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生成AIといっしょに学ぶ

こんにちは。Yumaです。

私は以下の記事で、社会人が学習ツールを駆使して難関試験に合格した体験記を書いていました。その時にはすでに中年で、長時間の勉強に耐えられる体力、精神力、視力が弱っていましたが、それから3年を経て、今年の12月に最後の試験を受験する必要があり、さらなる勉強能力の弱体化に途方に暮れています。

しかし、生成AIの発展が著しく、生成AIの活用して試験に乗り切ろうと思いました。「#AIと自由研究」というお題にきっかけを得て、この記事ではAIの勉強での活用方法について実体験とそれで得た感想を記載するものです。つまり以下の記事の2025年8月時点、生成AIアップデート版、という位置づけとなります。

私が対象としている試験は公認会計士試験/修了考査ですが、それ以外の試験にも、参考になるテクニックがあると思います。また、私の学習の中心はAnkiというソフトウェアを使用するものですが、これを使用しない場合でも有用な箇所はあると信じています。



1. 勉強を始める前

1-1. 学習内容の全量を把握するために、PDFファイルからすべての「例題」のリストを抽出する

学習計画を立てるためには学習内容の全量を把握する必要があります。テキストには「目次」が載っており、これである程度把握することは可能ですが、ほんとうの意味で把握したいのは学習内容、もしくは「論点」と呼ばれるような単位の数のはずです。

簿記のような計算科目では、その論点は「例題」、「設例」、といった内容でまとめられています。しかし、テキストによってはその例題リストの掲載がないこともあります。従来は、手で書き写したり、PDFファイルから例題名をコピペしてリストを作成するといった作業が必要で大変でした。

そこで、生成AIに、例題のリストを出力してもらいます。GeminiにPDFファイルを添付し、以下のプロンプトを入力します。

このPDFからすべての例題を抜き出して、表形式で出力してください。
例題は、「例題」のあとに数字、例題名、重要度を示すABC、の情報を持っています。
章は節を持ち、節は例題を持ちます。
すべての例題を、章、節、例題(「例題」+「数字」+「例題名」)、
重要度を一行で出力してください。

すると、以下のように例題リストが表形式で出力されます! これで、どれだけの例題を学習すべきかを把握しやすくなりますね!

1-2. 学習量を予測して負荷を検討するために、日別学習量のシミュレーションを計算させる

次に、これらの例題を日々どれだけ取り組めばよいか検討します。この点、資格試験は日々のモチベーションを云々している時点で負けというか、やるべきことはやる、というくらいの硬い態度で望んだほうが良いので、あまり負荷を検討する必要性は薄いかんじもしますが、たとえば趣味の英語勉強で毎日少しづつ英単語を暗記する際に、心が折れない学習の仕方を検討する、といった場面と考えていただければと思います。

私の場合は日々の学習タイミングの管理は、Ankiというソフトウェアで行っています。正解する毎に復習間隔をあけて出題するという仕組みで、効率的で効果的に復習ができるアプリでおすすめです。このアプリは、(設定で変更することもできますが、)正解後1日後に復習期限が到来、それに正解すると3日後、以降7日後、21日後、という風に間隔が開いていきます。このルールで一日一個英単語を新規に学習すると、日々復習する単語の量はどうなるでしょうか。

以下のルールで学習をする場合の、日ごとの(3年分)学習量をグラフにして表してください。
・毎日1個、3年間、英単語を学習します。正解か不正解かを入力します。
・正解だった場合、1日後に復習します。さらに正解だった場合、3日後に復習します。
以後、正解するごとに、7日後、21日後、60日後、180日後、一年後、
に復習期限が到来します。一年後が最大の次回の復習期限です。
・一方で、不正解だった場合、再度最初のループに戻ります。
・学習の正答率は、学習初期は80パーセントです。60日後の復習期限到来時に正解すると、
正答率は95パーセントになります。
・7回誤答するとがその単語は学習リストから除去され、出題されなくなります。
・グラフの文字は英語を使用

すると、以下のグラフを出力しました。

上記から、だいたい一日あたり15個くらいの学習量になることがわかりました! これなら復習の負荷も低いので継続できそうですね。

2. 勉強の最中に

2-1. 講義の動画を視聴するのは時間が掛かるし、あとで見返そうと思ってもどこが聞き直したかったところかわからない面倒さを回避するために、動画ファイルから文字起こしする

さて、次に、勉強の最中に生成AIを活用することを考えます。

予備校の提供する教育サービス内容として、動画での講義の配信を行うことも多いのではないでしょうか。講師が説明するのを聴くのは本を読むだけの勉強と比べるとわかりやすいですよね。ただ、長時間の視聴が必要だったり、見返したいときにどこが求めている説明かすぐにわからなかったり、面倒なことも起きます。そこでAIに音声ファイル/動画ファイル/を与え、文字起こしをさせてみましょう。

