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日本、チュニジアに4発快勝。上田綺世が晴らした4年前の悔しさ

第1章 1000試合目に刻んだ4得点

チュニジア0-4日本。

ワールドカップ通算1000試合目という記念の一戦で、日本代表が歴史的な勝利を挙げました。

鎌田大地が開始4分に先制。

上田綺世が31分と83分に2得点。

伊東純也も69分にゴールを決めました。

初戦のオランダ戦では、2度リードされながら2-2まで追いついた日本。

チュニジア戦では、自分たちから主導権を握り、4得点を奪いました。

強豪を相手に粘る力だけではない。

ボールを持ち、守備を崩し、試合を優位に進める力もある。

日本がベスト8を目指すうえで、大きな手応えが残った90分でした。


第2章 開始4分の先制点

日本は試合開始直後から前へ出ました。

1分には、ペナルティーエリア内で上田が倒されます。

PKの判定にはなりませんでしたが、日本の選手たちに迷いはありませんでした。

4分。

GK鈴木彩艶から丁寧にボールをつなぎ、左サイドの中村敬斗へ。

中村は中央へ切れ込まず、縦へ仕掛けました。

相手DFの横を抜け、ゴール前へ速い折り返し。

そこへ鎌田が入り、左足で合わせました。

1-0。

中村は右足で中央へ入るプレーを警戒される選手です。

だからこそ、あえて縦を選んだ。

相手の予想と逆を取った形でした。

鎌田もボールが来てから動いたのではありません。

中村が縦へ進んだ瞬間、ゴール前へ入っていました。

出し手と受け手の動きが重なった、練習どおりの先制点です。


第3章 最速ゴールの意味

鎌田の得点は、日本人選手のワールドカップ史上最速ゴールとなりました。

これまでの記録は、2018年大会のコロンビア戦で香川真司が決めた開始6分。

今回は4分です。

早い時間の先制点は、試合全体を楽にします。

チュニジアは初戦で5失点し、監督を交代したばかりでした。

まずは守備を整え、0-0の時間を長くしたかったはずです。

しかし、その計画を日本が開始4分で崩しました。

追いつくためには、チュニジアも前へ出なければなりません。

守備ラインが上がれば、その背後にスペースが生まれます。

日本は早い先制点によって、自分たちが攻めやすい展開を作りました。


第4章 上田綺世の一撃

31分、日本が追加点を奪います。

板倉滉から上田への縦パス。

上田はペナルティーエリア右角でボールを受けました。

右側には伊東が走っています。

パスを出す選択肢もありました。

それでも、上田は自分でシュートを選びます。

低く強いボールは相手DFの股を抜け、ワンバウンドしてゴール左下へ。

2-0。

迷いのない一撃でした。

ストライカーには、味方を使う判断と、自分で決める判断の両方が求められます。

伊東が走ったことで、相手DFの意識は外側にも向きました。

その一瞬に生まれたシュートコースを、上田は見逃しませんでした。


第5章 4年前の悔しさ

上田にとって、ワールドカップ初ゴールでした。

2022年大会では、思うような結果を残せませんでした。

クラブで得点を重ねても、代表で活躍しても、ワールドカップで感じた悔しさは残っていた。

試合後、上田は「4年前の悔しさは、同じ場所でしか拭えない」という思いを口にしています。

その言葉どおり、ワールドカップのピッチでゴールを奪いました。

しかも、試合が行われた日は日本では父の日。

上田は第一子が誕生したばかりです。

妻が公開した写真には、背番号18の小さなユニフォームを着た赤ちゃんの姿がありました。

初めて迎える父の日。

4年前の悔しさを晴らすワールドカップ初ゴール。

偶然がいくつも重なった、忘れられない一日になりました。


第6章 上田から伊東へ

後半は、一時的に試合が落ち着きました。

日本が2点をリードし、チュニジアも守備の形を整え直したためです。

それでも、日本は69分に3点目を奪います。

田中碧が後方から鋭い縦パス。

前線の上田が、ダイレクトでボールの方向を変えました。

その先へ走っていたのが伊東純也です。

伊東は最終ラインの背後へ抜け、相手DFを抑えながらGKとの1対1へ。

最後はゴールの隅へ冷静に流し込みました。

3-0。

上田はシュートを打っていません。

それでも、得点の中心にいました。

田中のパスを止めず、ワンタッチで伊東へ送る。

伊東も上田が触ることを予測し、先に走っていました。

長く代表でプレーしてきた選手同士だからこそ生まれたゴールです。


第7章 プレスから生まれた4点目

83分、日本が4点目を奪います。

きっかけは、上田のプレスでした。

相手がボールを持った瞬間に距離を詰め、自由に前を向かせない。

その圧力から日本が高い位置でボールを奪いました。

伊東から佐野海舟へ。

佐野はペナルティーエリア右の深い位置まで入り、浮き球の折り返しを送ります。

ゴール前では上田が高く跳び、頭で合わせました。

4-0。

上田のこの日2点目です。

高い位置から追い、ボールを奪い、そのまま得点へつなげる。

守備と攻撃が分かれていないゴールでした。

