔力」として消費される。新しい「設定」の一部となって。)
■ストーリーに関するあとがき
「魔法世界(ムンドゥス・マギクス)」という、一見すると希望に満ちた舞台を、クトゥルフ神話の絶望的なフィルターで通した物語です。魔法という万能の力が、実は「神の狂気の一部」を借りているだけだとしたら……という恐怖を主軸に置いています。 ファンタジー的なワクワク感と、一歩間違えれば「人ならざるもの」に変異してしまう緊張感の対比を楽しんでいただければ幸いです。
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