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アルジェリア、セットプレー2発で逆転 ヨルダンの歴史的先制点をのみ込む

ヨルダン1-2アルジェリア。

36分。

ニザル・アル=ラシュダンが右足のアウトサイドで放ったシュートは、低い軌道でゴール右隅へ吸い込まれた。

ヨルダンにとって、ワールドカップ史上初の先制点。

初出場の国が、歴史的な初勝利へ一歩近づいた。

だが、アルジェリアは崩れなかった。

後半開始から2人を投入。

69分、途中出場のナディール・ベンブアリが、素早く始めたコーナーキックから同点ヘッド。

82分には、再びコーナーキック。

ゴール前の混戦からアミーヌ・グイリが押し込み、試合をひっくり返した。

流れの中からヨルダンの守備ブロックを崩し切れなくても、別の道を選ぶ。

セットプレー。

交代策。

そして、焦らず攻め続ける力。

アルジェリアが後半の2得点で逆転し、今大会初勝利をつかんだ。


第1章 負ければ苦しくなる一戦

両チームは、初戦を落としていた。

ヨルダンはワールドカップ初出場。

アルジェリアもアルゼンチンとの初戦に敗れ、勝点0からの再出発となった。

グループステージは3試合しかない。

2連敗となれば、突破の可能性は大きく下がる。

だからこそ、この試合では勝点3が欲しかった。

引き分けを狙って慎重に入るより、自分たちから試合を動かす。

その姿勢を見せたのは、アルジェリアだった。

右にはリヤド・マフレズ。

左にはラヤン・アイト=ヌーリ。

両サイドに左利きの選手を配置し、ピッチを広く使いながらヨルダンの守備を揺さぶった。


第2章 2人のレフティーが起点

右サイドのマフレズは、今大会初先発だった。

左利きの選手が右サイドに入ると、縦へ突破するだけでなく、中央へ切れ込んで左足を使える。

シュート。

スルーパス。

クロス。

複数の選択肢を持てるため、守る側は対応が難しい。

左サイドでは、アイト=ヌーリが前へ出た。

タッチライン際でボールを受け、ドリブルで相手を引きつける。

片側に守備を集めたあと、逆サイドへ展開する。

アルジェリアは横幅を使いながら、ヨルダンの守備ブロックに隙が生まれる瞬間を探した。

ボールを持っていたのはアルジェリア。

しかし、先にゴールを奪ったのはヨルダンだった。


第3章 ヨルダンは速さで対抗

ヨルダンは、アルジェリアと同じようにボールを持とうとはしなかった。

選んだのは、守ってから速く攻める形だ。

守備では、ボールの移動に合わせて選手全体が横へ動く。

これをスライドという。

右へパスが出れば、チーム全体が右へ寄る。

左へ展開されれば、今度は左へ動く。

選手同士の距離を近く保ち、中央へ簡単に入れさせない。

ボールを奪った瞬間には、前線のムーサ・アッ=タアマリーを使う。

トランジション。

つまり、攻守が切り替わる瞬間を狙った攻撃だ。

アルジェリアが前へ人数をかけた裏にはスペースがある。

ヨルダンは、そこへ迷わず縦パスを送った。


第4章 歴史を動かした一撃

36分。

ヨルダンが左サイドから攻める。

モハンナド・アブ・タハがペナルティーエリアへ入り、中央へ折り返した。

アッ=タアマリーが左足で合わせる。

シュートはうまくミートせず、右へ流れた。

だが、攻撃は終わらない。

こぼれ球へ入ってきたのがアル=ラシュダンだった。

右足のアウトサイドでボールを捉える。

アウトサイドキックとは、足の外側で蹴る技術だ。

体の向きを大きく変えずに、ボールへ独特の回転をかけられる。

放たれたシュートは地面を滑り、ゴール右隅へ向かった。

アルジェリアのGKルカ・ジダンが手を伸ばす。

届かない。

1-0。

ヨルダンが、ワールドカップで初めて先制した。


第5章 内容とスコアは一致しない

前半、主導権を握っていたのはアルジェリアだった。

