オランダがスウェーデンに5-1快勝。ブロビーとガクポが崩した“サイド守備”
第1章 5-1という数字以上に差が見えた試合
オランダ5-1スウェーデン。
グループFの首位争いになるはずだった一戦は、予想以上の大差になりました。
ブライアン・ブロビーが2得点。
コディ・ガクポも2得点。
最後はクライセンシオ・サマーフィルが5点目を決めました。
スウェーデンも攻撃へ出る時間はありました。
アンソニー・エランガが1点を返し、前半には取り消されたゴールもあります。
何もできなかったわけではありません。
それでも、試合を通じて目立ったのは、オランダの攻撃の速さと、ゴール前へ入る人数の多さでした。
スウェーデンが少しでも守備の位置をずらすと、オランダはその場所を逃しませんでした。
第2章 開始5分、ガクポのクロスが流れを動かした
オランダの先制点は開始5分でした。
左サイドのガクポが、ゴール前へ精度の高いクロスを送ります。
そこへ入ってきたのがブロビー。
相手DFより先にボールへ触り、ゴールへ叩き込みました。
大切なのは、ブロビーがクロスを待っていたのではないことです。
ガクポがボールを持った瞬間、DFの背後へ動き始めていました。
クロスが上がってから走っても間に合いません。
出し手が顔を上げたときに動く。
そのタイミングが合ったため、スウェーデンの守備は対応できませんでした。
開始直後の失点で、スウェーデンは早くも追いかける展開になります。
第3章 ブロビーの2点目は、ダンフリースの低い折り返し
17分、ブロビーが再びネットを揺らします。
今度は右サイドからでした。
デンゼル・ダンフリースが縦へ進み、ゴール前へ低いボールを送ります。
ブロビーは滑り込みながら合わせ、2-0。
1点目は左からのクロス。
2点目は右からの低い折り返し。
オランダは左右の両方から得点しました。
低い折り返しは、守備側にとって難しいボールです。
ゴール方向を向きながら対応するため、足に当たればオウンゴールになる危険があります。
GKも前へ出るべきか、ゴールラインに残るべきか迷います。
その間へFWが入ってくる。
ブロビーは、最も得点が生まれやすい場所へ走り込んでいました。
第4章 代表得点が少なかったブロビーが2ゴールできた理由
ブロビーは、この大会前までオランダ代表での得点が一つだけでした。
それがスウェーデン戦では、開始17分までに2得点。
突然、決定力が上がったようにも見えます。
ただ、この日のブロビーは難しいシュートを決めたわけではありません。
クロスへ入り、折り返しへ合わせた。
どちらもゴールに近い場所からの得点です。
ストライカーに必要なのは、毎回スーパーゴールを狙うことではありません。
味方がボールを運んだとき、どこへ走るか。
DFの前へ入るのか。
背後へ入るのか。
ニアへ走るのか。
ブロビーは、その判断が速かった。
ガクポとダンフリースが作ったチャンスを、確実に得点へ変えました。
第5章 スウェーデンにも反撃の時間はあった
2点を失った後、スウェーデンも少しずつ前へ出ました。
グスタフ・ラーゲルビエルケがヘディングシュートを決め、一度は1点差になったように見えます。
しかし、判定はオフサイド。
得点は認められませんでした。
このゴールが認められていれば、試合の空気は変わっていたかもしれません。
2-1で前半を終えるのと、2-0で終えるのでは大きく違います。
1点差なら、後半開始から同点を狙えます。
2点差では、得点を狙いながら追加点も警戒しなければなりません。
スウェーデンは攻撃の形を作り始めていました。
それでも、得点として残せなかったことが後半に響きました。
第6章 後半開始直後、ガクポが試合を決めた
後半開始から2分。
ガクポが3点目を決めます。
前半はブロビーの得点をアシストしたガクポが、今度は自らゴール前へ入りました。
スウェーデンにとって最も避けたかった時間帯の失点です。
ハーフタイムには、守備の修正を確認していたはずです。
次の1点を取れば試合へ戻れる。
そう考えてピッチへ出た直後に、3点目を奪われました。
さらに54分。
ガクポが左から中央へ切れ込み、ペナルティーエリアの外から右足を振り抜きます。
4-0。
ガクポが得意とする形です。
左サイドに立ちながら、縦だけでなく中央へも入る。
守備側は、外を切るのか、内側を切るのか迷います。
少しでも中央への対応が遅れれば、ガクポにはシュートコースが見えます。
第7章 スウェーデンはサイドで後手を踏んだ
試合後、スウェーデンのグレアム・ポッター監督は、サイドのエリアでやられたと話しています。
その言葉どおりでした。
左ではガクポ。
右ではダンフリース。
オランダは幅を使い、スウェーデンの守備を横へ広げました。
サイドの選手が外へ引っ張られると、中央のDFとの距離が空きます。
