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新居浜太鼓祭り 画面越しに感じた祭りの熱気と、5台の太鼓台との出会い



今年は、YouTubeで観る太鼓祭りだった

新居浜太鼓祭り。愛媛県新居浜市で毎年10月に開催される、四国三大祭りの一つです。約150年の歴史を持つこの祭りは、新居浜市民にとって一年で最も熱くなる3日間。重さ約3トンもある豪華絢爛な太鼓台が、100人以上の男衆によって担ぎ上げられ、激しくかき比べられる姿は圧巻です。

今年も祭りの季節がやってきました。しかし、僕は生で観ることができませんでした。約1ヶ月前に足の指を骨折してしまい、人混みの中を歩き回ることが難しい状態だったのです。

山根グラウンドで開催される上部地区統一かきくらべ。毎年楽しみにしているこのイベントを、今年は自宅のテレビ画面越しに観ることになりました。

画面越しでも伝わる、祭りの迫力

ハートネットワークさんのYouTubeで配信される太鼓祭りの映像。画面越しでも、その迫力は十分に伝わってきました。

金色に輝く太鼓台が、男衆の掛け声とともに高々と差し上げられます。太鼓の音が響き渡り、観客の歓声が沸き上がる。各地区の太鼓台が次々と登場し、それぞれの個性と誇りをかけたかきくらべが繰り広げられていきます。

中萩地区の太鼓台も登場しました。治良丸太鼓台、萩生東太鼓台、萩生西太鼓台、土橋太鼓台、岸の下太鼓台、上原太鼓台、本郷太鼓台。僕の住む地域の7台の太鼓台です。画面越しに、それぞれの個性を見ることができました。

そして、岸の下太鼓台が優勝しました。青い法被を着た男衆が、喜びを爆発させています。その瞬間を、僕はテレビ画面越しに見ていました。

本当は、あの場にいたかった。生で観る太鼓台の迫力、体に響く太鼓の音、会場全体を包む熱気。そして、優勝の瞬間の歓声。それらを肌で感じたかった。

画面を見ながら、決めた

テレビ画面を見ながら、僕は決めました。せめて、帰り道だけでも生で見よう、と。

山根グラウンドから各地区への帰り道。上部地区の太鼓台は、みんな同じ方向に進むはずです。その道のどこかで待っていれば、太鼓台に会えるかもしれない。

特に、岸の下太鼓台。あの青い法被の太鼓台を、どうしても生で見たかった。優勝した太鼓台を、この目で見たかったのです。

奥さんと息子は、息子の友達と一緒に現地観戦に行きました。かきくらべが終了したら、迎えに行く約束をしていました。

僕は、少し早めに家を出ました。そして、太鼓台が通りそうな道沿いのスーパーの駐車場に車を停めて、待つことにしたのです。

30分間の、奇跡のような時間

駐車場で待つこと数分。遠くから、太鼓の音が聞こえてきました。

来た。太鼓台が近づいてくる。

車を降りて、道路沿いに立ちました。山を背景に、夕暮れの空の下を、最初の太鼓台が近づいてきます。

治良丸太鼓台です。金色に輝く太鼓台が、100人以上の男衆に担がれて、ゆっくりと進んできます。男衆の法被、太鼓台の装飾。画面越しでは分からなかった細部まで、はっきりと見ることができました。


治良丸太鼓台

そして、次々と太鼓台が通り過ぎていきます。萩生東太鼓台、萩生西太鼓台、土橋太鼓台。それぞれが異なる色の法被を着て、それぞれに個性的な装飾を施した太鼓台を担いでいます。


萩生東太鼓台

ピンク色の法被、紫色の法被。太鼓台のデザインも、龍や獅子、花鳥風月など、一台一台が違います。画面越しでは気づかなかった違いが、目の前ではっきりと分かりました。

萩生西太鼓台

そして、最後に岸の下太鼓台が通りかかりました。

岸の下太鼓台

青い法被を着た男衆が、優勝した太鼓台を担いでいます。疲れているはずなのに、その表情には達成感と誇りが満ちていました。

思わず、拍手をしていました。「おめでとう」と声をかけると、何人かが手を振り返してくれました。

約30分間。5台の太鼓台が、次々と目の前を通り過ぎていきました。現地についてから、上原太鼓台と本郷太鼓台はもう先に出発してしまっていたことを知りました。でも、残りの5台すべてを生で見ることができました。まるで、僕のために用意されたパレードのような、奇跡のような時間でした。

