見出し画像

41歳ロナウド、また歴史を更新 2ゴールでポルトガルがウズベキスタンに5発快勝

ポルトガル5-0ウズベキスタン。

また、クリスティアーノ・ロナウドが歴史を動かした。

開始6分に先制点。

39分にはGKとの1対1を冷静に仕留め、この日2ゴール。

これでワールドカップ通算10得点。エウゼビオを抜き、ポルトガル代表選手として大会史上最多となった。

さらに、史上初となる6大会連続得点。

41歳138日でのゴールは、ワールドカップ史上2番目の年長記録だ。

だが、この試合を「ロナウドがまた記録をつくった」で終わらせるのは、あまりにも惜しい。

ポルトガルは初戦のコンゴ戦で1-1。

ボールを持ちながら、思うようにゴールへ近づけなかった。

しかし第2戦では、右から、左から、中央から、セットプレーから、そして速攻から相手を揺さぶった。

ロナウドが決める。

ロナウドが囮になる。

ロナウドが走ることで、その背後や横に別の選手が入ってくる。

41歳の背番号7は、今もポルトガル攻撃の中心にいる。

ただし、その役割は以前よりも深く、そして面白くなっている。


第1章 開始6分、最初の一撃

試合の入りから、ポルトガルは前へ出た。

初戦の引き分けを引きずるような慎重さはない。

右サイドでジョアン・カンセロが高い位置を取り、ウズベキスタンの最終ラインを押し下げる。

そして開始6分。

カンセロが右から低いクロスを入れた。

ロナウドはゴール前で待ち、右足でニアサイドを打ち抜く。

ニアサイドとは、ボールを持つ選手に近い側のゴール方向だ。

GKは中央や逆側へのシュートも警戒するため、近い側を強く速く抜かれると反応が難しい。

ロナウドは大きく振りかぶらなかった。

ボールの速さを生かし、短い振りで正確に合わせた。

これがストライカーの技術だ。

派手なドリブルはない。

相手を何人も抜いたわけでもない。

クロスが入る場所を予測し、DFより半歩早く動き、最後に足を合わせる。

ゴールが決まる前から、勝負は始まっていた。

本大会では6試合ぶりとなる得点。

ロナウドの表情には、喜びだけでなく安堵も見えた。

世界中からゴールを期待される選手にとって、ワールドカップの無得点期間は重い。

その重圧を、開始6分でゴールネットの中へ蹴り飛ばした。


第2章 ロナウドが蹴らないフリーキック

17分、ポルトガルはペナルティーエリア手前でフリーキックを得た。

ボールの前に立ったのは、ロナウドとヌーノ・メンデス。

この位置でロナウドが立てば、誰もが直接シュートを想像する。

助走を取り、強烈な無回転シュートを打つ。

スタジアムも、ウズベキスタンの壁も、GKも、その一振りを待っていたはずだ。

だが、蹴ったのはヌーノ・メンデスだった。

鋭いシュートがゴールへ突き刺さり、2-0。

この得点で重要なのは、ロナウドがボールに触れていないことだ。

触れていなくても、相手の意識を引きつけた。

これが「囮」になるということだ。

ウズベキスタンのGKや壁は、ロナウドの助走やシュートコースを強く警戒する。

その意識がヌーノ・メンデスへの反応をわずかに遅らせた。

サッカーでは、ボールを持つ選手だけが攻撃しているわけではない。

立っている場所。

走る方向。

相手から向けられる視線。

それらも、相手の守備を動かす武器になる。

ロナウドほどの存在感があれば、蹴らなくてもゴールへ関与できる。

ポルトガルはエースの知名度と威圧感まで、セットプレーの一部として使った。


第3章 ブルーノのパスと、ロナウドの抜け出し

39分、ポルトガルが3点目を奪う。

ブルーノ・フェルナンデスが中央でボールを持つ。

その瞬間、ロナウドは相手DFの背後へ走り出した。

ブルーノから出たスルーパスは、ロナウドの進行方向へ通る。

GKとの1対1。

ロナウドは慌てず、冷静にネットを揺らした。

このゴールは、2人のイメージが完全に重なった得点だった。

ロナウドが走ってから、ブルーノが考えたのでは遅い。

ブルーノが蹴ってから、ロナウドが動いたのでもない。

パスを出す選手と受ける選手が、ほぼ同じ瞬間に背後のスペースを見つけている。

だから、相手DFは対応できなかった。

ロナウドの速さは、全盛期と同じではないかもしれない。

それでも、動き出すタイミングは今も鋭い。

相手より速く走るだけが、裏抜けではない。

相手より早く動き始めればいい。

41歳のロナウドは、脚力だけではなく、経験と予測で背後を取っている。


第4章 6大会連続得点という異常な記録

この2点目で、ロナウドはワールドカップ通算10得点に到達した。

ポルトガルの伝説、エウゼビオを超え、同国の大会最多得点者になった。

さらに、6大会連続でのゴールは史上初。

この記録は、単なる長寿記録ではない。

ワールドカップは4年に一度しかない。

一度出場するだけでも難しい。

代表に選ばれ続ける。

本大会へ出場し続ける。

そして、毎回ゴールを決める。

そのすべてを長期間続けなければ、6大会連続得点には届かない。

若い頃のロナウドは、サイドからドリブルで仕掛ける選手だった。

爆発的な加速で相手を抜き、強烈なシュートを放った。

その後、ゴール前へ入る回数を増やし、世界最高峰の得点者へ変わった。

今は、動く回数を選びながら、一度のチャンスを仕留める。

同じプレースタイルのまま、長く続けてきたわけではない。

年齢やチームに合わせ、役割を変え続けてきた。

6大会連続得点は、変化を拒まなかった選手の記録でもある。


第5章 走り抜けたロナウド