そこへブロビーが入る。
反対に中央を締めれば、ガクポやダンフリースが前を向けます。
スウェーデンは、どこを優先して守るのかを最後まで整理できませんでした。
キャプテンのヴィクトル・リンデロフも、半メートルや1メートルの遅れが失点につながったと振り返っています。
オランダのように個の力がある選手を相手にすると、小さな遅れが大きな差になります。
第8章 エランガのゴールで見えたスウェーデンの意地
59分、途中出場のアンソニー・エランガが1点を返します。
最終ラインの背後へ抜け出し、ゴールへ流し込みました。
スウェーデンらしい、縦に速い攻撃でした。
4点差になっても、走ることをやめなかった。
その姿勢は、最終節の日本戦へつながります。
ただ、エランガの得点後もオランダは大きく崩れませんでした。
慌てて前へ出ることもなく、ボールを持ちながら時間を進めます。
スウェーデンに連続得点を許さない。
1点を返された後の試合運びにも、オランダの落ち着きがありました。
第9章 サマーフィルの5点目が得失点差を広げた
89分。
オランダが5点目を奪います。
決めたのはサマーフィル。
力強い右足のシュートで、再び4点差としました。
試合の勝敗は、ほぼ決まっていました。
それでも、ワールドカップでは最後の1点にも意味があります。
グループステージでは、勝ち点が並んだ場合に得失点差が重要になります。
オランダは5得点を奪い、2試合で得失点差をプラス4へ伸ばしました。
勝つだけではなく、可能な限り得点を増やす。
大会全体を考えれば、89分のゴールにも大きな価値があります。
第10章 オランダは勝ち点4でグループ首位へ
オランダは2試合を終えて、1勝1分け。
勝ち点4でグループF首位に立ちました。
初戦では日本と2-2。
その試合では2度リードしながら、最後に追いつかれています。
スウェーデン戦では、その反省を感じさせる試合運びでした。
先制後も攻撃を緩めない。
2点目、3点目を狙う。
1点を返されても、再び得点する。
リードを守るだけでなく、さらに差を広げる。
日本戦で勝ち切れなかったオランダが、スウェーデン戦では最後まで攻撃の手を止めませんでした。
第11章 この結果が日本代表へ与える影響
日本にとっても、この5-1は小さくない結果です。
オランダは勝ち点4。
スウェーデンは勝ち点3。
日本はチュニジア戦前の時点で勝ち点1です。
日本がチュニジアに勝てば、勝ち点4でオランダに並びます。
ただし、順位を決める際には得失点差も関係します。
オランダはスウェーデンから5点を奪い、得失点差を大きく伸ばしました。
日本もチュニジア戦では、まず勝つことが最優先です。
そのうえで、追加点を奪えるなら奪いたい。
1-0で満足せず、試合を落ち着かせながら2点目を狙う。
オランダが見せた戦い方は、日本にとっても参考になります。
第12章 日本がスウェーデン戦で警戒したい場所
日本は最終節でスウェーデンと対戦します。
5失点したからといって、スウェーデンが弱いわけではありません。
初戦ではチュニジアから5点を奪っています。
エランガのスピード。
イサクやギェケレシュの前線。
セットプレーでの高さ。
攻撃には十分な力があります。
ただ、オランダ戦ではサイドの守備に問題が見えました。
日本も、中村敬斗や堂安律、伊東純也が1対1を作れればチャンスがあります。
ウイングが外へ張る。
相手のサイドバックを引きつける。
その内側を鎌田大地や上田綺世が使う。
オランダが作ったような形を、日本も狙えるはずです。
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第13章 オランダが見せたのは、得点を重ねる強さだった
この試合で最も印象に残ったのは、オランダが1点で止まらなかったことです。
開始5分に先制。
17分に追加点。
後半開始直後に3点目。
54分に4点目。
最後は89分に5点目。
ブロビーがゴール前で仕留める。
ガクポが外からも内からも違いを作る。
ダンフリースが右サイドを押し上げる。
サマーフィルが最後まで走る。
オランダの攻撃は、一人の活躍だけではありませんでした。
左右から相手を広げ、中央へ人数を入れる。
相手が少し遅れれば、その場所を使う。
シンプルですが、止めるのは簡単ではありません。
スウェーデンにとっては厳しい敗戦です。
しかし、日本にとっては、最終節でどこを狙うべきかが見えた試合でもあります。
グループFは、まだ終わっていません。
オランダが首位へ浮上し、スウェーデンが追い、日本がこれからチュニジア戦へ向かう。
5-1という結果が、グループ全体の緊張をさらに高めました。
観るだけのサッカーから、理解して語れるサッカーへ。
Leo Costa フットボール分析室