あれだけやって、まだ続くのか

驚いたのは、太鼓台がまだ移動を続けているということでした。

さっきまで、山根グラウンドで激しいかきくらべをしていたはずです。あの重さ3トンの太鼓台を、何度も何度も差し上げて、激しく揺さぶって。それだけでも相当な体力を消耗するはずです。

それなのに、これから夜太鼓に向けて移動している。まだ祭りは続くのです。

新居浜の太鼓祭りは、朝から晩まで続きます。朝には宮出し、昼には統一かきくらべ、夕方からは各地区を回り、夜には夜太鼓。そして翌日も、また朝から同じように続くのです。

この日は2日目でした。明日は最終日。また朝から一日中、太鼓台は街を練り歩きます。

祭りを支える人々のパワー

太鼓台を担ぐ男衆の姿を間近で見ながら、改めて思いました。この祭りは、並大抵の覚悟では参加できない。

重さ約3トンの太鼓台を担ぐ。それだけでも大変なのに、それを高々と差し上げ、激しく揺さぶる。しかも、それを3日間、朝から晩まで続けるのです。

体力はもちろん、精神力も必要です。チームワークも不可欠です。一人でも力を抜けば、太鼓台は傾き、最悪の場合は事故につながります。全員が一体となって、太鼓台を支えなければならないのです。

そして、担ぎ手だけではありません。太鼓台を押す人、綱を引く人、交通整理をする人、飲み物や食べ物を差し入れる人。多くの人々が関わって、初めて祭りは成立します。

地域全体で支える祭り。それが、新居浜太鼓祭りなのです。

目の前を通り過ぎる太鼓台を見ながら、僕は心の中で敬意を表していました。この人たちがいるから、この祭りは続いている。この人たちがいるから、地域の誇りが受け継がれている。

新居浜太鼓祭りとは

新居浜太鼓祭りは、約150年の歴史を持つ伝統的な祭りです。新居浜市内の各地区がそれぞれの太鼓台を持ち、その数は50台以上にも及びます。

太鼓台の起源には諸説ありますが、江戸時代の山車が原型とされています。新居浜の銅山産業の発展とともに、太鼓台も豪華絢爛になっていきました。金糸銀糸で織られた幕、精巧な彫刻、きらびやかな装飾。一台一台が、まさに芸術品です。

祭りの見どころは、なんといっても「かきくらべ」です。複数の太鼓台が一堂に会し、その勇壮さを競い合います。太鼓台を高く差し上げる「差し上げ」、激しく前後に揺さぶる「かき」。その迫力は、見る者を圧倒します。

上部地区の統一かきくらべは、山根グラウンドで開催されます。中萩地区の7台を含む、複数の太鼓台が集まり、技と力を競い合うのです。

近年では、YouTubeなどでライブ配信も行われるようになり、遠方の人や、僕のように現地に行けない人でも楽しめるようになりました。それでも、やはり生で観る迫力には敵いません。

中萩地区の7台の太鼓台

僕が住む中萩地区には、7台の太鼓台があります。

土橋太鼓台

治良丸太鼓台、萩生東太鼓台、萩生西太鼓台、土橋太鼓台、岸の下太鼓台、上原太鼓台、そして本郷太鼓台。それぞれが独自の歴史と伝統を持ち、地域の人々が大切に守り、受け継いできた太鼓台です。

特徴的なのは、それぞれが異なる色の法被を着ていることです。青、ピンク、紫。色とりどりの法被が、祭りに華を添えます。太鼓台の装飾も、それぞれに個性があります。龍、獅子、鶴、花々。職人の技が光る、美しい彫刻や刺繍が施されています。

