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大切な人を失わないために〜私達ができること〜

我々は人生の中で、度々大切な人を失う。

これは、誰しも経験のあることだ。
人と人とを別れさせる要因としては、転勤・死別・別離等、様々なものがある。

私たちは、その都度悲しい思いをして、数えきれない程の後悔をしてきた。最低な夜を過ごし、朝の光が憎らしく思える日もあっただろう。

しかし、それら“別れ”の中には、避けられないものもあったかもしれないが、避けられたものもあったのではないか?

だとしたら、あの反芻するように押し寄せる「後悔」の荒波に身を晒さずに済んだのではないか?

今日は、中でも避けられることのできた“別れ”について、科学的根拠を踏まえて考えてみよう。

1   好きな人と付き合ってから別れるまで

思い返して欲しい。

想いを寄せていた人と付き合った日は、天にも昇る気持ちだったろう。夜には何度もその人の顔を思い出し、相手の名前を脳内で連呼し、描いた未来に胸が震えていたはずだ。

一言で例えるなら、“歓喜の絶頂”だ。

次は、初めて手をつないだ日のことを思い出してほしい。心の奥底から「信じられない」、「自分なんかに…」という思いがあったはず。そして、あなたは中世の騎士の如く、心にそっと「この幸せは一生守り抜く」と誓ったはずだ。

ただ隣にいてくれるだけで、世界が明るく美しく見えた。間違い無いだろう。

でも、残酷だ。
人間は「慣れる」生き物だ。一緒にいることが“奇跡”から“当たり前”になっていく。

LINEの返信が少し遅いだけで不満を感じ始める。休日の予定が合わない時は、当初は無理をしてでも会いに行ったが、今はお互いに“尊重”という建前で、もう日程調整すらしなくなった。お互いの価値観のズレを感じ始め、そのうち会話の数も減っていく。

しだいに感謝の念が消え、相手への不満が蓄積していく。言いたくないのに、思わず強い言葉が出る。

「なんでいつもそうなの?」
「それくらい分かってよ!」
「最近のお前からは何も感じないわ!」

__それは、かつて愛情を注いだ相手に向けた 言葉だ。

小さな心のすれ違いが積もり積もって、いつしか「この人とはもう無理かも」と、どちらかが心の中でつぶやく。

我慢の限界はある日突然訪れ、別れの言葉が口をついて出る。でも実は、それは数ヶ月前から始まっていた静かな崩壊のラストシーンに過ぎない。

そして、焼け野が原のような心に、ただ茫然と立ち尽くす日々が始まる。
悔恨と空虚の章の幕開けだ___。

どうだろうか?
あなたにも遠からず、いく分当てはまる箇所はあったのではないか?

よく見る恋愛のこの流れには、実はちゃんとした理由がある。

“脳”の仕組みがそうさせているのだ。

2  “あの奇跡”が“当たり前”になるまで

人間の脳は初めての経験や、嬉しい出来事があると、脳の「報酬系」が活性化する。これは「ドーパミン」が関与する快感の回路だ。

例えば、「欲しかったものが手に入った時」はドーパミンが大量放出され、喜びに震える。要するに「好きな人と付き合うことになった時」は、ドーパミンが爆発し、世界がキラキラするのだ。

しかし、同じ刺激が続くと人の脳は次第に反応しなくなる。この現象は「神経順応(neural adaptation)」と呼ばれ、繰り返される刺激に対して脳の反応が徐々に弱まっていく機能だ。

また、“ありがたい”は比較で生まれる感情である。脳は「前より良くなったか」「変化したか」で幸福感を判断する。

逆に「同じ状態が続く」とそれが基準になっていしまう。すると、最初は“ありがたい”と思っていたものも、「普通」になり、感動が薄れてしまう。これは、「快楽順応(ヘドニック・トレッドミル)」という反応である。

これらは、脳の“省エネモード”とも言える。

過剰な興奮状態が長く続くと、脳はエネルギーを消耗してしまう。その負担を減らすために、脳はあえて刺激に鈍感になるようにできている。これらの機能は、非常に合理的な仕組みなのだ。