ボールを持ち、両サイドから何度も仕掛けた。

それでも、スコアは0-1。

サッカーでは、試合内容がそのまま得点へ反映されるとは限らない。

長くボールを持っても、ゴール前を崩せなければ得点にはならない。

反対に、守る時間が長くても、一度のカウンターやこぼれ球からゴールを奪える。

ヨルダンは、自分たちの狙いを形にした。

アルジェリアは攻めながらも、最後の一手を欠いた。

ここで焦れば、無理な縦パスが増える。

シュートを急ぐ。

守備のバランスも崩れる。

しかし、アルジェリアはハーフタイムで戦い方を捨てなかった。

必要なのは、パニックになることではない。

攻撃の強度を、もう一段階上げることだった。


第6章 ハーフタイムの2枚替え

アルジェリアは後半開始から2人を交代させた。

ベンブアリとナビル・ベンタレブを投入する。

試合の流れが変わるのを待たず、自分たちから動いた。

交代策には、いくつかの目的がある。

疲れた選手を入れ替える。

攻撃の配置を変える。

高さや強さを加える。

相手に新しい対応を迫る。

この試合で大きかったのは、前線へベンブアリを入れたことだ。

ゴール前で相手と競り合える。

クロスへ飛び込める。

アルジェリアはサイドから攻め続けていた。

そこへ、ボールを仕留める選手を加えた。

その判断が、後半の同点ゴールにつながる。


第7章 63分の予告編

63分。

マフレズが右サイドからクロスを送る。

ゴール前で待っていたベンブアリが、頭で合わせた。

シュートはGKにキャッチされる。

得点にはならなかった。

それでも、この場面は重要だった。

マフレズの左足からクロスが入る。

ベンブアリが相手DFより先にボールへ触る。

アルジェリアが後半に狙っている形が、はっきりと見えた。

ヨルダンも警戒していたはずだ。

だが、わずか数分後。

同じ右サイドから、今度はセットプレーで守備を上回られる。


第8章 素早いCKが同点弾を生む

69分。

アルジェリアが右コーナーキックを獲得した。

キッカーはマフレズ。

ヨルダンの守備が完全に整う前に、素早くボールを入れる。

ベンブアリが高く跳んだ。

相手よりも上の位置でボールを捉え、ヘディングシュートを叩き込む。

1-1。

途中出場の選手が、監督の期待に応えた。

この得点で重要なのは、ヘディングの高さだけではない。

アルジェリアは、相手がマークを確認する時間を与えなかった。

セットプレーでは、蹴る側も守る側も準備をする。

誰が誰をマークするのか。

どこへ走るのか。

どの場所へボールを送るのか。

マフレズは、その準備が整う前に再開した。

一瞬の判断が、ヨルダンの守備を遅らせた。


第9章 セットプレーが突破口

ヨルダンの守備ブロックは堅かった。

選手同士の距離が近く、中央には簡単に入れない。

流れの中で何度もパスをつないでも、最後の場所で人数をそろえられてしまう。

そこで力を持つのが、セットプレーだ。

コーナーキック。

フリーキック。

スローイン。

ボールが止まった状態から攻撃を始めるため、あらかじめ動き方を準備できる。

アルジェリア代表DFアイサ・マンディも、練習していたセットプレーから2得点できたと振り返っている。

偶然ボールが転がってきたわけではない。

誰が相手を引きつけるのか。

誰がニアへ走るのか。

誰がこぼれ球を狙うのか。

練習してきた形が、苦しい試合で突破口になった。


第10章 82分、グイリが逆転

82分。

アルジェリアが再び右からコーナーキックを蹴る。

ボールがゴール前へ入る。

選手が密集し、ボールがこぼれた。

最後に押し込んだのはグイリだった。

1-2。

アルジェリアが試合をひっくり返した。

主審の判定だけでは終わらない。

VARによる確認が入る。

オフサイドはなかったか。

反則はなかったか。

