10人のアメリカ、ティルマンFK弾で16強 バログン退場も完封勝利
アメリカ2-0ボスニア・ヘルツェゴビナ。
45分、フォラリン・バログンが先制。
61分、そのバログンが一発退場。
アメリカは残り約30分を10人で戦うことになった。
追いつかれてもおかしくない。
守るだけでも苦しい。
それでも82分、マリク・ティルマンが直接フリーキックを沈めた。
数的不利のアメリカが追加点。
最後までゴールを許さず、共催国がラウンド16へ進んだ。
第1章 ボールを支配するアメリカ
試合開始から、アメリカがボールを支配した。
中盤でパスをつなぐ。
左右へ展開する。
ボスニア・ヘルツェゴビナの守備ブロックを動かしながら、中央へ入るスペースを探した。
ただ、ボスニアの守備は簡単には崩れない。
中央に選手を固める。
バログンへ入る縦パスを消す。
サイドへ誘導し、クロスを跳ね返す。
アメリカはボールを持っていた。
しかし、決定機までは持ち込めなかった。
第2章 バログンが背後を狙う
ハイドレーションブレイク後、アメリカの攻撃が変化した。
バログンがボスニアの守備ラインの背後へ走る回数を増やす。
パスを受けるために下がるのではない。
相手センターバックの視界から外れ、ゴール方向へ走る。
31分にはネットを揺らした。
しかし、判定はオフサイド。
オフサイドとは、パスが出た瞬間に攻撃側の選手が相手の最終ラインより前に出ている反則だ。
得点は認められなかった。
それでもバログンは、同じ場所を狙い続けた。
第3章 前半終了間際の先制点
45分。
ボスニアのゴールキックを、アメリカが中盤ではね返す。
こぼれ球を拾い、すぐに縦へつないだ。
ティルマンが前を向く。
バログンが守備ラインの背後へ走る。
ティルマンのスルーパスは相手選手に当たり、コースが変わった。
それでも、ボールはバログンの足元へ届く。
バログンは慌てない。
GKの位置を見る。
ゴールの空いているコースへ流し込んだ。
1-0。
前半終了間際。
アメリカが、試合を動かした。
第4章 追加点を逃す
先制直後、アメリカに再び決定機が訪れた。
右からクロスが入る。
大外のセルジーニョ・デストが、頭で中央へ折り返す。
バログンがゴール前で合わせた。
だが、シュートはうまく当たらない。
ボールはクロスバーを叩いた。
2点目を奪えていれば、試合はさらに楽になっていた。
ノックアウトステージでは、決め切れなかった一本が後半に重くなる。
その不安が、61分に現実となった。
第5章 バログンが一発退場
61分。
バログンが相手選手との競り合いに入る。
後方からタリク・ムハレモヴィッチの足首付近を踏む形になった。
VARによる判定確認が行われる。
判定はレッドカード。
バログンは退場となった。
アメリカは10人。
数的不利とは、相手より少ない人数で戦う状態だ。
一人少なくなれば、誰かが二人分のスペースを埋めなければならない。
前から追えば、後ろにスペースが空く。
守備を固めれば、攻撃へ出る人数が足りなくなる。
アメリカの戦い方は、ここで大きく変わった。
第6章 中央を固める
退場後のアメリカは、無理にボールを奪いに行かなかった。
中央に選手を集める。
ボスニアを外側へ追い出す。
クロスが入れば、ゴール前で人数をそろえる。
ボールを奪っても、急いで前へ蹴るだけではない。
味方へつなぎ、守備陣がラインを上げる時間をつくる。
攻撃の回数は減った。
それでも、試合の主導権まで失ったわけではない。
守る場所を決める。
ボールを奪う場所を絞る。
アメリカは、10人で戦う形を整理していた。
第7章 プリシッチのゴールも幻
79分。
アメリカがカウンターへ出る。
クリスチャン・プリシッチがゴール前へ入り、ネットを揺らした。
数的不利の中で生まれた追加点。
そう思われた。
しかし、判定はオフサイド。
得点は認められない。
残り時間は約10分。
1点差のまま。
ボスニアが一度でもゴールを奪えば、延長戦に入る可能性がある。
緊張感はさらに高まった。
第8章 ティルマンの直接FK
82分。
アメリカがゴール前でフリーキックを獲得する。
キッカーはティルマン。
壁を越えるのか。
GK側を狙うのか。
ティルマンはゴールを見て、右足を振り抜いた。
シュートは壁を越え、ゴールへ吸い込まれた。
2-0。
直接フリーキックとは、味方へパスを出さず、そのままゴールを狙えるセットプレーだ。
10人になったアメリカが、守備だけで逃げ切ったわけではない。
限られたチャンスを、ティルマンが仕留めた。
この一撃で、勝負は大きくアメリカへ傾いた。
第9章 10人で完封
試合終了。
アメリカ2-0ボスニア・ヘルツェゴビナ。
バログンが先制点を決めた。
そのバログンが退場した。
プリシッチの追加点は取り消された。
それでもティルマンが、直接フリーキックで試合を決めた。
残り約30分を10人で戦いながら無失点。
アメリカは、攻め続けて勝っただけではない。
数的不利になってから、守る場所を変えた。
走る距離を増やした。
一人が外されても、次の選手がカバーした。
チーム全体でつかんだ完封勝利だった。
第10章 次はベルギー
ラウンド16の相手はベルギー。
セネガルに2点を先行されながら、終盤に試合をひっくり返したチームだ。
ルカクの強さ。
ティーレマンスの得点力。
トロサールのクロス。
途中出場選手の勢い。
アメリカは、ベルギーの攻撃を90分間止めなければならない。
一方で、アメリカは今大会4試合すべてで複数得点を記録している。
バログンが次戦に出場できない状況なら、誰が前線を担うのか。
ティルマンをどこで使うのか。
プリシッチへ、どうボールを届けるのか。
アメリカ2-0ボスニア・ヘルツェゴビナ。
退場者を出しても崩れなかった。
共催国の勢いだけではない。
このチームには、苦しい展開でも勝ち切る力がある。
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