スイス、PK戦でコロンビア撃破 コベルが止め、バルガスが決めた
スイス0-0コロンビア。
PK戦で5-4の決着。
ラウンド16最後の一戦は、派手なゴールショーではなかった。
だが、こういう試合こそワールドカップの決勝トーナメントらしい一戦だった。
守る。
耐える。
読み切る。
体を投げ出す。
最後はPKスポットで、心臓の音まで聞こえてきそうな勝負になる。
スイスはグレゴール・コベルがPKを止めた。
最後はルベン・バルガスが決めた。
スイスがコロンビアをPK戦の末に下し、準々決勝へ進出。
次に待つのは、2点差から大逆転で勝ち上がった王者アルゼンチンだ。
第1章 守備の強いチーム同士の我慢比べ
この試合は、立ち上がりから簡単にスペースが空かなかった。
スイスもコロンビアも、守備の距離感がいい。
中央を閉じる。
ライン間を狭くする。
相手のエースに前を向かせない。
ボールが入った瞬間に寄せる。
派手な攻撃よりも、まず相手の良さを消す。
だから、前半は大きなチャンスがなかなか生まれなかった。
こういう試合では、ミスがそのまま決定機になる。
どちらが先に集中を切らすか。
どちらが先に相手のズレを突けるか。
緊張感はずっと高かった。
第2章 30分、リーダーの決定機をバルガスが止めた
最初に大きなチャンスを作ったのはスイスだった。
30分。
コロンビアのクリアミスから、ファビアン・リーダーがGKと1対1になる。
スイスとしては、ここで仕留めたかった。
しかし、カミロ・バルガスがファインセーブ。
さらに直後、ダン・ンドイェがシュートを放つが、これも防がれる。
コロンビアのGKは、前半の流れを渡さなかった。
スイスは、チャンスを作った。
だが、決め切れなかった。
試合は重くるしい雰囲気で進む。
第3章 ンドイェがチャンスを広げるも、エンボロが封じられる
スイス攻撃で目立ったのはンドイェだった。
スピードを生かして背後へ走る。
サイドで前を向く。
相手の守備ラインを押し下げる。
ただ、中央のブレール・エンボロにはなかなか良い形で入らない。
コロンビアのCB、ダビンソン・サンチェスとジョン・ルクミが厳しく対応した。
前線で収めさせない。
体を入れられる前に寄せる。
ゴール前で自由に反転させない。
スイスはンドイェの動きで前進したが、エンボロを中心にした決定的な形までは作り切れなかった。
第4章 スイスCB陣がディアスを消した
一方、コロンビアも攻撃の出口を作れなかった。
大きかったのは、スイスのCBコンビだ。
ニコ・エルヴェディとマヌエル・アカンジ。
読みが鋭い。
前に出るタイミングがいい。
ルイス・ディアスに簡単に前を向かせない。
コロンビアにとって、ディアスは攻撃のスイッチになる選手だ。
彼がサイドで仕掛ける。
相手を引きつける。
中に入っていく。
そこから味方が連動する。
だが、この日はその流れがなかなか出なかった。
スイスは、コロンビアの一番危険な刃を、かなり丁寧にしまい込んだ。
第5章 延長で試合が少しずつ開いた
0-0のまま延長戦へ。
ここから、少しずつ試合がオープンになる。
コロンビアは途中出場のフアン・キンテロを中心に攻撃を強めた。
左足からのキック。
テンポを変えるパス。
セットプレーの質。
そのCKから、ルクミがヘディングで合わせる。
ボールはバー。
コロンビアにとって、最大級のチャンスだった。
さらにジャミントン・カンパスがブレ球のロングシュートを放つ。
しかし、ここはコベルが反応。
スイスの守護神も、最後の一線を越えさせない。
第6章 延長後半、決め切れなかったカンパス
延長後半にも、試合を決めるチャンスがあった。
コロンビアのゴールキックの流れから、グラニト・ジャカがボールを失う。
カンパスがコベルと1対1へ。
これは決めたい。
いや、決めなければいけない場面だった。
だが、シュートは枠の外。
コロンビアは、最後の一押しを決め切れなかった。
スイスも、こぼれ球からルベン・バルガスが右足を振り抜いたが、相手GKとDFのブロックに阻まれた。
どちらもゴール前まで行った。
でも、ネットは揺れない。
120分を戦って、スコアは0-0。
勝負はPK戦へ向かった。
第7章 PK戦は守備者の皮肉な勝負になった
PK戦は、少し皮肉な展開になった。
この日、守備で素晴らしいパフォーマンスを見せたCBたちが、PKでは苦しんだ。
コロンビア2人目、ダビンソン・サンチェス。
真ん中へ力強く蹴ったが、ボールは浮いてバーへ。
スイス3人目、アカンジ。
こちらも真ん中を狙ったが、枠を外す。
守備では冷静だった選手でも、PKスポットでは別の圧力がかかる。
走って守るのとは違う。
相手と競るのとも違う。
一人でボールを置き、一人で蹴る。
この孤独な勝負が、PK戦の怖さだ。
第8章 コベルが止め、バルガスが決めた
勝負を分けたのは、コロンビア4人目。
クチョ・エルナンデスの強烈なシュートを、グレゴール・コベルが止めた。
読み、反応、腕の強さ。
この一瞬で、スイスに流れが来た。
最後はルベン・バルガス。
大きなプレッシャーの中、しっかりネットを揺らす。
PK戦5-4。
スイスが準々決勝へ進んだ。
守備で耐え、GKが止め、最後に決める。
これもまた、決勝トーナメントの勝ち方だ。
第9章 次は王者アルゼンチン
スイスの次の相手はアルゼンチン。
エジプト戦で2点差をひっくり返した王者だ。
スイスは守備の安定感がある。
CBは強い。
コベルも当たっている。
ンドイェのスピードもある。
ただ、アルゼンチンには終盤に試合を変える力がある。
メッシ。
エンソ。
ロメロ。
そして、最後まで諦めない王者の空気。
スイスが中央を閉じられるか。
メッシに前を向かせないか。
ボールを奪った後、どれだけカウンターで押し返せるか。
準々決勝は、守備のスイスと王者アルゼンチンの我慢比べになる。
第10章 0-0の試合こそ、見るべきものが多い
この試合は0-0。
でも、退屈ではなかった。
リーダーの1対1。
ンドイェの突破。
エンボロを封じたコロンビアCB。
ディアスを抑えたスイス守備。
ルクミのバー直撃。
カンパスの決定機。
コベルのPKストップ。
ゴールがなくても、試合は動いている。
どこを閉じたのか。
誰を自由にさせなかったのか。
どのミスが決定機になったのか。
GKがどこで試合を救ったのか。
そこが見えると、ワールドカップはもっと面白くなります。
日本代表の試合も同じです。
なぜ中央を閉じるのか。
なぜエースを前向きにさせないのか。
なぜPK戦ではGKの準備が重要なのか。
なぜ0-0でも試合の流れを読む必要があるのか。
そうした視点で観ると、代表戦はぐっと深くなります。
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