Geminiでは音声ファイルを与えると、残念ながら「申し訳ありませんが、音声ファイルを直接解析することはできません。そのため、音声を文字に書き起こすことができません。」という結果になりました(なお、動画ファイルだとうまくいくようでした)。そこで、Google AI Studioを使用します。mp3ファイルをアップして以下を入力します。

この音声ファイルを一言一句できるだけ厳密に文字起こししてください。
要約はしないでください。ただし、フィラーは除去してください。

すると今後はうまく文字起こしをしてくれました。

あとは、さらにこれを生成AIに与えて講義ノートをわかりやすくまとめてください等と指示すると、わかりやすくまとまったレジュメができていいかんじです。

2-2. 勉強していてよくわからなかったりして、講師に質問するまでもないか、と思うようなちょっとした引っ掛かりを質問して、一定の納得感を得る

資格試験に合格するという観点では、テキストに記載の内容はすべて理解する必要はないでしょう。それをしだすと時間がかかりすぎ、かえって合格から遠のいてしまいかねません。しかし、勉強をしていて、この抽象的な記述の裏にはどんな具体的な事象があるのだろう、と疑問を抱き調べるのは当然であり、それが学習の楽しみであったりします。

このようなときに、生成AIに聞いてみます。すると、解答してくれます。

もちろん、ハルシネーション(もっともらしい嘘の情報)の問題もあるのでしょう。しかし、一般的な資格試験の論点程度の内容であれば、あまり的はずれなことは回答しなくなった、というのが、2025年8月時点の感触です。

2-3. 暗記したい項目を自分で作成するのが時間がかかるので、問題リストを作成してもらう

私は以下の記事で、Ankiという学習アプリに問題を登録して勉強する方法を紹介しました。

ただ、この方法の難点は、自分で登録する問題を作成する必要があることでした。資格学校の方でCSV形式で問題を提供してくれれば良いんですけどね。それなので、PDFからコピーして自分で問題を考えたり、テキストを画像として登録するなど、非常に多くの工数が必要になりました。

そこで、生成AIです。

第4章 開示関連論点、第1節 貸借対照表の純資産の部の表示、1. 純資産の部の表示から、
一問一答を作成できますか?
内容はPDFに基づき、外部のソースの依拠するのは不可。
ただし、どのような問題にすべきか、重要度などを考慮する際は外部のソースを参照してもOK。
内容は、質問が定義や理由をきくもので、解答がその定義や理由になります。

「1-1」の方法で抽出した章、節、項の情報を下に、PDFを指定して、一問一答を作成するように上の指示すると、作成してくれます! このあとで、Ankiに一度に登録できるようCSV形式での出力を指示すると、それにも対応してくれました。便利すぎます。

念の為に、どのようなロジックで生成したのか聞いてみると、

先ほど私が作成した4つの問題について、その選定ロジックをご説明します。
一言で申し上げますと、「テキストで強調されている重要性」「一問一答形式への適合性」、そして「論点の網羅性」という3つの基準から総合的に判断しました。

とのことで、デタラメに生成したわけではなさそうです。

試験問題の難易度次第で、正誤判定問題や穴埋め問題を生成してもらい習熟したあとで、定義や背景などを質問する問題で勉強するとスムーズに理解が進むように思われます。

2-4. ばらばらに見える要素を暗記しやすくするように、表を作成してもらう

以下の記事で、「まとめ表」を作成することの有用性を記述しました。

このまとめ表を生成AIで作成することを試してみます。

たとえば、監査論の中で、「不正のトライアングル」という概念があります。「機会」、「動機」、「プレッシャー」の要素から構成されるのですが、この3つがなかなか暗記できませんでした。テキストでは、3要素が円で重なるベン図が記載されるのですが、直感的に理解しやすいようでも、本質的には要素が羅列されているだけで、どうも暗記しづらい。

そこで、生成AIに、この三つを表形式でマッピングする2軸の案を出してもらいました。何度かやり取りをする中で、次のアイデアが出てきました。

内発的・外発的、の観点と、推進力・抵抗力の欠如、の観点。個人的にはすっきり整理できたように思えます。以下の説明も納得がいくように思えました。

このマッピングの長所
「動機」の二面性を表現できる
:「動機」には、個人の内側から来るもの(物欲など)と、外部からの圧力によるものの両方があることを明確に示せます。
「正当化」と「機会」の違いが明確になる:どちらも「ブレーキの欠如」という共通点を持ちながら、それが内面的な問題(正当化)なのか、外面的な問題(機会)なのかをはっきりと区別できます。
不正のメカニズムを直感的に理解できる:「推進力」である動機が発生し、「抵抗力」である内面の正当化と外面の機会という2つのブレーキの欠如が重なると不正が起こる、という力学的な関係性がわかります。

