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【CoCシナリオ公開】2~4人で回せるシナリオ『琥珀色の放課後、君のいない卒業式』【TRPG】

おはようございます、早坂いのるです。
今回は、卒業シーズンなので卒業式をテーマにしたシナリオです。


『琥珀色の放課後、君のいない卒業式』

「卒業おめでとう。でも、置いていかないで。君たちが校門を出て僕を忘れた瞬間、僕の時間は永遠に止まって、この夕焼けの中に溶けてしまうんだ。」

■ シナリオ概要

  • システム: 新クトゥルフ神話TRPG(第7版)

  • 形式: 現代日本・シティ/フィールドクローズド(2~4人向け)

  • 推定時間: 1.5~2時間(RP重視・初心者練習向け)

  • 推奨技能: 〈目星〉〈聞き耳〉〈精神分析〉〈対人関係技能〉〈芸術(思い出に関わるもの)〉

  • 舞台: 卒業式直後、時間が止まったままの夕暮れの母校。

  • テーマ: 忘却の切なさ、残された者の孤独、時空の歪み。

■ あらすじ

卒業式が終わり、校門を出たはずの探索者たちは、気づくと夕闇に染まった「放課後の教室」に座っていた。窓の外は燃えるような琥珀色の夕焼け。しかし、時計の針は17時30分から一歩も動かない。 校内には自分たち以外の気配がなく、ただ「存在しないはずの4人目」の机が静かに置かれている。それは、かつて共に過ごし、時の裂け目に囚われてしまった「親友」の場所だった。探索者たちは、彼との絆を証明し、この終わらない黄昏から脱出することを目指す。

■ ハンドアウト(HO)

  • PC1:『約束の保持者』 誰かと交わした「大切な約束」を覚えている。〈精神分析〉にボーナス。

  • PC2:『真実の記録者』 常にカメラや日記を持ち歩いている。〈目星〉にボーナス。

  • PC3:『絆の守護者』 仲間を想う気持ちが人一倍強い。〈POW〉にボーナス。

  • PC4:『別れの理解者』 物事の終わりを敏感に察知する。〈聞き耳〉にボーナス。

■ 五章構成:琥珀の記憶と黄昏の境界

第一章:空白の出席簿 現代の校門前から、一瞬にして夕暮れの教室へ。

  • 描写: 静まり返った教室。教壇の出席簿には、インクが滲んで読めない「もう一人の名前」がある。

  • 判定: 〈目星〉。成功すれば、その名前に見覚えがあることを「思い出し」、強烈な懐かしさと喪失感に襲われる(SAN 0/1)。

第二章:零れ落ちる断片 校舎を探索する。この世界では「思い出」を失うことが物理的なリスクとなる。

  • アクション: 〈図書館〉や〈芸術〉。思い出の品を調べる際、ロールに失敗すると記憶の一部がこぼれ落ちる。

  • 7版要素: 「プッシュロール」。無理やり記憶を呼び起こす代償として、精神的な痛み(1D3のSAN減少)を伴うが、親友との約束を思い出す。

第三章:音楽室の残響 誰もいないはずの音楽室から、卒業式で歌うはずだった曲が聞こえてくる。

  • ロールプレイ: ピアノを弾く「姿なき気配」を感じる。それは寂しさに震える親友の残留思念である。

  • 判定: 〈精神分析〉または〈対人関係技能〉。動揺する仲間を落ち着かせ、姿なき友人に語りかけることで、屋上への道が開かれる。

第四章:屋上への階段 現実と異界の境界が曖昧になり、校舎全体が夕闇に溶け始めていく。

  • ギミック: 屋上への扉は「忘却の鎖」で閉じている。

  • 判定: 「幸運」の消費。かつて屋上でサボるために拝借した「合鍵」がポケットに入っていたことにできるか。強引に運命を変えて扉を開く。

第五章:最後の別れ、あるいは再会 屋上で、輪郭のぼやけた「親友の影」と対峙する。

  • 真相: 親友は卒業による「忘却」を恐れ、無意識にこの時間を止めていた。彼を連れ戻すことは叶わないが、魂を救うことはできる。

  • クライマックス: 友人の「POW」との対抗ロール、あるいは〈説得〉。自分たちの「忘れない」という強い意志をぶつけ、黄昏の呪縛を解き放つ。

■ 結末:分岐する3つのエンディング

  • Happy End:『明日の空へ』 (生還。校門の外に出ると、手元には白紙だったはずの卒業文集。そこには親友からの力強いメッセージが書き込まれている。切ないが、前を向いて歩き出せる。)

  • Normal End:『セピア色の残像』 (生還するが、親友の顔や名前を完全に忘れてしまう。ただ、夕暮れを見るたびに胸が締め付けられるような、名状しがたい寂しさだけが残る。)

  • Bad End:『黄昏の住人』 (全滅。探索者たちは親友の寂しさに飲み込まれ、永遠に17時30分の校舎で過ごすことになる。現実の世界では、彼らは「卒業式の日に失踪した生徒」として処理される。)


■ ストーリーに関するあとがき

「卒業」という人生の節目に伴う「忘却への恐怖」を、クトゥルフ神話的な怪異として描きました。ダイスロールの結果を単なる成功・失敗ではなく、「思い出せるか、忘れてしまうか」という物語の深みとして楽しんでいただける構成です。

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