上田は得点するだけでなく、得点の始まりも作っています。


第8章 日本が4得点できた理由

日本の4得点は、すべて形が違いました。

1点目は、左サイドの縦突破から折り返し。

2点目は、縦パスを受けた上田のミドルシュート。

3点目は、中央の縦パスとワンタッチのフリック。

4点目は、高い位置でのボール奪取からクロスとヘディング。

同じ攻撃を繰り返していません。

サイドから崩す。

中央を使う。

背後を取る。

前線から奪う。

攻撃の入口が複数あったため、チュニジアは守る場所を絞れませんでした。

左を警戒すれば、右から伊東が走る。

上田を囲めば、鎌田がゴール前へ入る。

低い位置で守れば、田中や板倉から縦パスが入る。

日本の選手が立ち位置を変え続けたことで、相手の守備にずれが生まれました。


第9章 久保建英へ送ったKポーズ

鎌田の先制点後、中村は両手で「K」の形を作りました。

負傷によってチュニジア戦を欠場した久保建英へのメッセージです。

本来は、中村自身がゴールを決めたときに行う予定だったそうです。

しかし、先制点をアシストしたため、中村が代わりに披露しました。

鎌田がやれば「鎌田のK」に見えてしまう。

だから中村が担当したという裏話もあります。

少し形を間違えながらも、久保への思いは伝わりました。

ピッチにいない選手も含めて戦う。

今回の日本代表には、そんなつながりがあります。


第10章 スパイクを磨いた選手たち

オランダ戦のあと、出場できなかった選手が、試合に出た選手のスパイクを磨いていたという話があります。

吉田麻也や南野拓実が、ユニフォームを集め、仲間を支えていた。

目立つ仕事ではありません。

得点にも、アシストにも記録されません。

それでも、こうした行動がチームの空気を作ります。

チュニジア戦前には、2022年大会の経験も共有されました。

ドイツに勝ったあと、コスタリカに敗れた第2戦。

大きな結果を残した次の試合で、気持ちを切らしてはいけない。

その反省があったからこそ、日本はオランダ戦の引き分けに満足せず、開始直後から前へ出ました。

4-0は、ピッチに立った11人だけで作った結果ではありません。


第11章 彩艶が守った無失点

4得点が注目される試合ですが、無失点も大きな成果です。

チュニジアのシュートは3本。

日本は相手にほとんど決定機を作らせませんでした。

前線からボールを追う。

中盤で縦パスを止める。

最終ラインが背後へ出たボールを処理する。

鈴木彩艶も後方から落ち着いてパスをつなぎました。

先制点の攻撃も、彩艶のパスから始まっています。

GKはシュートを止めるだけの選手ではありません。

相手のプレスを外し、攻撃の一人目にもなる。

日本は守備から攻撃へ、滑らかに移ることができました。


第12章 モンテレイのハポンコール

スタジアムには、多くの日本人サポーターが集まりました。

さらに、メキシコのユニフォームを着た地元の観客からも「ハポン」という声が上がりました。

日本がパスをつなぐたびに「オーレ」の歓声。

モンテレイで事前キャンプを行い、現地との関係を築いてきた日本代表。

その積み重ねが、まるでホームのような雰囲気を生みました。

試合後には、日本人サポーターがスタンドを清掃。

歓迎してくれた開催地へ、感謝を行動で返しました。

ピッチでは4得点。

スタンドでは静かなごみ拾い。

日本は二つの形で、モンテレイに足跡を残しました。


第13章 次はスウェーデン戦

日本は2試合を終えて、1勝1分け。

勝ち点4です。

オランダと勝ち点、得失点差で並び、グループ突破へ大きく前進しました。

ただし、まだ正式には決まっていません。

最終節の相手はスウェーデン。

スウェーデンはオランダに1-5で敗れましたが、初戦ではチュニジアに5得点しています。

前線の力は十分です。

日本は引き分けでも突破へ近づきます。

それでも、鈴木彩艶が語ったように、狙うのは勝ち点3です。

守りに入るのではなく、自分たちから試合を進められるか。

チュニジア戦の4得点を、次の一戦へつなげたいところです。


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第14章 4得点の奥にあったもの

鎌田の先制点。

上田の2得点。

伊東の抜け出し。

記録に残るのは、ゴールとアシストです。

けれど、その裏には別のプレーもありました。

中村が縦へ仕掛けた。

伊東がおとりになった。

田中が縦パスを入れた。

佐野がゴールライン際まで走った。

上田が前線から追った。

出場しない選手が仲間のスパイクを磨いた。

負傷した久保へ、Kのポーズを送った。

4年前の悔しさを抱えた上田が、初めての父の日に2得点を決めた。

4-0は、個人の力だけで生まれた結果ではありません。

ピッチの上と外で、それぞれが自分の役割を果たした。

そのつながりが、ワールドカップ通算1000試合目の歴史的勝利につながりました。

観るだけのサッカーから、理解して語れるサッカーへ。

Leo Costa フットボール分析室

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