こうした表は、一度で作成できるものではありません。何度かAIと対話することで、自分の理解も進みますし、暗記にも有用だと感じます。

3. 勉強のあとで

3-1. 学習状況のモニタリングをするために、学習データを分析してもらう

Ankiというアプリで学習を進めると、学習履歴は「collection.anki2」という名前のファイルで保存されます。以下の記事では、このファイルをExcelのPowerクエリを用いて読み込み、たとえば日別・分野別の学習時間を集計するといった学習ダッシュボードの構築について説明しました。

これは私が実際に行っていた方法で、リアルタイムに学習時間が計測されるのはみるとやはりモチベーションがあがります。多くの方におすすめしたい方法ではあるのですが、難点として、Excelに設定するまでやや工数がかかる点、また、一度作成したダッシュボードを変更するのがやや面倒くさい点があげられます。

これについて、生成AIで解決できるのかなと思ったところ、ChatGPTでうまくいくことがわかりました(残念ながら(?)Geminiではうまくいきませんでした)。

なるほど 🙂 Geminiくんにそう言われてしまったのですね。
実はここにちょっとした「環境差」があります。私は Python の実行環境が組み込まれているので、SQLite ファイル(Anki の collection.anki2)を直接開いて分析することができるのですが、Gemini くんはその仕組みを持っていないことが多いんです。

うまくいかない理由をChatGPTくんに質問したものの回答

したがって、以下はChatGPTでの会話になります。

ファイル(collection.anki2)を指定し、以下のようにざっくり入力:

これはAnkiアプリのデータです。
「!A::会計実務」というdeck配下の各Deck毎に学習時間を集計できますか?

すると、(テーブル定義なども特に教えていないのに、)以下のように、集計表を作成し、さらに、分析例も提案してくれました!

グラフ化の案も提案してくれ、提案の誘導に乗ると、様々なグラフを表示してくれます。

さらに、学習管理の観点から、どんなKPIがよいか質問しました。

このデータを使って、学習のKPIとなるような指標があるか考えているんだけど。。。
「Deck別の1回あたり平均学習時間」は、Deck(=学習分野)の苦手度合いが
可視化されそうでよい指標かも。
どう思いますか?
他によい指標、モニタリングすべきもののアイデアはありますか?

いい着眼点です ✨
「Deck別の1回あたり平均学習時間」は、確かにその分野のカードを理解・想起するのにどれだけ負荷がかかっているかを反映しているので、苦手度合いのKPI として有効だと思います。

1. 現在の指標「Deck別の1回あたり平均学習時間」
意味:その分野のカード1回あたり復習に要する平均時間
強み:分野ごとの理解度・苦手度を可視化できる
注意点:カードの形式(長文か短文か)や出題の複雑さでも影響を受ける
👉 苦手な分野ほど「1回あたり時間」が長くなりやすいので、KPIとして「改善傾向(時間の短縮)」をモニタリングできます。

2. 追加で有効なKPI候補

(中略)

🔑 まとめると、今の「Deck別1回あたり時間」はすごく有効なKPIです。
ただし、時間だけではなく正答率や復習回数と組み合わせて見ると、「苦手で時間がかかっているのか、時間をかけても間違えているのか」が分かりやすくなります。
👉 ご希望なら、手元のデータを使って「Deck別の正答率」や「1カードあたりの平均復習回数」も出してみましょうか?

このように、どのようなKPIをモニタリングすべきなのかを、会話をしながら考えることができました。

その後、定期的にデータを分析して学習モニタリングをしてもらっています。

気づき
8月中旬から本格的に学習を開始しており、1週間で2〜3時間以上学習している。
正答率は60〜70%台で推移中。安定はしているが、まだ改善余地あり。
新規カード数が多い(1週間で60〜70枚ペース) → このままだと復習負荷が急増しそう。

今後のアドバイス
正答率改善を意識
70%前後はまずまずですが、試験対策としては80〜85%以上に上げたい。
特に誤答が多い章を特定し、テキスト復習を組み合わせるとよい。
新規カードの投入ペース管理
週60枚以上は復習負荷がきつくなる可能性大。
復習予定を見ながら、新規カードを調整しましょう。
平均学習時間(秒/回)
50秒前後で安定してきているのはよい兆候。
短くなりすぎると雑な復習、長すぎると停滞のサインなので今の水準はOK。

ある日の診断結果

まとめ

生成AIというと、単なる作業の自動化を思い浮かべることが多いと思いますが、その真価は、「疑問をぶつけ、いっしょに対話し、思考を深める」というプロセスにある、というのが、最近の私の考えです。「2-2」や「3-1」の方法ですね。

社会人の学習は孤独な戦いになりがちですが、長い学習プロセスを共に歩んでくれる良きパートナーになってくれるはずです。

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