「夫の借金」失ったものの中で見つけた、大切なもの
夫の借金で、
私はたくさんのものを失ったと感じました。
信用、
お金、
そして本来なら選べたはずの未来。
「あの借金がなかったら。」
そんなことを何度も考えました。
それでも、
1回目の借金が発覚したときから、
心の中で決めていたことがあります。
「この経験は、絶対に無駄にしたくない。」
そしていつか、
「この出来事があったから今の私たちがいる」
と思える人生にしたい。
そう願いながら歩いてきました。
もちろん現実は、
そんなに簡単ではありませんでした。
借金は繰り返され、
そのたびに打ちのめされ、
苦しみました。
それでも私は、
そのたびに答えを探し続けました。
夫を変えることより、自分にできること
私は、
夫を変えようとしていました。
寄り添えば変わるかもしれない。
正しさを伝えれば変わるかもしれない。
いつも心の中で願っていたのは、
「どうか私のこの思いが、夫に伝わりますように。」
ということでした。
でも、
どれだけ願っても、
夫は私の思うようには変わってくれませんでした。
4回目の借金が発覚したあと、
私はようやく方向を変えました。
安心を感情だけに頼るのではなく、
仕組みで支えること。
信用情報を確認すること。
家庭の資産を書き出し、
今ある安心を見える形にすること。
「信じる」だけではなく、
「確認できる安心」を作るようになりました。
借金が教えてくれた、お金と心のこと
借金は、
お金についての考え方を大きく変えました。
以前の私は、
「もっと貯めなければ安心できない」と思っていました。
でも今は、
お金はただ貯めるためだけにあるのではなく
家族との時間や
大切なものを守るために使うことも
同じくらい大切なのだと思っています。
そして心理学を学ぶ中で、
自分は不安になりやすく、
悪い未来を想像しやすい人間なのだとも知りました。
自分を知ることは、
良くないことを反省することではなく、
自分と上手につき合っていくことなのだと
思えるようになりました。
苦しかったから知ることができた私のこと
借金が教えてくれたのは、
お金や夫のことだけではありません。
私は、
自分自身のことも知りました。
以前の私は、
自分を弱い人間だと思っていました。
不安になりやすく、
すぐに落ち込んでしまう。
そんな自分に自信が持てませんでした。
でも、
本当に苦しい出来事の中で、
私は逃げませんでした。
何度心が折れそうになっても立ち上がり、
夫と向き合い続けました。
弱いと思っていた私にも、
立ち向かう強さがあったのです。
そして母として、
この家族を守りたいという気持ちは、
一度も変わりませんでした。
4回目の借金が発覚して数日後、
夫に言われたことがあります。
「お前は強いよな。
どうして本当に大切なものを守れるの?」
私は、
自分では弱い人間だと思っていたので、
その言葉に驚きました。
そのときはうまく答えられませんでした。
でも今なら、
少しだけわかる気がします。
私は、
自分の弱さを知っています。
だからこそ、
その弱さに飲み込まれてしまいそうな場所には
近づかないようにしてきました。
強いから守れるのではなく、
弱い自分を知っているから守れる。
それが、
私なりの強さだったのかもしれません。
もう一つ、
気づいたことがあります。
私は何度も傷つき、
何度も裏切られました。
それでも今、
この先も夫と歩いていきたいと思っています。
依存ではなく、
自分で選んでそう思ってます。
借金を許したからではありません。
信頼が完全に戻ったわけでもありません。
それでも一緒にいたいと思えるほど、
私は夫のことが好きだった。
そんな自分の気持ちに、
初めて気づくことができました。
無駄な経験にはしなかった
借金があってよかったとは思いません。
二度と経験したくない出来事です。
できることなら、
何も起こらなかった人生を選びたい。
それでも、
この出来事は私にたくさんのことを教えてくれました。
相手は変えられないこと。
安心は感情だけでは作れないこと。
お金との付き合い方。
そして、
私には苦しみに立ち向かう強さがあること。
借金を肯定することはできません。
でも私は、
この経験だけは無駄だったとは思いたくありません。
だから今日も、
あの日の苦しみを、
誰かの心が少しでも軽くなる言葉に変えながら書き続けています。