今年の上部地区統一かきくらべでは、岸の下太鼓台が優勝しました。青い法被を着た男衆の喜びは、地域全体の喜びでもありました。

祭りの期間中、地域は一体となります。普段は静かな住宅街が、活気に溢れます。子どもたちは太鼓台の後を追いかけ、大人たちは声援を送ります。

太鼓台が道を通ると、家々から人々が出てきます。手を振り、声をかけ、カメラを向けます。それは、地域への誇りの表れです。

奥さんと息子も、この祭りを楽しみにしています。特に息子は、友達と一緒に太鼓台を追いかけ回すのが好きです。将来は、自分も担ぎたいと言っています。

そうやって、祭りは次の世代へと受け継がれていくのでしょう。

無事に終わってほしいという願い

5台の太鼓台を見送りながら、僕は心の中で願いました。どうか、怪我のないように。無事に祭りが終わりますように、と。

太鼓祭りは、危険と隣り合わせです。重い太鼓台を担ぎ上げる。バランスを崩せば、大怪我につながります。過去には、残念ながら事故も起きています。

それでも、人々は祭りを続けます。危険を承知で、太鼓台を担ぎます。それだけ、この祭りが大切なのです。地域の誇りであり、アイデンティティなのです。

明日は最終日です。また朝から一日中、太鼓台は街を練り歩きます。担ぎ手の体力も、限界に近づいているはずです。だからこそ、より一層の注意が必要です。

どうか、全ての太鼓台が、全ての担ぎ手が、無事に祭りを終えられますように。

来年こそは

足の骨折も、もう治りかけています。来年の太鼓祭りには、間違いなく生で観に行けるでしょう。

いや、観に行くだけではないかもしれません。もしかしたら、担ぎ手として参加することも考えています。地域の人々と一緒に汗を流し、あの重い太鼓台を担ぎ上げる。そんな経験をしてみたい、という思いが芽生えてきました。

今年、自宅のテレビで祭りを観て、そして駐車場で待って5台の太鼓台を生で見て、改めて感じたことがあります。

この祭りは、観るだけでは味わえない何かがある。参加してこそ、本当の祭りの熱気を感じられるのではないか、と。

テレビで観た優勝の瞬間も素晴らしかった。でも、岸の下太鼓台が目の前を通り過ぎた時、青い法被を着た男衆が手を振り返してくれた時、その喜びを少しだけ分けてもらえた気がしました。

来年は、あの中にいたい。

画面越しと、生で見ることの違い

今回、自宅の大画面テレビで観戦してから、実際に太鼓台を生で見るという体験をして、改めて気づいたことがあります。

テレビの大画面越しでも、祭りの迫力は十分に伝わります。カメラワークも良く、太鼓台の細部まで見ることができます。解説も入るので、祭りの背景や見どころもよく分かります。リビングで快適に、じっくりと観戦できました。

でも、生で見ると、すべてが違いました。

太鼓の音が、体に響く。男衆の掛け声が、空気を震わせる。太鼓台が近づいてくる時の迫力。通り過ぎる時の風。すべてが、テレビ画面越しでは伝わらないものでした。

そして、何より、その場にいるという実感。同じ時間、同じ空間を共有しているという感覚。これは、テレビ画面越しでは決して得られないものです。

もちろん、YouTubeの配信やテレビ中継は素晴らしいと思います。現地に行けない人、遠方の人、僕のように怪我をしている人にとって、祭りを楽しむ貴重な手段です。大画面で観られたことで、細かい部分までしっかり見ることもできました。

でも、可能なら、やはり生で見るべきだと思います。その場の空気、熱気、すべてを肌で感じるべきだと。

だからこそ、僕はスーパーの駐車場で待つことにしたのです。たとえ30分だけでも、たとえ通り過ぎるのを見るだけでも、生で見たかった。そして、それは正解でした。

祭りが終わっても

祭りが終われば、新居浜の街は再び日常に戻ります。太鼓の音は消え、太鼓台は倉庫にしまわれます。

でも、人々の心の中には、祭りの記憶が残ります。あの熱気、興奮、達成感。そして、地域の絆。

それは、また来年の祭りに向けてのエネルギーになります。一年をかけて、人々は準備をします。太鼓台の手入れ、練習、資金集め。すべては、来年の祭りのために。

新居浜太鼓祭りは、3日間だけの祭りではありません。一年365日、人々の心の中で続いている祭りなのです。


夕暮れの空の下、山を背景に次々と通り過ぎる太鼓台。その姿を写真に収めながら、僕は思いました。

来年こそは、現地で観たい。山根グラウンドのかきくらべを、最初から最後まで。そして、できれば、担ぎ手として参加してみたい。

足の怪我が治ったら、地域の人に声をかけてみよう。太鼓台を担がせてもらえないか、と。

新居浜太鼓祭り。それは、この街に住む僕たちの誇りです。そして、岸の下太鼓台の優勝、おめでとうございます。

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迫力満点の寄せ太鼓動画映像
(新居浜移住チャンネル)


【追記】
この記事を読んで、疑問や質問があれば、コメント欄で教えてください。移住経験者として、できる限りお答えします。


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