ゴールが認められるまで、選手もサポーターも待つ。

そして判定は得点。

アルジェリアの逆転弾が確定した。

同点ゴールもコーナーキック。

逆転ゴールもコーナーキック。

ヨルダンは流れの中では粘り強く守った。

だが、ボールが止まった二つの場面で、マークとこぼれ球への反応に差が出た。


第11章 焦らなかったアルジェリア

この試合でアルジェリアが示した強さは、後半に2得点したことだけではない。

先制されても、戦い方を見失わなかった。

ボールを保持する。

サイドを使う。

相手を動かす。

クロスを入れる。

セットプレーを獲得する。

前半から続けていた攻撃を土台にしながら、交代選手で強度を加えた。

イブラヒム・マザは、ハーフタイムに「焦らず我慢強く戦うことが重要だと話した」と振り返っている。

サッカーでは、負けていると早く追いつきたくなる。

しかし、無理に攻めればパスの精度が落ちる。

守備の準備も間に合わなくなる。

アルジェリアは急ぐべき場面と、落ち着くべき場面を分けた。

その冷静さが、逆転勝利を呼び込んだ。


第12章 交代策が勝敗を分ける

ベンブアリは後半開始から出場。

69分に同点ゴールを決めた。

ベンタレブも中盤へ入り、攻撃を続けるための土台をつくった。

交代選手は、必ずしもゴールやアシストだけで評価されるわけではない。

ボールを回収する。

相手のカウンターを止める。

味方が前へ出る時間をつくる。

チームのリズムを保つ。

さまざまな仕事がある。

アルジェリアは、ハーフタイムに動いた。

ヨルダンはリードを守ろうとした。

その差が、後半の主導権に表れた。

ベンブアリの投入は、ゴール前の高さを加えただけではない。

アルジェリアのクロスに、明確な届け先をつくった。

交代が戦術とつながったからこそ、結果が生まれた。


第13章 ヨルダンの歴史と悔しさ

ヨルダンは2連敗となり、グループステージ敗退が決まった。

初めて出場したワールドカップ。

アル=ラシュダンが歴史的な先制点を決めた。

アッ=タアマリーを起点としたカウンターも、アルジェリアを苦しめた。

守備では全体が連動し、長い時間リードを守った。

それでも、勝点には届かなかった。

セットプレーで相手を離してしまう。

こぼれ球を先に触られる。

一つのミスが、世界大会では失点につながる。

厳しい結果だ。

ただ、ワールドカップで先制した経験は残る。

強豪を相手に、自分たちの守備とカウンターが通用した時間もあった。

最終節の相手はアルゼンチン。

突破の可能性はなくなっても、世界王者を相手に得られるものは大きい。


第14章 オーストリアとの直接対決へ

今大会初勝利を挙げたアルジェリアは、グループステージ最終節でオーストリアと対戦する。

2位通過を懸けた直接対決だ。

ヨルダン戦で得た勝点3は大きい。

さらに大きいのは、先制されても逆転できた自信だ。

守備ブロックを組む相手へ、どう得点を奪うのか。

流れの中から崩し切れないとき、どの武器を使うのか。

アルジェリアは、その答えをセットプレーで示した。

マフレズの左足。

途中出場のベンブアリ。

こぼれ球を仕留めたグイリ。

そして、試合を通して攻撃を支えたマザ。

一人のひらめきだけではない。

交代策と準備してきた形が重なった勝利だった。

ヨルダン1-2アルジェリア。

ヨルダンが先に歴史を動かした。

だが、最後に勝点3をつかんだのはアルジェリアだった。

ボールを持っていても、ゴールが入らない。

守備を崩し切れなくても、試合は終わらない。

セットプレー。

交代策。

一瞬の再開。

ゴール前の反応。

そこまで見えると、サッカーは得点場面だけでなく、その前に積み重ねられた準備まで面白くなる。


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