【CoCシナリオ公開】2時間で回せる短編タイマンシナリオ『神のタイムライン、あるいは血で綴られた万バズ(いいね)』【TRPG】
おはようございます、早坂いのるです。
今作のテーマは**「いいね=生存率」**という、現代のSNS社会とクトゥルフ神話を掛け合わせたメタ・ホラーです。
『神のタイムライン、あるいは血で綴られた万バズ(いいね)』
「笑って。君のその絶望も、僕(私)のこの悲鳴も、画面の向こう側の『観客』にとってはただの娯楽(コンテンツ)なんだ。……ねぇ、もっと『いいね』を頂戴。死にたくないなら。」
■シナリオ概要
システム: 新クトゥルフ神話TRPG(第7版)
形式: KPCとのタイマン
推定時間: 1.5時間〜2時間
推奨技能: 〈目星〉〈聞き耳〉〈心理学〉〈芸術/製作(PCの趣味)〉
舞台: クローズド(無数の液晶画面に囲まれたデジタル空間)
テーマ: 承認欲求、生け贄、SNSメタフィクション
■あらすじ
日常の最中、スマートフォンの通知音が止まらなくなる。画面を覗き込むと、そこには「探索者たちの死に様」を中継する、神々のタイムラインが流れていた。気付けば二人は、無数の「瞳」に見つめられたデジタルな処刑場に立っている。KPCの頭上には、残酷な「いいね数(生存カウント)」が浮かんでいた。
■ハンドアウト(HO)
PC:『消費される出演者』 君は、この狂った中継を止める「編集権」を持っている。ただし、編集の代償として自分の「記憶」を切り売りしなければならない。
KPC:『バズる生け贄』 君の頭上には「いいね数」が表示されている。この数が0になれば、君は観客(神々)にとって「つまらないコンテンツ」として削除される。
■五章構成:承認と殺戮のフィード
第一章:通知の嵐
空一面を埋め尽くす巨大なタイムライン。そこには、二人がこれから辿るはずの「惨劇の台本」がリアルタイムで流れている。KPCの頭上の「いいね」が、秒速で減り始める。
判定: 〈目星〉。タイムラインのコメント欄に、自分たちの「正気度」や「HP」を予想して賭け合う神々の声が聞こえる(SAN 1/1D6)。
第二章:エゴサーチの沼
周囲に浮かぶ液晶画面から、自分たちの「存在意義(バックストーリー)」を検索する。
アクション: 〈図書館〉あるいは〈芸術/製作〉。魅力的な「物語」を投稿し、観客から「いいね」を稼ぎ出す。
リスク: 判定に失敗するたび、KPCの「身体の一部」がドット絵のように粗くなり、デジタルなノイズへと変わっていく。
第三章:炎上する因果
タイムラインに「PCがKPCを裏切る」というフェイクニュースが流れる。観客たちがそれを信じ始め、二人の間の信頼関係(バックストーリー)が物理的に引き裂かれ始める。
ロールプレイ: 嘘の物語に従って「いいね」を稼ぎ延命するか、あるいは「いいね」を捨てて真実を貫くか。
判定: 〈心理学〉あるいは〈説得〉。
第四章:ブロック(遮断)の代償
出口への扉を阻むのは、神々による「アクセス制限」。PCは自分の「技能ポイント」あるいは「大切な人の記憶」を差し出す(ブロックする)ことで、強制的に道を開くことができる。
ギミック: 差し出した技能は、このセッション中二度と使えない。
ロールプレイ: 自分を空っぽにしてでも、KPCを画面の外へ連れ出すことができるか。
第五章:決断・ログアウト
出口は目の前。だが、最後に必要なのは「誰にも見られない、本当の自分」としての証明。
クライマックス: 1D100ロール。PCの「正気度」と「KPCの残りいいね数」の合計値以下で成功。画面の向こう側の視線を振り切り、二人は暗転した「オフライン」の世界へ飛び込む。
■結末:分岐する3つのエンディング
Happy End:『通知オフの夜明け』 (自分の一部を削り、生還。現実に戻った二人のスマホは壊れている。誰の目も気にせず、ただの「二人」として歩き出す朝。)
Normal End:『非公開アカウントの幸福』 (生還するが、KPCの存在は世の中から忘れ去られる。二人は「物語」の外側へ逃げ延び、誰にも見つからない場所で静かに暮らす。)
Bad End:『アカウント凍結(物理)』 (「いいね」が0になり、KPCがデジタルな塵となって消える。PCだけが、誰もいないタイムラインに「助けて」と投稿し続ける永久ループに陥る。)
■ストーリーに関するあとがき
今回のテーマは**「承認欲求のクトゥルフ」**です。SNSの「いいね」という数値を、KPCの「寿命」に直結させることで、PLに現代的な焦燥感を与えます。PCが積み上げてきた「思い出(データ)」を削って、刹那的な「数字」に変換する不条理さを楽しんでいただく構成です。
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