しかし、大切な人を思いやる気持ちを薄れさせるのも現実である。我々はこの機能と向かい合わなくてはならない。

3  慣れを克服する方法

この「慣れ」を克服する方法が“感謝”だ。

これは精神論ではなく、しっかりとした科学的根拠がある。

感謝は「報酬系(ドーパミン)」を活性化する。

感謝すると、脳の報酬系(とくに腹側被蓋野(VTA)〜側坐核)が活性化する。これはお金をもらったときや、美味しいものを食べたときと同じような反応だ。つまり、「ありがとう」と感じるだけで、脳はご褒美をもらった気分になる。

また感謝は「オキシトシン(愛情ホルモン)」の分泌を促す。

感謝の感情があると、オキシトシンという「人とのつながり」を感じるホルモンが出る。これが信頼・絆・共感を強め、孤独感を和らげる効果もある。だから、人に感謝されると心が温かくなったり、ほっとした気持ちになる。

感謝は「扁桃体(不安を扱う中枢)」の活動を抑える。

感謝を意識することで、不安やストレスを感じる脳部位「扁桃体」の活動が抑えられる。それと同時に、前頭前野(論理と思考の司令塔)が活性化し、ポジティブな判断がしやすくなる。「ありがたい」と感じるだけで、ストレスが減って前向きになれるのだ。

日記や瞑想で「感謝」を意識すると脳が変わる。
毎日「感謝したことを3つ書く」だけで、2週間後に幸福感が増したという研究(カリフォルニア大学デイビス校)がある。これは脳の神経可塑性(使う回路が強化される)によって、「感謝回路」が強化されるためである。

感謝はいわば、“脳の筋トレ”だ。繰り返すほど「ありがたみを感じやすい脳」になる。

ここまで脳機能との関連を書いてきた。
しかし、私はあえて言いたい。

そもそも脳の話云々の前に、自分が愛して、愛してくれた人に感謝を忘れるというのは阿呆じゃないか。

そもそも、私達がこの世に産まれたこと自体が、途方もない偶然の積み重ねだ。そして、さらに出会い心を通わすというのは、考えられない奇跡だ。

そこを考えると、感謝せずにはいられなくなるのではないか?

4   アクションプラン

・二人で「初めて」を探しに行く

先ほども述べたとおり、初めての経験はドーパミンが出る。
ならば、その機能を逆手に取り二人で「初めて」を探し、経験をしに行くといいだろう。これは共有の思い出ともなるため、会話のネタも増える。

・感謝の言葉かけ一万回

ネテロ会長も最後は「感謝」にいきついた。
大切な相手に毎日「ありがとう」の言葉かけをしよう。しかし、毎日一万回もやってしまうと「感情」を置き去りにしてしまう可能性があるので、1日1回でも伝えることにしよう。

・朝活の瞑想に「感謝」を取り入れる

ここでもやはり朝活だ。瞑想を取り入れ、その精神集中の中に“感謝の念”を取り入れよう。1日を良い気分でスタートできる。結果、周囲の人間も幸せにできる。

・感謝することを癖にしよう

そもそも人間は、人生においてどうでもいい人間には「ありがとうございます」を言うが、大切な人間に対しては、「ありがとう」を言わないものだ。本当に大事な人間に、その言葉をかけるようにしよう。感謝は筋トレのようなものだ普段から意識して鍛えよう。

5   まとめ

大切な人と一緒にいることが“当たり前”になるのは、脳科学的に当然のことだ。だからと言って、何もしないと言うのは話が違う。

感謝は、意識して感じる・伝えることで鍛えることができる。より幸せを感じやすい脳になる。そうと分かれば、感謝を感じて自分自身を整えて、相手に「ありがたい」を伝えることのできる人間になろう。相手の笑顔で、自分がこの上ない幸せを感じた日々を覚えているだろう。

二人で一緒にいることに感謝を伝え合い、未来を描いていこう。あなた達の関係は、この先も誰でもないあなた達でしか、築いていけないのだから。よく話して、経験して、感謝を伝えよう。


二人が出会えて、一緒にいられることは「当たり前」ではなく、それこそ奇跡なのだから。


ここまで読んでくださり、ありがとうございます。
あなたにも幸せが訪れますように。