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【CoCシナリオ公開】2~4人で回せる探索シナリオ『蒼穹を食む、深海の虚無』【TRPG】

おはようございます、早坂いのるです。
今回は、**「海洋×深海×潜水艦」**をテーマにした、逃げ場のない極限状態のパニック・ホラーです。


『蒼穹を食む、深海の虚無』

「聞こえる? 船体を叩くこの音。魚じゃない。水圧でもない。……それは、僕たちが捨ててきた『名前』が、内側に入れてくれって頼んでる音だよ。」

■シナリオ概要

  • システム: 新クトゥルフ神話TRPG(第7版)

  • 形式: 現代日本(または公海)・潜水艦クローズド(2~4人向け)

  • 推定時間: 3~4時間

  • 推奨技能: 〈操縦:潜水艦〉〈機械修理〉〈科学:海洋学〉〈重機械操作〉〈聞き耳〉

  • 舞台: 最新鋭の深海探査艇「アビス・ウォーカー」内部

  • テーマ: 極限状態のパ閉所恐怖、未知の生命体、クトゥルフの微睡み

■あらすじ

探索者たちは、マリアナ海溝の最深部で発見された「未知の巨大な建造物」の調査に向かう調査チームの一員である。 深度10,000メートル。太陽の光すら届かない暗黒の世界で、探査艇のソナーが「巨大な心音」を捉える。直後、原因不明の衝撃が船体を襲い、全システムがダウン。外部との通信は断絶し、船内には得体の知れない「歌声」が響き始める。 酸素が尽きるまで、あとわずか。探索者たちは、深淵の底で目覚めようとしている「何か」から逃れ、海面へと浮上しなければならない。

■ハンドアウト(HO)

  • PC1:『沈着な操舵手』 潜水艦の操縦を一手に引き受ける。〈操縦〉にボーナス。

  • PC2:『偏執な科学者』 深海の生態系に異常な興味を持つ。〈科学〉にボーナス。

  • PC3:『タフな整備士』 船体の破損を食い止める命綱。〈機械修理〉にボーナス。

  • PC4:『鋭敏なソナー員』 暗闇の中の音を聞き分ける。〈聞き耳〉にボーナス。

■五章構成:圧壊する境界線と深淵の眼差し

第一章:暗黒への沈降

潜水艦が深度を下げていくにつれ、窓の外が完全な闇に包まれる。

  • 描写: 潜水艦のきしむ音が、まるで巨大な生物の呻き声のように響く。

  • 判定: 〈聞き耳〉。船体の外側に「無数の手が這い回るような音」を聞き取ってしまう(SAN 1/1D4)。

第二章:壊れた隔壁

衝撃により、船体の一部が浸水し始める。

  • アクション: 〈機械修理〉あるいは〈重機械操作〉。水圧に抗いながら、手動でハッチを閉鎖する。

  • 結果: 成功すれば浸水を食い止める。失敗すれば、船内の一部が海水で満たされ、〈水泳〉判定を強要される。海水に触れた部位は、なぜか「魚の鱗」のような硬質化が始まる。

第三章:窓の外の「真実」

探査艇のサーチライトが、目的の建造物を照らし出す。それは石造りの都市ではなく、巨大な「眼球」の一部だった。

  • ロールプレイ: 逃げ場のない密室内で、発狂しかけるNPC(あるいは仲間)との対峙。深海の魔力に魅了され、自らハッチを開けようとする者を説得する。

  • 判定: 〈精神分析〉。深淵の呼び声から正気を取り戻させる。

第四章:急浮上のデッドライン

緊急浮上のためにバラストを放出するが、何かが船体を掴んで離さない。

  • ギミック: 1ラウンドごとに、潜水艦の「酸素残量(1D10%)」が減少していく。

  • 判定: 船体に絡みついた「透明な触手(星の精、あるいは落とし子の体の一部)」を、外部アームや電気ショックで引き剥がす。

第五章:蒼穹(そら)への帰還、あるいは……

海面に到達した瞬間。

  • 真相: 助かったと思ったのも束の間、探索者たちの耳にはまだ「あの歌声」が響いている。

  • クライマックス: 1D100の最終ロール(CON)。水圧の変化に耐え、現実の世界に身体を適応させることができるか。あるいは、その精神はすでに深淵の一部となってしまったのか。

■結末:分岐する3つのエンディング

  • Happy End:『水面下の沈黙』 (生還し、救助船に引き上げられる。二度と海を見ることはできないほどの恐怖を抱えるが、地上という確固たる足場があることに感謝する。)

  • Normal End:『潜水病の遺したモノ』 (生還するが、肺の中に「海水」が残り続け、時折吐き出す水には異世界の微生物が混ざっている。深夜、風呂場で水音を聞くたびに、深海へ帰りたくなる衝動に駆られる。)

  • Bad End:『深淵の永眠』 (脱出失敗。潜水艦は圧壊し、探索者たちの魂は深海の「主」の血肉となる。海面に浮かんだのは、壊れた探査艇の破片と、誰のものでもない一枚の皮膚だけだった。)

■ストーリーに関するあとがき

このシナリオは、物理的な「水圧」と、逃げ場のない「密室」という、人間が本能的に抱く恐怖をベースにしています。クトゥルフ神話における「海」は母なる揺りかごではなく、宇宙よりも遠い異界です。 判定の失敗がダイレクトに「生存可能時間の減少(酸素不足)」に繋がるスリルは、複数人での協力プレイにおいて非常に高い緊張感を生み出します。暗い部屋で、水音のBGMを流しながら楽しんでいただきたい一作です。

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