後半、再びポルトガルがフリーキックを得る。

ボールの前には、またロナウド。

今度こそ直接狙う。

誰もがそう考えたはずだ。

しかし、ロナウドはボールを蹴らず、そのままDFラインの背後へ走り抜けた。

ブルーノが浮き球のパスを送る。

ロナウドはGKとの1対1になったが、アブドゥヴォヒド・ネマトフが素晴らしい飛び出しで防いだ。

得点にはならなかった。

それでも、面白いプレーだった。

フリーキックを「止まったボールからシュートを打つ場面」ではなく、「相手の守備が止まっている瞬間に背後を取る場面」へ変えたからだ。

相手はロナウドのシュートを警戒して壁をつくる。

その意識がボールへ集まった瞬間、本人はゴール前へ走る。

決まらなかったとはいえ、ポルトガルがセットプレーを何通りも準備していることが分かる。

そして、このプレーで得たコーナーキックからオウンゴールが生まれ、4-0。

ロナウドのシュートは止められた。

だが、その攻撃は終わらなかった。


第6章 ポルトガルが見せた攻撃の厚み

87分には、途中出場のラファエル・レオンが5点目を決めた。

先発したロナウドが2得点。

ヌーノ・メンデスがフリーキックを決める。

後半にはオウンゴールを誘い、最後はベンチから出たレオンが仕留める。

得点者も、得点の形も違う。

これが、この試合でポルトガルが見せた攻撃の厚みだ。

ロナウドだけを警戒すればいいわけではない。

右からはカンセロ。

中央にはブルーノ。

左からはヌーノ・メンデスやレオン。

ペドロ・ネトも仕掛け、相手のファールを誘う。

一つの出口を消されても、別の場所からゴールへ向かえる。

初戦のコンゴ戦では、ポルトガルの攻撃に重さがあった。

ボールを持っても、相手の守備が整った状態でプレーする時間が長かった。

しかしウズベキスタン戦では、クロス、背後へのパス、フリーキック、コーナーキックと、攻撃の入口を変えた。

同じ場所を何度も攻めるのではない。

相手が中央を締めれば外へ。

外を警戒すれば、中央から背後へ。

ロナウドへ意識が集まれば、別の選手が打つ。

ポルトガルは、相手の守備を見ながら攻撃の形を変えた。


第7章 ウズベキスタンを分けたVAR判定

ウズベキスタンにも、流れを変えかけた瞬間があった。

前半、アジズジョン・ガニエフが見事なミドルシュートを決めたかに見えた。

もし得点が認められれば、スコアは変わり、試合の空気も変わっていた可能性がある。

しかしVARの確認により、その前のプレーにファールがあったとして得点は取り消された。

VARはゴールの瞬間だけを見るものではない。

得点につながる一連の攻撃の中に、反則がなかったかも確認する。

ウズベキスタンにとっては厳しい判定だった。

0-2から1点を返すのと、0-2のまま試合を続けるのでは心理的な差が大きい。

追う側に勢いが生まれるか。

攻める側が再び落ち着けるか。

一つの判定が、試合の流れを大きく左右する。

最終的には5点差となったが、ウズベキスタンにも反撃の入口はあった。

その小さな入口を、ポルトガルは開かせなかった。


第8章 次はコロンビアとの首位争い

ポルトガルはこの勝利で勝ち点4。

グループKの首位に立ち、最終節ではコロンビアと対戦する。

ウズベキスタン戦のように、自分たちがボールを持てるとは限らない。

コロンビアは攻撃力があり、ポルトガルの背後も狙ってくるはずだ。

前へ出るカンセロやヌーノ・メンデスの後ろを、誰が埋めるのか。

ボールを失った瞬間、どれだけ速く守備へ切り替えられるのか。

攻撃で5得点した勢いと同時に、守備のバランスも問われる。

そして、ロナウドは3試合連続でゴールを奪うのか。

41歳。

6大会連続得点。

ワールドカップ通算10得点。

ポルトガル史上最多。

数字だけを並べても、十分に歴史的だ。

それでも本人は、記録よりチームの目標が大切だと語った。

その言葉がきれいごとに聞こえないのは、ロナウドが実際にチームのために役割を変えているからだ。

自分が打つ。

味方に打たせる。

囮になる。

背後へ走る。

ゴール前で相手を引きつける。

今のロナウドは、得点者でありながら、ポルトガル攻撃の巨大な目印でもある。

相手は背番号7を無視できない。

その視線の先で、別の選手が自由になる。

ロナウドのゴール記録は、まだ伸びるかもしれない。

だが、次の試合では得点数だけでなく、彼が相手の守備をどこへ動かしているかにも注目してほしい。

ボールに触れていない瞬間にも、背番号7は試合を動かしている。


📘 日本代表をもっと楽しむために

今回のワールドカップで、日本代表をもっと楽しむための本も書きました。

テーマは、日本代表はなぜ強くなったのか。

森保ジャパンの26人メンバー選考、戦術分析、そして2026年ワールドカップでベスト8へ進むための勝ち筋を、できるだけ分かりやすくまとめています。

「なぜこの選手が選ばれたのか」

「なぜこの形で守るのか」

「どこでボールを奪おうとしているのか」

そこまで見えると、日本代表の試合はもっと面白くなります。

▼日本代表を応援するための本はこちら


📚 ワールドカップ関連本もあります

開催国。

移動距離。

時差。

暑さ。

戦術。

AI。

データ。

試合が始まる前から、ワールドカップには面白いポイントがたくさんあります。

▼ワールドカップ関連本はこちら


いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集